なぜくしゃみをすると「誰かにうわさされている」というの?『チコちゃんに叱られる』

2019/8/16 放送の『チコちゃんに叱られる』。
関根さんと八嶋智人さんをゲストに迎えています。


チコちゃん「なぜくしゃみをすると「誰かにうわさされている」というの?」

くしゃみを誰か他の人のせいにするため

詳しく教えてくださるのは、民族学の視点から日本の文化を解き明かす、新谷尚紀教授。

くしゃみは2つの「誰か」によって出されている

くしゃみって不意に出てしまうものです。
ですから古くから誰かのせいで出るものだと考えられていました。

民族の考え方ではくしゃみを出させる「誰か」には「悪い誰か」「良い誰か」いうと二つの捉え方がありました。

悪い誰か = もののけ

まず悪い誰かとは誰なんでしょうか。

昔は風邪で命を落とすことも多かったんですね。
だから風邪の前触れでもあるくしゃみはとっても不吉なものだったんです。

くしゃみをすると鼻から魂が抜けてしまって、そこにもののけのようなものが入り込んできて死んでしまうというふうに考えられていました。
つまり、くしゃみを出させる悪い誰かの正体はもののけと考えられていました。

日本三大随筆の一つ、『徒然草』の中にもののけから子供を守る一節があります。
「『くさめくさめ』と唱えないとくしゃみをした子供が死んでしまう」

つまり、くしゃみをした子どもはもののけに命を取られてしまわないように「くさめ」というおまじないで追い払おうとしていたことがわかります。

この「くさめ」という言葉の語源は諸説ありますが、諸説の一つがこちら「くそ食めくそ喰らえ」です。
くしゃみをしたときに近寄ってくるもののけや悪霊にこんな汚い言葉を浴びせて追い払っていたわけです。
この「くさめ」が室町時代の頃に「くしゃみ」という行為自体を表す言葉になりました。

沖縄地方では今でもこのおまじないの言葉を使っています。
古くから沖縄地方に伝わるくしゃみのあとのおまじないで「クスクェ」と唱えます。
こちらも「くそ喰らえ」がその語源だといわれています。

良い誰か = 愛する人

一方で、日本にはくしゃみを出させるのは「良い誰か」という考え方もあります。
それがわかる記述が『万葉集』にありました。

この頃は「くしゃみ」を「鼻ひ」といいました。
くしゃみは愛する人が自分のことを想っているから出てしまうものと考えられていました。

つまり、くしゃみを出させる「良い誰か」の正体は実在する愛する人の想いです。
それが、いつしか誰かの噂話に変わっていったと考えられます。

結局は優しさ

くしゃみは自分では止められないので出るととても気まずい。だから誰かのせいにしたい。
その場を収める優しさから誰かが噂してるんじゃないかなというふうに変わっていったと考えるのが自然じゃないでしょうかね。

ということで、くしゃみをすると誰かに噂されているというのはくしゃみを誰か他の人のせいにするためでした。

所感

くしゃみ一つで歴史を学ぶことができるのでとても面白いですね。2回くしゃみすると悪い噂、3回くしゃみすると良い噂がされていると聞いたことがありますが、その辺の解説がなくて残念でした。

くしゃみをしたら「誰かが噂している」ではなく「誰かが想っている」と言う方が幸せな気持ちになりそうです。
これからはそう言ってみようと思います。

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