スーツの襟の穴は何のため?『チコちゃんに叱られる!』

2020/01/10放送の『チコちゃんに叱られる!』
島崎和歌子さん、森山直太朗さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「スーツの襟の穴は何のため?」

花を挿すため

詳しく教えてくださるのは服飾のデザインや歴史について研究をしている昭和女子大学 中野香織客員教授です。

スーツは元々軍服だった

スーツの襟の穴は花を挿すためにあいています。
いまは花を挿している人を見かけませんが、スーツの歴史を辿ればその答えがわかります。

先生によると、スーツの起源は1700年代のヨーロッパで着られていた軍服です。
軍服はスーツとは似ても似つかないように見えますが、スーツの襟を立ててみると軍服と同じ形をしています。

ボタンに注目してみると、スーツのボタンの位置と軍服のボタンの配置はぴったり重なります。
問題のスーツの襟の穴は軍服の第1ボタンのところにあたります。

つまり、もともとはちゃんと必要なボタンの穴だったわけです。

軍服から「フロックコート」に進化した

しかし、1700年代後半に軍服を基にした新しい服な生まれ、この第1ボタンの運命も大きく変わります。
軍服のテクニックを応用して「フロックコート」と呼ばれるものが作られ、貴族は宮廷でフロックコートというものを着ます。

フロックコートは軍服の詰襟の部分を寝かせており、現在のスーツの「上襟」と「返り襟」の原型が出来上がりました。
その結果 第1ボタンは必要がなくなっていくのですが、ボタンの穴は残っています。

さらに「モーニングコート」と「燕尾服」に進化した

そして次なる変化が19世紀に起こりました。
このフロックコートがさらに進化したパターンの「モーニングコート」と「燕尾服」というものができます。

「モーニングコート」とは昼間に着る正装で格式の高い式典で着用されるものです。
一方「燕尾服」とは夜の正装、社交界用の服のことです。

二つとも特長は後ろが長いことです。
お尻を隠すのが当時の貴族文化のマナーとされていました。

フロックコートから進化したこの段階で現在のスーツとほぼ同じ襟が出来ました。

スーツが元軍服であることを忘れないように襟の穴を残した

さらにお尻が邪魔だったのでカットし、現在のスーツに近い「ラウンジスーツ」に変化しました。
このように軍服はフロックコート、モーニングコートと燕尾服、ラウンジスーツに変化し、襟が完全に寝てしまい、第1ボタンが全く必要のないものになりました。

しかし、イギリスのスーツの仕立て屋さんたちが元々は軍服であったことを忘れないようにと、襟の穴を残したそうです。

襟の穴は花を挿すために使われるようになった

襟の穴は花を挿せてとても便利であり、結果として花が挿されるようになりました。

1700年代後半フロックコート時代の様子を描いた絵画をみてみると襟に花が刺さっています。
1700年代は貴族が新種の花を知っている自慢というニュアンスで襟の穴に花を挿したというトレンドもありました。

さらに1800年以降ヴィクトリア女王が結婚式でアルバート公の襟の穴に花を挿したことで庶民にも広がり、今でもヨーロッパでは王室の式典などでスーツの襟の穴に花を挿すことが行われています。

あとがき

スーツの襟の穴は花を挿すためにあることは知っていました。
しかし、スーツがもともと軍服であったことは知りませんでした。
スーツの穴は本来第1ボタンの穴だったというわけですね。

軍服・戦闘服は効率重視で無駄がなくてしかも動きやすくて丈夫なので服装としては完璧に近く、軍服を元にしたデザインの服装が流行することがあると最近学びました。
約300年前の軍服が今のスーツの原型だったわけなので、今の軍服が300年後のスーツになる可能性もあるかもしれませんね!?

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