唐辛子はなぜから辛いの?『チコちゃんに叱られる!』

2020/2/21放送の『チコちゃんに叱られる!』
内田恭子さん、大竹まことさんをゲストに迎えています。

チコちゃん「唐辛子はなぜから辛いの?」

遠くへ行きたかったから

詳しく教えてくださるのは、龍谷大学で植物の能力について研究している古本強先生です。

人は舌で感じる「痛み」や「熱さ」を「辛い」と勘違い

まず私たちは唐辛子を辛いと感じているわけではありません。
「痛み」や「熱さ」の感覚を「辛い」と誤解しているだけです。

人間が唐辛子の辛さを感じるのは 口の中にある受容体「TRPV1(トリップ・ブイワン)」の働きによるものです。
本来43度以上の熱に反応し熱さや痛みの信号を脳に送るTRPV1ですが、実は辛さの原因物質カプサイシンにも反応してしまいます。

そのため唐辛子を食べると熱さや痛みを感じたときと同じように危険信号が脳に送られて人は「辛い」と感じているのです。

唐辛子が辛いのは野生動物に食べられないため

では、なぜ唐辛子にはカプサイシンが含まれているのでしょうか?
それは唐辛子の戦略だからです。

TRPV1がカプサイシンに反応して出す「暑い」や「痛い」は本来 生命の危険を告げる警告のサインです。
野生動物たちは唐辛子を食べたときに命の危険を感じるので食べるのを避けるのです。

唐辛子はカプサイシンを手にすることによってTRPV1を持つ哺乳類や昆虫に食べられないように進化しました

鳥は唐辛子を食べても辛さを感じない

さらに唐辛子の戦略はこれだけではありません。
唐辛子のカプサイシンは鳥のTRPV1には反応しません。

つまり唐辛子は鳥に食べてほしいのです。

鳥は丸呑みするから種が潰れる虞がない

食べ物を噛み砕く哺乳類に比べて鳥は食べ物を丸呑みします。
種を守るためには丸呑みしてくれる鳥に食べられた方が遥かにリスクが低いです。

鳥に食べられることで生息範囲が広がる

さらに鳥に食べられたい理由が他にもあります。

植物が種を守り絶滅を防ぐためにに大切なのが生息範囲を広げることです。
風に乗るように軽くなったタンポポの綿毛や人の服や動物の毛にくっつくオナモミと同じように、唐辛子は鳥だけに食べられることで生息範囲を広げてきたのです。

人間が唐辛子を食べ始めたのは大航海時代から

しかし、哺乳類である我々人間は唐辛子の話を食べますよね。
それは船乗りの影響が大きいです。

15~17世紀、世界は大航海時代を迎えます。
ヨーロッパ人がアフリカ、アジア、アメリカ大陸へと次々に進出し、到達した土地からいろいろな食材を持ち帰りました。

実はその中の1つが唐辛子です。
唐辛子がその当時 船乗りを悩ませていた壊血病に効くと考えられて一気に広がります。

壊血病はビタミンC不足が原因の病気であり、体の各所からの出血を伴う病です。
当時は今と比べて遥かに航海が長く、新鮮な野菜や果物が常に足りていませんでした。
そのためビタミンCが不足して壊血病になり、200万人以上の船乗りが亡くなったといわれています。

唐辛子にはビタミンCが多く含まれています。
そのための長い航海に欠かせないものとして船に積まれるようになったといわれています。

こうしてアメリカ大陸で見つかった唐辛子はポルトガルの交易ルーツを伝ってアフリカやアジアへと伝えられ、世界へと広がっていったのです。

唐辛子は人間を虜にして世の中に広まった

以前この番組で人間は辛いものを食べると命の危険を感じ、その辛い感覚を和らげようとして快楽物質を出して病みつきになると紹介しました。
この現象も手伝ってなのか、インドではそれまで辛くなかったカレーが辛くなり、韓国ではキムチが山椒の味から唐辛子の味に変化したといわれています。

唐辛子はそもそも人を含む哺乳類ではなく鳥に食べて欲しくてカプサイシンを作りましたが、結果 人によって世の中に唐辛子が広がりました。

※唐辛子が広まった理由について、唐辛子の辛さに商品価値があると思い徐々に広まったという説もあります。

あとがき

唐辛子がカプサイシンを持てば鳥にだけ食べられるようになると、どうやって知ったのでしょうね?
擬人化しただけで、実際は突然変異した唐辛子のなかでカプサイシンを持った唐辛子がたまたま成功して繁栄していると考えた方がしっくりきました。

人間が唐辛子に病みつきになって世の中に広めたのは、唐辛子にとって嬉しい大誤算でしょうね。

人間が唐辛子を食べると快楽物質が出て病みつきになりますが、この現象は人間独特のものでしょうか?
他の哺乳類も我慢して食べ続けたら同じように快楽物質が出るのでしょうか?知りたくて仕方がないです。

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