リチウムイオン電池ってなに?『チコちゃんに叱られる!』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

リチウムイオン電池ってなに?『チコちゃんに叱られる!』

2020/3/13放送の『チコちゃんに叱られる!』
持田香織さん、山崎弘也さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「リチウムイオン電池ってなに?」

一言では言えないので、ノーベル賞受賞者吉野明さんが1時間かけてわかりやすく説明してくれました

詳しく教えてくださるのは、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんです。
旭化成の名誉フェローを務めています

リチウムイオン電池とは

(ディレクター)リチウムイオン電池とは簡単にいうと何ですか?

例えばスマホにつけられている電池はリチウムイオン電池が使われています。
リチウムイオン電池とはリチウムイオンが2つの板の間を行ったり来たりする特徴を持っています。

(ディレクター)…リチウムってなんですか?

文系出身ディレクターでもわかるように吉野さんが丁寧に教えてくださいました。

アルカリ乾電池やマンガン乾電池の基本的な仕組み

身近にある電池はアルカリ乾電池やマンガン乾電池ですね。
一番わかりやすい電池は「ボルタの電池」というのがあります。

硫酸が入ってる容器に金属の胴と亜鉛をつけます。
まず亜鉛が溶けて電子が出てきます。

その電子が導線を伝わって銅の方に移動します。
電子が動いたら電流なのです。

(理系出身アシストディレクターによる補足)
ダムが門を開けると上から下に水が流れるように、電子も通り道がつながっていると電子が多い方から少ない方で自然に流れていきます。

電子が作られなくなったら電池切れになります。
(ダムに例えると水が干上がって放水できない状態)

つまり電子は一方通行で、これがアルカリ乾電池やマンガン乾電池などの使い切り電池の基本的な仕組みです。

リチウムイオン電池の仕組み

リチウムイオン電池の場合は2つの板をリチウムイオンが行ったり来たりします。
リチウムイオン電池というのは2つ板が入ってます。

片方の板にはリチウムがいっぱい入ってます。
スマートフォンを購入してまだ全く充電していない時がそういう状態です。

ここに充電器を繋ぐと充電器の電圧によってリチウムから電子が離れて電子の少ないもう片方の板の方へ移動します。
このとき電子が離れたリチウムはリチウムイオンになります。

移動する電子に引き付けられてリチウムイオンも移動します。
こうしてイオンtのリチウムイオンが片方の板に溜まり、充電された状態になるのです。

充電ができたスマートフォンに電源を入れると、
電子が今度は反対の方向に流れていき、一方の極にいたリチウムイオンもまた元の場所に戻っていきます。

(理系出身アシストディレクターによる補足)
つまり電池は放電された状態が安定した形なので元に戻ろうとするのですね。

通り道ができると電子もリチウムイオンも元の板に戻ります。
全てが移動しきったら充電切れとなります。

一方通行の使い切り電池と違い、電子とリチウムイオンが行ったり来たりすることで半永久的に何度も使うことができる
これが充電できるリチウムイオン電池の仕組みです。

リチウムイオン電池の1番の特徴はパワー

リチウムイオン電池で一番大きな特徴が「パワー(電圧)」。
大きなパワーを生み出すのに必要なのが電子の離れやすさです。

「イオン化傾向」といった「どの金属がイオンになりやすいか」言い換えると「電子を離しやすいか」というものがあります。

(理系出身アシストディレクターによる補足)
イオン化傾向が大きいということは希ガスになりやすいということです。
イオン化傾向という指標があります。

周期表でいうと右端の元素は「希ガス」と呼ばれ、1番外側に2つもしくは8つの電子が満席状態の元素です。

満席状態だと化学的な反応がしづらい、つまり安定している状態です。
全ての元素はこの安定した状態になりたがっています。

左端に並んだ元素は一番外側に電子が1つだけ持っています。
安定した状態になるにはたった1つの電子を離せば良いのです。

つまりリチウムは電子をとても離しやすい元素であるといえます。
電子を離しやすいということは、たくさんの電子つまり電流を作ることができるということです。

さらに、周期表は元素の軽い順で並んでいます。
1番軽いのは水素、2番目に軽いヘリウムは空気を構成する7番目の窒素や8番目の酸素よりも軽いことから風船にも使われていますね。
リチウムはヘリウムに次いで3番目に軽いので電池の軽量化が可能になったのです。

小さくて軽くても大きなパワーを生み出せて何度も使える。
これがリチウムイオン電池特徴です。

リチウムイオン電池の開発に関わった3名の研究者

現在の人々の生活を大きく変えたとしてリチウムイオン電池の開発に関わった3名の研究者がノーベル化学賞を受賞しました。

  • リチウムイオン電池の仕組みを発見したスタンリー・ウィッティンガム教授
  • 電子の流れをつくるための2枚の板のうち片方の板(正極)に適した素材を発見したジョン・グッドイナフ教授
  • もう片方の板(負極)に適した素材を見つけた実用化を達成した吉野彰旭化成名誉フェロー。

吉田名誉フェローによるリチウムイオン電池ができた瞬間

たまたま年末の大掃除が済んで昼から何もやることがなくなったときに、それまでたまっていた論文に目を通していたらグッドイナフの論文があったんです。
「それだ!」と思いまして年明け早々にそれまでに出来上がっていた負極と組み合わせたら電子が出来上がっちゃったんです。
飛び上がりましたよ。

リチウムイオン電池は様々なものに使われている

リチウムイオン電池は排ガスを出さない電気自動車や天候に変更に左右されやすい太陽光や風力発電による電気の貯蔵にも使われ、さらなる改良が続けられています。

石油などの化石燃料の消費を減らし、地球温暖化に歯止めをかける環境保全の面でも期待されています。

あとがき

ノーベル化学賞受賞者の吉田さんが1時間かけて説明してくれたらしいですが、実際の放送時間は5分くらいでした。
すごく恐れ多いことを…!!

文系出身のディレクターがあまりに理解が悪くて堪らず間に入った理系出身のアシスタントディレクターがグッジョブでした。
電流をダムに例えてくれたりしてわかりやすかったですね。
(それでも文系出身ディレクターは理解できなかったみたいですが、彼女の存在が多くの人に共感を与えたに違いない)

今までリチウムイオン電池の凄さがイマイチわかっていませんでしたが、今回のことで少しだけ理解できました。
今回は流石に図無しでは説明がわかりづらいので頑張ってイラストを描いてきました。
下手な絵で恥ずかしい限りですが、自分で絵を描くことによってさらに理解を深められました。

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