なぜコアラは木に抱きつく?『チコちゃんに叱られる』

2019/9/6放送の『チコちゃんに叱られる』
吹石一恵さん、星野源さんをゲストに迎えています。
チコちゃん「なぜコアラは木に抱きつく?」
暑さ対策
詳しく教えてくださるのは、コアラやサルなど木の上で生活する動物を専門に研究する北海道大学の早川卓志先生です。
オーストラリアまで出向き、コアラを調査する日本で数少ない専門家です。
コアラは多くの謎に包まれていた
コアラは日中の気温が49.1℃にまでなるような暑いオーストラリアの南東部に住んでます。
そんな暑い地域で生きるコアラには多くの謎があります。
コアラは実はほとんど水を飲みません。
私たち人間は熱くなった体を冷やすために水を飲むなどします。
ところがコアラは水をほとんど飲まず、水分の摂取は主食にしているユーカリの葉からのみです。
さらに、コアラは人間のように汗をかいて温度を下げることができません。
実は、全身から汗をかいて体温を下げる動物は人間と走った後に汗をかく馬くらいです。
犬は荒い呼吸で、猫は全身をなめるなどして体温を下げています。
しかし、水も飲まないし、汗もかかないコアラが果たしてどうやって体を冷やしているのか?
それが長年の科学者たちの疑問だったのです。
ですが、実はその謎がなんと解明されました。
コアラは木で体温調整している
謎が解けたのはつい最近の2014年。
化学分野で権威のあるイギリスの専門誌にコアラの体温調節に関する驚きの調査結果が発表されたのです。
木の温度は周りの気温よりも低いです。
コアラは自分の体の熱を木に移してて体温を下げることができるのです。
つまりコアラは木に抱きついて涼しんでいるということがわかったのです。
さらにこの研究では、コアラは気温が高ければ高いほど温度の低い木を選ぶこともわかりました。
普段は主食にしているユーカリの木にいることが多いコアラですが、気温が高いときにはユーカリではなく、アカシアの木に登り、涼しんでいることもわかりました。
より冷たい木を求めて木から降りて地上を走り回ったりすることもあります。
暑いオーストラリアの森で生き抜くためにそういう戦略を生み出したのです。
本当にコアラっておかしな生き物なんですよね。
おかしなコアラの生態
ということで早川先生がびっくりしたおかしなコアラの生態その1。
赤ちゃんはお母さんのウンチを食べる
コアラの赤ちゃんって変わったものを食べます。
それはお母さんのウンチなんです。
実はコアラのお母さんのウンチにはユーカリの葉の繊維を分解する微生物が含まれていて、赤ちゃんはお母さんのウンチから微生物を体内に取り込み、ユーカリを消化できる体を作っていたのです。
1日22時間寝ている
コアラはなんと1日に22時間も寝ます。
コアラは寝ている間にたくさん食べたユーカリの葉を消化しています。
コアラが食べているユーカリの葉には毒があり、それを解毒・消化するには大量のエネルギーが必要です。
そのため2時間しか起きていられないのです。
補足:コアラが木の上で生活する理由
現他の動物が食べないユーカリの葉を主食としてしまったばかりに手も足も既に登りやすいように進化しました。
そのため地面での生活がかえって苦手になり、できる限り冷たい木を選んで体を冷やしているということです。
所感
コアラって自分で体温調整できないのですね。
哺乳類は皆自分で体温調整できると思っていましたが、汗をかいたり水分補給をして温度を調整するという方法以外にもあるなんて初めて知りました。
しかし、毒が含まれているユーカリの葉を解毒・消費するために1日22時間も寝ていないといけないなんて燃費が悪いですねぇ

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