日本一のマグロ仲卸人が美味しいマグロの秘密を解説!『世界一受けたい授業』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

日本一のマグロ仲卸人が美味しいマグロの秘密を解説!『世界一受けたい授業』

2019/12/7放送の『世界一受けたい授業』。
番組が選んだ日本の8つのウソ。あなたは実は騙されている!?

今回は私が大好きなマグロです。


冬に美味しくなるマグロですが、実はあまりマグロのことをよく知らない!?
そこで今夜はマグロの真実を徹底解明します。

教えてくれるのは日本一と呼ばれるマグロ仲卸人 山口先生です。

クロマグロは大間以外でも釣れる

おいしいマグロといえば有名なのや、大間のマグロ
大間のマグロが冬に美味しくなる理由は低い水温豊富な餌にあります。

大間のマグロが釣れる津軽海峡付近には寒い冬の時期にプランクトンが大量発生し、それにつられて集まったイカや魚たちをマグロは食べるのです。
マグロがイカを食べ始めるとイカの甘さがぐっときます。

そんな津軽海峡のクロマグロが大間でしかつれないというのはウソ!
実は津軽海峡のクロマグロを水揚げする技法は青森県大間町以外にもいくつかあります。

中でも高い品質を誇るといわれている大間町のほぼ向かいにある北海道の戸井漁港
高い品質の秘訣は水揚げ後の処理技術に「戸井活け〆」と呼ばれる伝統技術があり、釣った直後に船上で血抜きを施してすぐに氷水で冷やすため高い新鮮を保つことができるのです。

餌が豊富だから美味しいマグロが育つ

特に三厩(みんまや)という場所でとれるマグロは甘いスルメイカをたくさん食べています。
この時期になるとスルメイカの中のワタがすごく大きくなるので脂が乗った旨味が強いマグロでオススメです。

皆が勘違いしやすいのは脂です。
脂は甘い、甘さは旨みを感じます。

本マグロ(クロマグロ)の良さは餌の味です。
何故 日本の近海のマグロが美味しいかというと、日本というのはお魚が育つ環境が一番整っていて、これは世界的に他にはありません。

日本の小魚はアジでもイカでもなんでも美味しいです。
だから美味しいマグロが育ちます。

古いお客様ほど大切にする

日本一と呼ばれるマグロ仲卸人 山口先生のお店『やま幸』には最高のマグロを求めて一流寿司店等から注文が殺到します。
しかし、山口先生は自分の都合しか考えないお客さんにはマグロ売りません。

古いお客様であるほど売る前(売値)が一番低いといいます。
「やっぱり俺(山口先生)を支えてくれた人たちはすごく大事にしたいと思っています。」

お客様を第一に考える山口先生ですが、仕事場で部下にも気持ちよく仕事をしてもらうためにある心掛けをしています。
それは「昔の話はしない」です。

過去は思い出と反省しかないです。
過去の栄光と良いところを探すことよりも、お客様のニーズが変わってきますし、これから5年先10年先どうなってんだろうとか先に向かって我々が今何をしなければいけないかを考えることがとても大事だと思います。

冷凍マグロを美味しく解凍する方法

冷凍マグロを美味しく解凍するには、氷水で解かすのが一番良いです。

  1. まず、冷凍マグロを真水で洗います。
    表面のざらつきを落とす程度に洗うのがポイントです。
  2. 続いて洗ったマグロを袋に入れて
  3. 氷水の中に全体を浸します。
    身の中心が柔らかくなるまで置いておくのがポイントです。

この方法ならば、誰でも簡単にマグロ美味しく解凍できます。

一気に溶かすと旨みが出て行く

昔は一気に溶かした方が良いと言われていましたので暖かい塩水を使って一気に解かしていました。

しかし、急に解凍するとドリップが出てしまいます。
ドリップには旨みが含まれていますので、旨みが出てしまったのです。

氷水を使うことによってじわじわ解かすことによってドリップを出さずに自然に戻して生の状態にすると良いです。

天然マグロと養殖マグロの違い

天然マグロと養殖マグロは価格が全然違います。
天然マグロが50~60万、養殖マグロ7~8万円と差があります。

その秘密は脂にあります。
マグロを解体する時に脂を布巾で拭きますが、養殖マグロのは布巾を洗っても脂が落ちないのです。
天然マグロはすごく脂が強くても洗えば付近の油が全部無くなります。

マグロの品質を確かめるために先生自ら切り分ける

山口先生はお客さんにおいしいマグロを届けるために切り分け作業を必ず山口先生自身がやります。
切り分け作業は30年間一度も欠かすことなくやっています。

マグロ仲卸人 山口先生は多い時で1日30本ものマグロを切り分けます。
一体なぜ、お客さんに渡す切り分け作業は必ず山口先生自ら包丁をとるのでしょうか?

それは自分で切りながらマグロの品質を確かめているからです。

マグロの疑問:新春の初競りのマグロは何故高い?

新年の初競りで一番高値が付いたマグロを「一番マグロ」と言いますが、初競りの一番マグロの値段は年によってまちまちです。

2019年:3億3360万円
2018年:3645万円
2017年:7420万円
2016年:1400万円
2015年:451万円

東京中央卸売市場HP、他より

とはいえ、通常の競りよりも高値がつくのですが、いったいなぜでしょうか?

マグロが広告宣伝の材料になるから。
なので逆に高くないといけません。

1月の頃のマグロはどれもみんな良いマグロです。
実は1番マグロでも2番マグロでも全然変わりません。

60歳で引退する

山口先生はあることを心に決めています。
それは、60歳でこの仕事を引退することです。

自分では70歳でも80歳でもマグロが好きなので仕事はでき理と思いますが、うちのスタッフが私に頼ってしまいます。
自分がいなくなることでスタッフが努力をする、そういう環境を作りたいと思い、60歳で引退することを決めています。

本当に毎朝2時半に起きるんですが、どんなに二日酔いでもあの現場に立つと辛いということは一切ありませんでした。
だから後輩たちも同じように夢を持って仕事をしてほしいと思います。

あとがき

山口先生が仕事をする上で古いお客様ほど大事にされていると知り、とても感慨を受けました。
仕事をする上で利益を上げるためにはどうしても新しいお客様を取り入れようとしがちですが、長く付き合ってくださっているお客様を大事にしないといけないと改めて思いました。

サブスクリプションが中心に変わってきた現在、カスタマーサクセスというもの取り入れ始めた現在、山口先生の心掛けがとても参考になります。

フォローお願いします