なんで鉄は錆びるの?『チコちゃんに叱られる』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

なんで鉄は錆びるの?『チコちゃんに叱られる』

2019/8/2放送の『チコちゃんに叱られる』。
潮田玲子さんと伊東四朗さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「なんで鉄は錆びるの?」

鉄が錆びたがっているから

詳しく教えてくださるのは鉄の錆の関係を熟知されている物質・材料研究機構の篠原正さんです。

鉄は錆びている状態が自然

そもそも鉄が自然界で錆びるのは当たり前にあることで、鉄は錆びたたがっているのです。
普段私たちが使っている鉄は加工されたものなので、元の姿に戻ろうとしてるのです。

鉄の材料となる鉄鉱石は表面が赤茶色で錆びている状態です。
つまり、自然界では鉄は錆びていて、鉄の本来の姿なのです。

「錆び」というのは鉄が酸素と結びついて酸化鉄のことをいいます。
鉄鉱石に含まれている鉄も酸素と結びついて錆びている状態です。

しかし私達が普段目にする鉄は製鉄所で加工されてピカピカ状態です。
先生によると、このように加工された物質は、もとの自然な状態に戻ろうとする性質があるそうです。

鉄の作り方

鉄を取り出す高炉の仕組み

鉄鉱石から鉄を取り出すには50 mの高炉が必要不可欠です。
高さ50 mの高炉の上から鉄鉱石をを入れて2000度近い高温で溶かして鉄を取り出しています。

どういう仕組みかといいますと、鉄鉱石と炭素の塊であるコークスを高炉の上から一緒に入れます。
鉄鉱石と一緒に入れられるコークスとは石炭を材料とした炭素の塊です。
最近では、木炭より音で長く燃えるため、バーベキューなどにも使われています。

高炉の中は下から超高温の酸素ガスが噴き上がっています。
上から落とされた鉄鉱石とコークスは熱風を受けながら50 mを数時間かけてゆっくりと落ちていきます。

このとき、超高温の酸素ガスによって、コークスが燃えます。
そしてさらにその熱で鉄鉱石が溶かされてドロドロになりながら落ちていくのです。
鉄鉱石が溶けるまでには数時間かかるので50 mもの高さが必要なのです。

製鉄所の高炉はホークスが燃える熱を冷まさないようにするために24時間365日休むことがありません。

鉄鉱石から鉄を取り出す方法

次に、なぜ鉄鉱石が鉄になるのかをご説明します。

まず、超高温の熱風によってコークスが燃える際に、酸素とコークスの炭素が結びついて、一酸化炭素などの熱いガスが発生します。
一酸化炭素はより安定した状態の二酸化炭素になろうとして酸化鉄の酸素と結びつきます。
そのため鉄だけが残るというわけです。

これが製鉄所で鉄ができる仕組です。

鉄ができたら

高炉の中で発生したガスは上空に抜け、鉄は高炉の下に落ちます。

ドロドロになった鉄は続いて、「転炉」と呼ばれる工程で強く加工しやすい鉄を変えられます。
溶けた状態で運ばれてきた鉄は、鋳型に流し込まれ冷やし固められてます。
さらに、工場によってはローラーで伸ばし、厚さおよそ1ミリの薄い鉄板にします。
そして、鉄が酸素に触れて錆びないように仕上げにコーティングをして、鉄板を丸めると完成した鉄の製品です。

直径160センチほどの巨大なバームクーヘンのような物が出来上がりました。
完成した製品はこの後、自動車や家電製品、そういったものに形を変えて皆さんの暮らしを支えています。

鉄は水に濡れると錆びやすい

製鉄所で酸素と別れた鉄は自然な状態に戻ろうとして再び酸素と結びつき、酸化鉄になる。
これが錆びの正体だったのです。

ところで、鉄は濡れると錆びやすいといいますが、なぜなのでしょう?

実は鉄は水と触れると表面から溶けていきます。
このときに溶けた鉄と水の中に溶けている酸素が結びつきます。
この状態で水が蒸発すると酸化鉄になります。
これがいわゆる「サビ」になります。

塩水の方がより錆びやすい

塩水の方が錆びやすいのは、塩には水の蒸発を防ぐ性質があり、その部分に水が長く留まるので鉄が水中の酸素と結びつくための時間が増えるからなのです。

フッ素スプレーは効果あり

自転車にかけたりするフッ素スプレー
これはフッ素の水をはじく性質を利用して鉄に吹きかけることでサビを防いでいるのです。

ということで、鉄が錆びるのは錆びたがっているからでした。

最後に先生からの一言

「そもそも鉄が錆びるというのは、例えば相思相愛の2人が無理やり離されても元のさやに納まるように、鉄も酸素とくっついて元の姿に戻りたいということですね。」

所感

先生の最後の一言で一気にロマンチストなお話になりました(笑)

鉄の作り方ってそんな感じだったのかぁと勉強になりました。
あの高い高炉は鉄を作り出すための建物だったのですね。

上から鉄鉱石を放り込んだらそのままドーンと底に衝突するイメージでしたが、下から吹き付ける熱風によって数時間ゆっくりと溶かされながら下に落ちていくことに驚きました。
化学というか科学というか…すごく面白かったです!

フォローお願いします