ミニトマトとプチトマトの差って何?トマトの色と栄養成分の関係『この差って何』

2019/8/20放送の『この差って何』。
街の皆さん1000人にアンケートをとり、以前放送して反響の大きかった「この差」の中から言われると気になるという声が特に多かった5つの差をランキング形式で発表していました。
今回は5位の 「ミニトマト」です。
ミニトマトとプチトマトの差
ミニトマトとプチトマト一体どのような差があるのでしょうか?
トマトなどの野菜の生態に詳しい信州大学農学部の稲熊隆博先生にきいてみました。
ミニトマトとプチトマトは同じものだと思われていますが、明確な差があります。
実は、ミニトマトは小さなトマトの総称であり、小さなトマトは全てミニトマトと呼んでいるんですね。
プチトマトとはミニトマトの品種の一つです。
ミニトマトとプチトマトの歴史
では、なぜ多くの人はミニトマトとプチトマト同じものだと思っているのでしょうか?
それは日本において小さなトマトがどのように普及していったかを見ていけばわかると思います。
この小さなトマトは昭和の初期に日本にもありました。
その当時は小型トマトとか、ただ単に小さなトマトとも呼ばれていました。
しかし、その頃トマトといえば大きなトマトという固定概観があったため、小さなトマトは市場にはほとんど出回っていませんでした。
そんな中、昭和50年頃に爆発的にヒットする小さなトマトが発売されました。
それがプチトマトです。
「タキイ種苗」というメーカーさんが小さなトマトの種を発売したのです。
その種に「プチトマト」と名付けて発売したら爆発的に売れたんです。
プチトマトはお店で売られる小さなトマトとのことではなく、種の商品名だったのです。
なぜ種が売れたのか?
高度経済成長期以降、都心部に人々が集中し、マンションや団地で暮らす人々が一気に増加します。
すると、自宅のベランダで植物を育てる人たちが現れたのです。
そこに目をつけてプランターでも栽培できるトマトの種をプチトマトと名付けて発売されたんですね。
その結果、ベランダで手軽にトマトが作れるプチトマトの種は瞬く間に大ヒットしました。
そして人々は小さなトマトのことをプチトマトと呼ぶようになっていったのです。
ミニトマトという名前はいつ生まれた?
家庭菜園向けに売り出したプチトマトの種の大ヒット以降、全国の農家さんが様々な品種の小さいトマトを栽培し、小さなトマトも小売店などに出荷するようになったのです。
すると、昭和50年代後半から60年頃にかけて、小さなトマトの総称として「ミニトマト」と呼ばれるようになったんです。
その後、糖度が高くておいしいトマトが次々に登場したことで、実はプチトマトという品種は平成19年に販売を終了しました。
しかし、小さなトマトの人気の火付け役がプチトマトだったため、現在でも小さなトマトのことをプチトマトと呼ぶ人が大勢いるいるのです。
ミニトマトの色の違いでわかる栄養成分の差
トマトの色の差は栄養成分の差です。
赤色は抗酸化作用アリ
赤いトマトはリコピン成分が多く含まれています。リコピンは抗酸化作用がありますので、生活習慣病の予防や老化を遅らせる効果があります。
黄色は血管強化作用アリ
黄色はルチンというポリフェノールの一種が多く含まれています。
ルチンは毛細血管の強化作用があり、動脈硬化や高血圧の予防に繋がるといわれています。
オレンジ色は免疫力アップに効果アリ
オレンジ色のミニトマトの主な栄養成分はβカロテンです。
βカロテンは免疫力アップが期待でき、風邪予防などに効果があるとされています。
緑色はデトックス効果アリ
そして珍しい緑色のミニトマトの主な栄養成分はクロロフィル。
クロロフィルは老廃物を体の外に出すデトックス効果があるとされています。
緑色のトマト「あまえぎみグリーン」を見るとまだ未熟だとみられるかもしれませんが、これはずっと熟してもこのまま緑です。
トマトの旨味が満載です。
所感
ミニトマトは小さなトマトの総称だろうなと漠然と思っていましたが、はっきりそうだと知れてすっきりしました。
そんなことより衝撃だったのは、いやまプチトマトはもう無いという事実です。
まん丸いミニトマトがプチトマトだと信じて疑いませんでしたが、いまわたしが食べているこのミニトマトはプチトマトでは無いんですね…。

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