「因果応報」が身に沁みた 韓流ドラマ『不滅の恋人』

NHKで放送された韓流ドラマ『不滅の恋人』が昨日で完結しました。
王宮を舞台にした時代劇は毎回そうなのですが、王座をめぐる陰謀、それによって翻弄されるヒーローとヒロイン。二人の愛が試されるのです。

最後はハッピーエンドに終わりましたが、家族なのに分かり合えない、それどころがいがみ合い殺し合わないといけない、とても悲しいストーリーでした。

ストーリー

皇子として生まれた3人兄弟。後継である世子・長男は生まれつき体が弱く、床に伏せがちだった。次男は健康で運動能力に長けていた。三男は優しい心の持ち主であり、詩や絵画の才能に長けていた。

健康で運動能力に長けている次男を次期国王にしようと企む臣下から世子を守るために、母は幼い次男を王宮の外に追い出し、許可なく王宮への出入りを禁じた。
母の愛に飢えた次男は、謀反を企む伯父上によって様々な事を学び、唯一そばにいてくれる叔父上を心から慕っていた。王宮でぬくぬくと育つ弟・三男を次男は妬み嫉み、兄と敬う弟を疎ましく思っていた。

やがて3兄弟が育ち、長男が王座に就き、跡継ぎが生まれた。
次男は自分が王座に就けば母が自分を認めてくれるだろうと王座に執着する。それを利用して国を自分のものにしよう企む叔父上。
彼らの陰謀から守ろうと心優しい三男が立ち上がり、次男と戦う。

三角図

三男は絵画を趣味とする女性と出会い、恋に落ちる。やがて二人は婚約するのですが、弟のものを欲しがる次男によって、幾度も邪魔されることになります。
三男が想いを寄せる女性に最初は興味本位ちょっかいを出す次男であったが、自分に恐々と接する他の人と違い、自分の意見を臆することなく発言するその女性にいつしか本気で愛するようになります。
女性が次男に執拗に言い寄られても、三男が幾度も次男によって命を落とされかけても、次男と女性が陰謀によって何年も引き離されようとも、三男とその女性の愛が揺らぐことはなかった。

母の愛を渇望する故の暴挙

幼い頃から王宮を追い出され、母から愛を受け取れず、母を渇望するあまりに捻じ曲がった人格に育った次男。次男が成長し、やがて母への思いがいつしか三男の恋人へとすり替わっていくのです…。

母の愛を渇望するあまり、強い力を求める男性へと成長する点は韓流の時代劇『麗』に似ていると思いました。
『麗』の中では幸い正しい臣下によって真っ直ぐな心を持った青年へと成長し、母への渇望はある女性との出会いによって真の愛を学び他者を慈しむことができるようになったのです。

しかし、『不滅の恋人』は正しい臣下も真の愛を教えてくれる身近な女性もいません。
それゆえに悲劇が起きて王宮が混乱し、可哀想な最期を迎えたのでしょう。

実は次男は三男を愛していた

次男は、自分と違い、王宮で母の愛情を充分に受けて幸せに育った三男を憎く思っている。それは確かです。

しかし、次男のセリフに「彼女はフィ(三男の名)に似ていると思ったが、わたしに似たようだ。寂しくもあるし嬉しくもある。」があります。

これは次男が死んだと思い込んだ彼女が仇を討つために近づく手段として次男に嘘の愛を告げたのだが、それを真に受けた次男が浮かれて言ったセリフです。

彼女を三男と似ていると認識しているということは、実は次男は三男を愛しているということではないでしょうか。
育った環境でこじれてしまったが、心の底では兄と慕う弟を大切に思っていたのでしょう。
そういえば戦地で死んだ弟を憂うシーンがありました。
時代が違えば、仲の良い兄弟として一緒にいたのだと思うと悲しくなります。

人望で集まった集団は強い

次男は権力と金で人を集め、三男には人望と志で人が集まりました。
権力と金で集まった人は、さらなる権力と金があるところに流れます。
人望と志で集まった人は、敬う相手を失望しない限り、志を違えない限り、裏切ることはあまりありません。

そこが、次男が破れ、三男が勝利した原因でしょう。

「因果応報」が重く響く

人を陥れ、人を殺めることで王座を手にした次男は、次は自分が命を狙われるかもしれないと、一時も心が休まることがなくやがて気の病に侵されました。
自分がそのような方法で手にしたがゆえに、自分もまたその方法で命が脅かされると怯えていたのです。
人に慕われ、しかるべき手順を踏んで王になったのなら、そのような心配をすることはなかったでしょうに。

因果応報

三男の恋人が放ったその一言が深く心に刺さりました。

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