口呼吸は万病の元!?風邪・虫歯・喘息・睡眠時無呼吸症『健康カプセル!ゲンキの時間』

2019/11/10放送の『健康カプセル!ゲンキの時間』
口が開いたままテレビを見ていませんか?
そんな方は要注意!
口呼吸が癖になっているかもしれません。
でも、口呼吸といって一体何が悪いの?
そもそも口は喋ったり食べたりするときに使うもので呼吸は鼻でした方がいいのです。
これからの季節、特に口呼吸は危険です。
深呼吸は百害あって一理なし。
何もいいことありません。
口の中の環境を悪化させる要因の一つになります。
徐々に空気が冷えてきて乾燥してくるこの季節。
口呼吸はまさに万病の元!
風邪やインフルエンザ、気管支炎など、ウイルスや細菌によって引き起こされる病気や睡眠時無呼吸症候群まで口呼吸が引き金になっている可能性があります。
口呼吸の何がそんなに駄目なのか?
今回は鼻呼吸と口呼吸を徹底比較しちゃいます。
訪ねたのは武内歯科医院です。
口呼吸がもたらす悪影響についてはこちらの理事長で鶴見大学歯学部臨床教授の武内先生に伺います。
口呼吸は風邪をひきやすい!?
口呼吸だとなぜ風邪をひきやすいでしょうか?
口で呼吸をすると、喉に乾燥した空気が流れ込み、ウイルスや細菌が喉に付着しやすくなるため、風邪をひきやすくなってしまうんです。
対して鼻には鼻毛やせん毛など肺の中に異物が入るのを防ぐ仕組みがあり、細菌などを外に押し出してくれるのです。
口呼吸は虫歯になりやすい!?
さらに口呼吸には風邪だけではなく、虫歯にもなりやすいです。
条件が同じであれば、口呼吸がある人の方がそうでない人に比べて口腔細菌が増えやすい傾向にあります。
唾液には自浄作用という口の中を綺麗にする働きがあります。
しかし、口呼吸をすると口の中が乾燥して唾液が減ってしまい、細菌が増える原因になるのです。
これが虫歯や歯周病の原因になるんです。
口呼吸は喘息を悪化させる!?
続いて訪ねたのは順天堂大学医学部附属順天堂医院です。
呼吸器内科准教授の原田先生に話を伺います。
ちょうど秋に入ってくるとの寒暖の差が激しくなったりあるいは台風が多かったりあるいは秋雨前線があったりだとか寒くなるとダニの死骸が増えてきます。
そうなると喘息の方を中心に咳が増えてくるのです。
喘息といえば子供のイメージがありますが、実は大人にも多いんです。
近年、喘息の患者数は増加傾向にあります。
口呼吸が原因で喘息になるわけではないと思いますが、口呼吸をしていることによってもしかすると喘息を悪化させている可能性ということもあります。
喘息の原因は様々あり、ホコリやダニなどのアレルギー物質もその要因と考えられています。
特に寒暖差が激しいこの季節はより注意が必要なんだそう。
そこで大切なのが、鼻呼吸です。
鼻には空気を暖めると同時に適度に加湿する働きがあります。
エアコンと加湿器を合わせたようなハイブリッドな器官なのです。
つまり口呼吸から鼻呼吸に変えることで喘息の悪化予防や発症するリスクを遠ざける効果が期待できます。
口呼吸は睡眠時無呼吸症になりやすい!?
睡眠時無呼吸症は口呼吸が原因になっている可能性もあります。
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まってしまう病気です。
主に、肥満などの体格や骨格が原因といわれていますが、口呼吸とも無関係ではないといいます。
なぜ口呼吸の人は、睡眠時無呼吸症候群になりやすいでしょうか?
口呼吸になってしまう人は、口の周りや舌の筋肉が衰えている可能性があります。
横になったときに舌が喉の方に落ちて軌道をふさぎ、呼吸が止まってしまうリスクが上がるといいます。
睡眠時無呼吸症の睡眠は運動しているのと同じ!?
苦しいという自覚はないのに、なぜ疲れの取れないんでしょうか?
呼吸が浅くなったり止まったりすると血液中の酸素濃度が低くなります。
その結果、血中に酸素濃度が低くなると全身に酸素を運ぼうと心拍数が高くなります。
例えば100m走ったり、あるいはマラソンしたかのように脈拍が速くなるわけです。
ですから、寝ているにもかかわらず、運動しているかのような脈拍になってしまうのです。
疲れを取るために寝たのに結果として疲れてしまうということです。
心疾患や脳卒中のリスクが高まる可能性も…
また、無呼吸によって心拍数が上がると、血圧も上昇します。
放っておくと心疾患や脳卒中のリスクが高まる可能性もあります。
眠っても疲れがとれないきたときに口の中が乾いているなど、これらの項目に当てはまる方は、一度専門医に相談をしてください。
口呼吸の原因の1つは筋肉の衰え
口呼吸は口の周りの筋肉が衰えることによって起きてきているというふうに考えられます。
口の周りにあり、口を開けたり閉じたりするときに使うのが口輪筋です。
この口輪筋の衰えも口呼吸の原因の一つだといいます。
口輪筋が衰えているか口笛でセルフチェック!
口笛で「ドレミファソラシド」としっかり吹くことができない、あるいは高音が出ない場合は口輪筋が衰えている可能性があります。
テクニックや慣れもあり、「必ずしも吹けない=口輪筋が衰えている」というわけではないですが、やはり可能性として唇がしっかり吹ききれないということは口輪筋が衰えている可能性もあります。
しっかりと鍛えていただけたらなというふうに思います。
口呼吸改善法
2人の専門医が改善方法を教えてくれます。
口呼吸改善法「腹式呼吸」
鼻呼吸を意識してしていく方法として腹式呼吸があります。
河原先生オススメの口呼吸改善法は腹式呼吸です。
胸を動かさずにお腹を膨らます意識で呼吸をするのです。
難しい人は、まずお腹だけを膨らませてみましょう。
- お腹を膨らませる
- 鼻で息を吸う
- お腹を凹ませながら口から吐く
慣れてきたら息を吸うのとお腹を膨らませるのを同時にやってみましょう。
この意識づけをしていただくとなんか鼻で呼吸をするという意識もついてくるかなというふうに思います。
腹式呼吸は自律神経に働きかけ、リラックス効果が得られたり、腸を刺激することで便秘改善にもつながります。
うまくできないという方は横になるとお腹を膨らませやすくなるんだそうです。
慣れてきたら座って練習してみましょう。
ポイントは、日常生活の中で習慣づけること。
例えば出かける場合の玄関前で、食後に必ず行うなど、タイミングを決めて習慣づけることで、鼻での呼吸を意識できるようになります。
口呼吸改善法「あいうべ体操」
さらに腹式呼吸とあわせて行うことでより口呼吸の改善に繋がる方法を武内先生が伝授します。
武内先生が教えてくれるのは「あいうべ体操」です。
あいうべ体操は口輪筋や舌の筋肉を鍛えることで口呼吸を改善し、感染症の予防が期待できます。
ある小学校では、この体操を日課にしたところ、児童のインフルエンザ発症が減少しました。
あいうべ体操のやり方
- まず口を大きく開いて「あー」
- 次に口を横に大きく広げて「いー」
- 口を前に突き出すように「うー」
- あご先に向かって舌を突き出し「べー」
これを10回1セットを1日3セット行うことで口輪筋や舌の筋肉が鍛えられ、口呼吸の改善に繋がります。
口呼吸が気になるあなたも、いま鼻呼吸のあなたも腹式呼吸&あいうえお体操をぜひお試しあれ!
先生に質問
睡眠中に口呼吸を防ぐには?
これは寝てる間ですから意識がありませんので、どうしても難しいです。
特にこれから空気が乾燥してまいりますと、冬場朝起きると喉が渇いてしまう。
これは鼻呼吸の方でもよくあることだと思います。
その場合には湿度を上げるために濡れタオルをかけていただくとかあるいはマスクをしていただくということが大事だと思います。
マスクは加湿効果だけではなく、ホコリや菌の侵入も防いでくれます。
睡眠時に口にテープを貼るのは有効?
口にテープをしていただくことによって口がポカンと開かなくなりますので、ある程度有効だと思います。
鼻づまりが原因の口呼吸対策は?
アレルギー性鼻炎や花粉症が原因の場合はまず耳鼻咽喉科でしっかりと治療していただいて、鼻通りを良くして口呼吸を防ぐということが大事です。
実はアレルギー性鼻炎や花粉症の患者数は2002年からの12年間で1.5倍以上に増加しています。
鼻づまりのせいで口で息をするようになり、口呼吸が癖になってしまっている人が増えているそうです。
鼻毛は切らない方がいい?
鼻毛は我々を守ってくれてるわけですけども、伸ばしっぱなしでなかなか難しいですよね。
ですから整えるということは仕方なくするわけです。
しかし、奥まで切ってしまったり、あるいはワックスを使って鼻毛を抜いてしまうと粘膜を傷つけてしまいます。
ワックスで鼻毛を抜くと見た目は非常に綺麗になるかと思いますが、粘膜をどうしても傷つけてしまいます。
本来必要である鼻毛を失ってしまうわけですので、ホコリや細菌が体内に入ってしまいます。
鼻毛があった方が防御機構がしっかりしてるのでそこまでしないでいただきたいというふうに思います。
あとがき
なるべく鼻呼吸をするように気をつけていますが、鼻炎っぽいのでよく鼻水が出て鼻づまりになってしまいます。
そうなると鼻呼吸ができず苦しくなって口呼吸になってしまいます。
そして喉をやられて咳が出て高熱を出して寝込むというワンパターンです。
鼻が詰まっていると思ったらなるべく耳鼻咽喉科に見てもらおうと思いました。
そして、セルフチェックで口笛を吹いてみましたが、生まれて初めてか細い音が出ました!
いままで口笛を吹けたことがなかったのでセルフチェックを完全に忘れて喜んでしまいました。

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