腸を元気にして免疫力を上げよう!キムチの効果的な食べ方を教えます『林修の今でしょ!講座』

2020/4/28放送『林修の今でしょ!講座』
学友:伊集院光さん、内藤剛志さん、木佐彩子さん、那須雄登さん
様々な種類が売られているヨーグルト何が違うの?
酸っぱいキムチと甘いキムチどっちがいいの?
ざっくりしか知らないともったいない!
免疫細胞の約70%が集まる健康の源である腸を元気にして免疫力をアップしてくれる強い味方、それが発酵食品に含まれる乳酸菌です。
中でも二大巨頭がヨーグルトとキムチ。
免疫力を上げるには腸を元気にするのが鍵です。
乳酸菌を最大限に生かす食べ方を教えます。
ヨーグルト vs キムチ
今回は後攻 キムチをご紹介します。
キムチに対する疑問
ヨーグルトとは違う乳酸菌を持つというキムチ。
こちらも様々な種類が売られていますが、実は酸っぱいキムチと甘いキムチで乳酸菌のパワーが違います。
街の方たちもざっくりとしか知らないキムチの疑問。
- キムチとヨーグルトの乳酸菌 何が違うの?
- キムチによって乳酸菌の量に違いはある?
- 食べ方によって効果に違いはある?
教えてくれるのは、乳酸菌研究一筋50年 乳酸菌が好きすぎて自ら6000株以上を保有する乳酸菌の第一人者 岡田先生(高崎健康福祉大学)です。
乳酸菌を愛してやまない岡田先生によればキムチの乳酸菌は免疫力アップに最も優れているといいます。
免疫力を上げたい今、最も医学的に利にかなった食べ方も教えます。
キムチの乳酸菌とヨーグルトの乳酸菌 一体何が違うの?
実はキムチの乳酸菌には色々と良いことがあります。
1つはキムチの乳酸菌はヨーグルトより強いことにあります。
乳酸菌を大きく2つに分けますと植物性乳酸菌と動物性乳酸菌に分別されます。
ヨーグルトの乳酸菌は動物性の乳酸菌でキムチの乳酸菌は植物性の乳酸菌です。
キムチの乳酸菌は生きて腸まで届きやすいのが特徴の1つです。
ヨーグルトの乳酸菌も腸に届きますが更に強くキムチの乳酸菌が届きます。
生きて腸に届く量はどれだけ違うのか?
動物性乳酸菌・植物性乳酸菌を3種類ずつ人工消化液に一定時間さらして置く実験をしました。
どのくらい乳酸菌が生き残っていたか調べた結果、動物性乳酸菌では最大30%です。
それに対して植物性乳酸菌はほぼ100%生き残るということがわかりました。
なぜキムチの乳酸菌が生きて腸にまで届きやすいのかというと 胃酸に強いからです。
乳酸菌が生きたまま腸に届くための最大の敵が胃酸です。
ヨーグルトの乳酸菌の多くは胃酸に負けますが、キムチの乳酸菌は胃酸に強くて生きたまま腸に届けることができます。
キムチの乳酸菌は回復力と増殖力が高い
さらに人工消化液に浸けて生き残った菌を培養してどのぐらい増えるか実験した例があります。
人工消化液に浸けて後の生き残った乳酸菌が増える量を比べてみると、動物性の乳酸菌よりも植物性の乳酸菌のほうがはるかに増殖量が大きいことがわかりました。
植物性の乳酸菌は生命力があり、人工消化液によってダメージを受けていません。
ダメージを受けたところですぐに回復してすぐに分裂始めるという力を持っています。
過酷な環境で育ったキムチの乳酸菌はとても強い!
なぜキムチの乳酸菌はこんなに強いのでしょうか?
その秘密は製造工程にありました。
早速、キムチ工場で調査を開始。
使うのはキムチの素となる新鮮な白菜です。
まずは切った白菜にまんべんなく塩を振って漬け込みます。
このとき白菜から水が出ますが、もともと白菜についていたわずかな乳酸菌は水分と一緒に出る栄養素を餌にして増えていきます。
そしてここからがキムチの乳酸菌が強くなるポイント。
塩漬けにした白菜は気温7度の冷蔵庫という乳酸菌にとっては厳しい環境で2日間保存されます。
そのあと味付けのために唐辛子やニンニクなどの刺激の薬味を乳酸菌をいじめるかのように刷り込みます。
実はこのときに生き残った乳酸菌だけがキムチの乳酸菌となります。
さらにこのキムチの薬味には乳酸菌を強くするだけでなく、強くした乳酸菌を増加させるオキアミが含まれています。
エビのようなオキアミの動物性タンパク質を餌として乳酸菌の量が増加するのです。
そして完成したキムチを袋詰めしていくのですが、ここにも強い乳酸菌を増やすポイントがあります。
乳酸菌は酸素がない状態の方が増加しやすいので空気が入らないように袋詰めしていきます。
実際 乳酸菌は嫌気性菌といい、文字通り空気が嫌いな菌です。
空気をなくすと乳酸菌は元気になり増えて行くのです。
こうして出来上がったキムチ。
もともとわずかしかいなかった乳酸菌が1グラム当たり数億個以上にも増加するのです。
というわけで、キムチの乳酸菌が強い理由は過酷な環境で育ったからでした。
白菜にはもともと色々な菌が乳酸菌がいますが、塩を入れてさらに唐辛子とニンニクを混ぜることで耐えられる乳酸菌だけが生き残ります。
ヨーグルトの乳酸菌は非常に環境に恵まれたところに生きてます。
ミルク自体が乳児が食べる食料ですから栄養分が全部揃っています。
それに対して植物性乳酸菌は力強くならざるを得ない。
ですから、ヨーグルトをお坊っちゃま・お嬢ちゃまの乳酸菌と例えるならば、植物性乳酸菌は悪ガキの野っ原で走り回ってる子供であるといえます。
まとめ
- キムチの乳酸菌は過酷な状況で生き残ったものだからこそ、ヨーグルトの乳酸菌より強い
- だから生きて腸まで届きやすい
キムチによって乳酸菌の量に違いはある?
スーパーでは辛いキムチや酸っぱいキムチ等いろいろな種類の味がありますが、キムチによって乳酸菌の量に違いはあるのでしょうか?
実は酸っぱいキムチの方が乳酸菌がたくさん含まれています。
乳酸菌が働いているとどんどん酸っぱくなってくるのです。
ですから乳酸菌をたくさん摂る目的であれば酸っぱいキムチを食べることをオススメします。
キムチには塩分が高いというイメージありますが、食塩の濃度を比較すると白菜の塩漬けより塩分が少ないことがわかっています。
薬味が塩分の代わりをしてくれますので結果的に塩分が低くすることができるのです。
キムチの乳酸菌パワーを効果的に得るには1日50グラムが目安です。
このぐらいの量を毎日食べていただければ十分です。
毎日食べ続けることの方が意味がありますので、たくさん食べるよりも少量ずつ食べ続けていただくというのが乳酸菌を常にお腹の中に送り込むことになります。
まとめ
- 乳酸菌が多いキムチは酸っぱいキムチ
- 乳酸菌パワーを効果的に得るには1日約50グラムを目安にする
食べ方によって効果に違いはある?
キムチはそのまま食べてもおいしいんですが、豚肉と一緒に炒めた定番の豚キムチや辛さが食欲をそそるキムチ鍋などいろいろ料理がありますよね。
一体どうやって食べるのが1番いいんでしょうか?
実はキムチは熱を加えると乳酸菌が死んでしまいます。
ヨーグルトの乳酸菌もそうですが、40度ぐらいであれば乳酸菌が1番活性化します。
しかし、キムチに限らず乳酸菌のほとんどが60度以上に熱すると死んでしまいます。
なのでキムチ鍋なんかは最後に火を止めてキムチをのせるのが丁度良いです。
免疫力UP!最強のキムチの食べ方ベスト3
ではキムチの乳酸菌の免疫力アップのパワーを十分に活かすにはどのように食べたらいいのでしょうか?
そこで乳酸菌の第一人者オススメ免疫力アップ最強のキムチの食べ方ベスト3を発表します。
第3位:キムチ×豆腐
オススメの食べ方は豆腐と組み合わせたキムチ豆腐です。
豆腐に含まれるオリゴ糖が餌になって乳酸菌がパワーアップします。
第2位:キムチ×納豆
第2位の食べ方は納豆と組み合わせたキムチ納豆です。
納豆のオリゴ糖が乳酸菌の餌になって乳酸菌がパワーアップします。
更に納豆菌が腸にいる悪玉菌をやっつけて免疫力アップ!
第1位:キムチ×わかめ
第1位はキムチとわかめを組み合わせた食べ方です。
わかめには水溶性の食物繊維が含まれており、それが善玉菌のエサになる非常に良い成分です。
水溶性食物繊維は腸内にいる善玉菌の最高の餌です。
善玉菌は水溶性食物繊維をパワーアップします。
さらにキムチの乳酸菌が善玉菌を活性化させるのでダブルの効果で免疫力アップが期待できます。
まとめ
キムチは熱を加えず、豆腐や納豆、わかめと一緒に食べると、免疫力アップの効果がより期待できます。
あとがき
キムチの乳酸パワーが最強じゃないですか。
ヨーグルトよりも断然キムチの方が良さそうです。
キムチの乳酸菌は薬味に含まれているものだと思いましたが、白菜にもともとついている乳酸菌でしたね。
その事実にとても驚きました。
食事にキムチ、おやつにヨーグルト+果物がベストかなと考えています。

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