なぜ大人になると背が伸びなくなるの?『チコちゃんに叱られる!』

2020/3/6放送の『チコちゃんに叱られる!』
はいだしょうこさん、大竹まことさんをゲストに迎えています。
(アンコール放送でした)
チコちゃん「なぜ大人になると背が伸びなくなるの?」
骨にある魔法の線が消えるから
詳しく教えてくださるのは、小児科医で御茶ノ水女子大学名誉教授の榊原洋一先生です。
骨を作ったり壊したりして身長が伸びる
大人も子供も骨の数は全く同じです。
身長が伸びるというのは骨の大きさが変わるということです。
骨はどのようにして大きくなるのでしょうか?
実は骨の周りに「骨芽細胞」と「破骨細胞」が協力して骨を大きくしていきます。
骨の周りには軟骨があり、それを材料に硬い骨を作り出すのが「骨芽細胞」です。
しかし、骨芽細胞はバラバラに働くので作る骨の形や強度が不揃いになってしまいます。
そこで活躍するのが「破骨細胞」です。
でこぼこだったり不揃いだった部分を1度壊すことで骨の形などを整えていくのです。
この繰り返しにより全身の骨は少しずつ大きくなっていきます。
1番長い骨の両端には魔法の線がある
身長が大きくなるときに特に1番関係しているのが太ももやすねのの長い骨です。
この長い骨の両端に魔法の線があります。
この線は「骨端線」と呼び、硬い骨の元になる軟骨細胞と骨芽細胞と破骨細胞がここに多く存在しています。
骨端線で軟骨細胞が硬い骨にどんどん変わっていき、骨が長く成長していきます。
そして成長が止まると魔法の線が消えます。
思春期に身長が止まるホルモンが分泌される
なぜ大人になると骨の端にある魔法の線は消えてしまうのでしょうか?
体内には「成長ホルモン」という骨芽細胞の働きを活発にするエネルギー源があります。
成長ホルモンは生まれたときから体内で分泌されており、その量が多いとより身長が高くなっていきます。
人間が思春期を迎えると「性ホルモン(別名:女性ホルモン)」が性別関係なく体内で分泌されます。
成長ホルモン同様、性ホルモンも骨芽細胞の働きを高める作用があります。
思春期になるとその性ホルモンの分泌量が増え、作る骨の量が一時的に増加します。
そのため思春期に背がグングン伸びるのです。
その反面、性ホルモンには軟骨を収縮する働きもあります。
軟骨が減っていくのに伴って骨芽細胞と破骨細胞も徐々に減り、最終的に魔法の線は消滅します。
こうして骨が作られなくなり身長も伸びなくなるのです。
骨芽細胞の働きが弱くなっても破骨細胞は働き続ける
骨粗しょう症という、骨の強度が低下して骨折しやすくなる病気があります。
一説では、骨粗しょう症の人は骨芽細胞の働きを高める性ホルモンの分泌量が低下して骨芽細胞の働きが弱くなりますが、破骨細胞は働き続けるため骨を作る量よりも壊す量の方が多くなって骨が脆くなるということです。
あとがき
性ホルモン、またの名を女性ホルモン。
この女性ホルモンが軟骨を収縮させて身長が止まると聞いて納得しました。
男性(というより男子)は女性ホルモンの分泌量が少ないから平均的に女性よりも身長が高くなるということですね。
また、女性ホルモンが分泌される思春期タイミングも男女で違ってくるのでしょうね。
だから中学女子は比較的身長が高く、中学男子は比較的身長が低いのもこれが原因かと思いました。
女性ホルモンが分泌されないようにすれば魔法の線は消えず、大人になっても伸び続けるのでしょうか…?

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