大阪の人がエスカレーターで右側に乗るのはなぜ?『チコちゃんに叱られる!』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

大阪の人がエスカレーターで右側に乗るのはなぜ?『チコちゃんに叱られる!』

2020/2/14放送の『チコちゃんに叱られる!』
前田 敦子さん、土田 晃之さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「大阪の人がエスカレーターで右側に乗るのはなぜ?」

阪急電鉄が始めたから
でも今は両側に立つのが当たり前

詳しく教えてくださるのは、エスカレーターの歴史をはじめ 地域の文化や習慣を研究している江戸川大学の斗鬼正一教授です。

大阪ではエスカレーターの右側に立つ文化は阪急電鉄が始めた

東京ではエスカレーターに乗るときに皆 左側に立ってますよね。
大阪では右側に立っています。

これは実は阪急電鉄が始めたからです。

今ではエスカレーターに乗るとき両側に乗ることになっているにもかかわらず、東京では左に大阪では右に並ぶ習慣がなかなか直りませんよね。

エレベーターは万国博覧会をきっかけに広まった

今のようなエスカレーターが初めてお披露目されたのは1900年にパリで開かれた第5回万国博覧会です。
万博には電気で動く2台のエスカレーターが出品されていました。
これがきっかけでエスカレーターが普及していったというふうにいわれています。

日本初のエスカレーターはアトラクション用だった

日本初のエスカレーターは、パリ万博から14年後の1914年に上野公園で開催された東京大正博覧会でお披露目されました。
実は初代エスカレーターは移動用ではなく、アトラクションとして登場されたものでした。

初代エスカレーターに乗るには乗車金として10銭払わないといけませんでした。
当時 銀座のカフェでもコーヒーが1杯5銭でしたので乗車金はとびあがるほど高かったのです。

移動用エスカレーターが常設されたのは三越呉服店が最初

その同じ年には日本橋三越本店の前身 三越呉服店に常設のエスカレーターが登場しました。
1914年に新館の建設にあたり、1階と2階の間に設置されました。

このときはまだエスカレーターで歩く人自体があまりいませんでしたから、片側に並ぶという習慣がありませんでした。

エレベーターの片側並び文化の発祥は大阪

実は片側並びが始まったのは1967年頃の大阪です。
エスカレーターの登場こそ東京が初でしたが「片側並び」大坂が初なのです。

大阪で片側並びが始まったきっかけは実は阪急電鉄のアナウンスが始まりです。
1967年に阪急梅田駅が移転したときにエスカレーターと動く歩道が設置されました。

すると、せっかちな大阪の人たちがエスカレーターを歩き始めたのです。
エスカレーターで立つ人の間を縫って歩くと危険なので阪急電鉄は列を整理する目的であるアナウンスを始めます。

「お歩きになる方のため 左側をお開け願います」
これがエスカレーターの片側乗り文化の誕生であり、大阪の右側並びという習慣が始まった瞬間です。

なぜ左側ではなく右側に並ぶようにアナウンスをしたのか阪急電鉄に問い合わせたところ、
「日本初かは不明ですが、1967年ごろから1998年まで『右側並び』を促すアナウンスを流していたのは事実です。しかし、なぜ右側並びにしたのかは、はっきりとはわかっていません。」と回答がありました。

東京の左並びは交通ルールが影響している

東京の左並びは1989年ごろに始まりました。
その始まりの1つと言われているのが地下鉄・新御茶ノ水駅のエスカレーターです。

新御茶ノ水駅は地下深いところに誕生しました。
そのためにホームと改札を結ぶ長いエスカレーターが作られました。

長さが41メートルと当時 日本の地下鉄で一番長かったのです。
すると、東京でも急ぎたくてエスカレーターを歩く人が増えてきました。

その歩く人たちを避けるためにエスカレーターの左側に立つ習慣が始まりました。
この東京の左並びには日本の交通ルールが関係しています。

日本では車は左側通行で、右側が追い越し車線です。
そのため、東京ではエスカレーターの左側に立つようになったのです。

国の交通ルールとエスカレーターの片側並びの関係は世界的にも当てはまる

国の交通ルールとエスカレーターの片側並びの関係は世界的にも当てはまるのでしょうか?
海外の方に聞いてみたところ、このような結果になりました。

エスカレーターの片側並び道路(交通ルール)
フランス
中国
イタリア
オーストラリア
ニュージーランド
シンガポール
イギリス

世界的にも概ね当てはまるようです。

近年 両側立ちを推奨するのは効率的だから

近年、ある実験により片側空けを根本から否定する結果が出ました。

2015年からロンドンの地下鉄である実験を行われました。
その実験が片側を歩く人のために空ける片側空けと左右ともに歩かないで立つ両側立ちのどちらが効率的かを比較する実験です。

その結果、片側空けが1時間2500人の乗客を運んだのに対し、両側立ちは1時間に3250人の乗客を運ぶという3割増の数字を記録したのです。
つまり、東京や大阪のような片側空けよりも両側立ちの方が効率的であることがわかりました。

日本でもエスカレーター事故も多く安全面と弱者に配慮して各地で両側並び運動が進められています。
片側立ちの元祖である阪急電鉄でも近年歩行禁止を呼びかける運動が始まっています。

あとがき

大阪万国博覧会をきっかけにエレベーターの片側立ちが生まれたとどこかで観た記憶がありましたが、間違って覚えていたようです。

エレベーターの歩行を禁ずるには1列しか乗れないエレベータに変えるのが手っ取り早いと思います。
コスト面でなかなかできないかもしれませんが、安全面と考えるならば1列のエレベーターにしちゃえばいいの思うのです。

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