水滴のぽちゃんは何の音?『チコちゃんに叱られる!』

2020/01/10放送の『チコちゃんに叱られる!』
島崎和歌子さん、森山直太朗さんをゲストに迎えています。
チコちゃん「水滴のぽちゃんは何の音?」
「ぽちゃん」ではなく「ぽ」と「ちゃん」
100年間、世界中の科学者の間でずっと謎だったけど「ぽちゃん」ではなく「ぽ」と「ちゃん」であることがついこの間やっとわかった
詳しく教えてくださるのは、97人ものノーベル賞受賞者を輩出しているイギリス ケンブリッジ大学で今回世界で初めて「ぽちゃん」と音が出る仕組みを解明したアヌラグ・アガルワル教授と学生のサム・フィリップスさんです。
「ぽちゃん」の謎は百年以上前から研究されていた
水滴が水に落ちるときに水が飛び跳ねますが、「ぽちゃん」はそのときの音ではありません。
水中に残された小さな気泡が音を発しているのです。
多くの方々が水滴が水面にぶつかる時にしている音と思っていた「ぽちゃん」。
この音が鳴る仕組みは100年以上前から研究されていたそうですが、一体それがどのようにして聞こえているのかということまではわからないままでいたのです。
それがおととし2018年に教授たちの手により解明されました。
水滴の音に注目したきっかけは教授が友人の家に泊まった際に雨漏りの音で眠れなかったからでした。
身近な疑問から生まれた世紀の大発見を教授自身に解説していただきます。
「ぽちゃん」は気泡ができた瞬間の音
まず水滴が水面に向かって落ちていきます。
次に落ちた水滴の重みで水面がへこみます。
そのへこみが閉じるときに気泡ができます。
この瞬間にこの気泡が振動して「ぽちゃん」と音が鳴るのです。
つまり、「ぽちゃん」という音は気泡が水面から切り離された瞬間に生まれることがわかったのです。
教授がいうには、水滴の重みで水面が引き伸ばされ、さらにちぎれるように気泡ができます。
このとき最初のいびつな形の気泡が球体になろうとすることでその表面はぐにゃぐにゃと大きくたわみます。
そのたわみから生まれた振動が水面に伝わり、我々の耳にも音として届くそうです。
ケンブリッジ大学のサイトに気泡ができる瞬間の動画がありました。
What causes the sound of a dripping tap – and how do you stop it?
「ぽちゃん」は2つの音で成っている
アガルワル教授たちの論文を検証している筑波大学の京藤教授に音の鳴る瞬間を撮影していただきました。
さらに音声波形データも見せていただきました。
水中の音と空気中の音の波形をチェックしたところ、水滴が水面にぶつかってちぎれて気泡ができる瞬間まではほとんど出ていません。
しかし、気泡ができた瞬間に大きな音を出していることがわかりました。
水滴が水面に着いてから音が出るまでなんと0.06秒です。
しかし、京藤教授はこれだけではないというのです。
1つ気泡ができただけでは「ぽ」で終わってしまうといいます。
では一体「ちゃん」はどこにいってしまったのでしょうか?
それでは、正しく「ぽちゃん」と鳴るメカニズムをご覧いただきましょう。
気泡がちぎれて「ぽ」と鳴るまでは一緒です。
気泡が生まれた後、さらに水柱がたって再び水滴が生まれ、水面に再度ぶつかります。
その結果2度目の小さな気泡が生まれ、また音が鳴っていたのです。
これが「ちゃん」です。
音声データを見ても、1回目の音から約0.2秒ぐらい間隔をあけて2回目の少し小さくて高い音が出ていることがわかります。
2回目の音は「ぴっ」という音になるそうです。
なぜ「ぽ」と「ぴっ」が「ぽちゃん」と聞こえるの?
「ぽ」と「ぴっ」ならなぜ「ぽぴっ」ではなく「ぽちゃん」と聞こえるのでしょうか?
それはまだ世界中の科学者が解き明かせていない「ぽちゃん」の謎だと京藤教授は言います。
京藤教授の名言
「今 役立つことは、将来役立たないが、今 役立たないものは将来役に立つ」
いま役に立たないということが大切なのです。
あとがき
「ぽちゃん」はぜったいに水滴が水面にぶつかった音だと信じていました!
実際はあの小さな気泡が生まれた瞬間のたわみによって聞こえているなんて思いもしませんでした。
あの小さな気泡が…!
少々気になってケンブリッジ大学のサイトでアガルワル教授のレポートをちょい読みしたところ、気になる一文を見つけました。
the researchers found that changing the surface tension of the surface, for example by adding washing-up liquid, can stop the sound.
What causes the sound of a dripping tap – and how do you stop it?
どうやら食器用洗剤を加えることで水面の表面張力が変化して気泡ができにくくなり、その結果「ぽちゃん」と鳴らなくなるそうです。
この事実こそ番組で伝えて欲しい情報でした。

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