なぜ草食動物は草しか食べないのに筋肉モリモリなの?『チコちゃんに叱られる!』

2020/4/10放送の『チコちゃんに叱られる!』
西山茉希さん、谷中敦をゲストに迎えています。
チコちゃん「なぜ草食動物は草しか食べないのに筋肉モリモリなの?」
体内に大量の微生物がいるから
詳しく教えてくださるのは、日本大学で野生動物の進化や行動について研究する村田浩一特任教授です。
動物園の園長で日々いろいろな動物を観察しています。
筋肉を作るにはアミノ酸が不可欠
そもそも人や動物が筋肉を作るには筋肉の元になるアミノ酸が必要です。
タンパク質の元になるアミノ酸には「筋肉をつくるアミノ酸」と「筋肉を作れないアミノ酸」の大きく分けて2種類があります。
このうち筋肉をつくるアミノ酸は草にはあまり含まれていません。
例えば牧草に含まれる約10%のアミノ酸のうち、筋肉をつくるアミノ酸はたった約35%だけです。
ではなぜ、草食動物は筋肉モリモリなのでしょうか?
胃にいる微生物のおかげで筋肉モリモリ
草食動物は筋肉モリモリなのは体内にいる大量の微生物のおかげです。
身近な動物 牛を例にみてみましょう。
牛の体には4つ胃があります。
食べた草はまず1番目の大きな胃の中入ります。
ここに微生物が大量に住んでいて草を分解してアミノ酸を作ります。
胃の中に住んでいる微生物はその体内で草を分解して「筋肉を作れないアミノ酸」を「筋肉を作るアミノ酸」に変えます。
そして草を餌に微生物はどんどん数を増やし、2番目3番目の胃を通り、4番目の胃で微生物を消化して「筋肉をつくるアミノ酸」として利用しています。
つまり牛は体内で筋肉を作るアミノ酸の塊のような微生物を大量に増やし、それを消化・吸収することで筋肉を作ることができるのです。
ほぼ肉を食べているのと同じような状態です。
牛のようにキリン・シカ・ラクダなども微生物を胃で消化してアミノ酸を吸収して筋肉を作っています。
胃に微生物がいない草食動物もいる
一方、そうではない草食動物もいます。
ウマ・ゾウ・サイ・ゴリラなどはに生物を胃で消化してアミノ酸を摂取するのではなく、草に含まれるわずかなアミノ酸を大量に摂取することで筋肉を作っています。
大腸の微生物が食べた草をエネルギーに変え、そのエネルギーのおかげで大量に食べることができます。
その結果わずかな筋肉を作るアミノ酸をたくさん摂取できるのです。
つまり、草食動物は体内にいる大量の微生物のおかげで草からアミノ酸やエネルギー源を効率よく摂取して筋肉モリモリになっているといえます。
あとがき
草食動物が筋肉質なことにずっと不思議に思っていました。
微生物が「筋肉を作るアミノ酸」を生み出していたからなのですね。
動物を殺生しなくていいんですからなんて効率の良い体なのでしょう。
若干うらやましくなりかけましたが、毎日草しか食べないのは辛いのでやっぱり草食動物にはなりたくないです。

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