なぜ犬の名前といえばポチなの?『チコちゃんに叱られる』

2020/6/19放送『チコちゃんに叱られる』
石川さゆりさん、ウエンツ瑛士さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「なぜ犬の名前といえばポチなの?」

聞き間違いを聞き間違えたから

詳しく教えてくださるのは、犬猫歴史研究家の仁科邦男先生です。

江戸時代までは犬を見た目で呼んでいた

江戸時代後期の日本の犬の飼い方といえば地域や長屋単位で放し飼いで犬を飼う「里犬文化」でした。
そのため犬の名前は誰が見てもわかるように シロ・クロ・ブチ など見た目でつけられました。

しかし、明治時代に入ってこの里犬文化に問題が起きました。
日本の犬はほとんどが番犬として飼われたのでよく吠えます。
外国人は特にやられました。

外国人から「あのうるさいの何とかしてほしい」とクレームがきて日本の政府が新しい法律を作りました。
これを「畜犬規則」といいます。

畜犬規則とは飼い犬に必ず首輪をして飼い主の住所と名前を書いた名札をつけることとする法律です。
こうして犬は飼い主がいないと生きていけなくなりました。

そのときから初めて日本人は犬をペットとして飼う楽しみを覚え、洋犬を飼ってることが新しい金持ちたちのステータスとなりました。

憧れの外国をとにかく真似た明治維新

ときは文明開化。

犬に「ポチ」という名前が付き始めたのは明治維新の頃です。
外国人が多く住んでいた横浜から日本の犬の世界でも文明開化が始まりました。

外国に憧れた日本人たちは犬の飼い方でも外国の真似をして犬と一緒に散歩することや座敷や銭湯に犬を連れていくこと、そして犬の見た目ではない名前をつけることを真似ます。

日本語と英語の聞き間違いから生まれた「ポチ」

では、ポチという名前はどこから来たのでしょうか?
ポチは聞き間違いから生まれた言葉です。

日本人は見知らぬ犬を呼ぶときに白い犬は「シロ」、黒い犬は「クロ」と犬の毛色で呼んでいました。
犬の中で特に多いのが斑だったので「ブチ」と必ず声をかけていました。

そしてこれが聞き間違いの発端です。

「ブチ」を英語で「パッチ(patch)」、複数形で「パッチーズ(patches)」外国人はそう呼んでいました。
そういうことがあり、日本人が言った「ブチ」を「パッチ」と聞き間違えました。
その証拠に当時作られた和英大辞典にも「ブチ=パッチ」の文字がありました。

さらにここからもう1つ聞き間違いが起こります。

こんどは外国人が言った「パッチ」を日本人が「ポチ」と聞き間違えます。
そこから「ポチ」と呼ぶようになりました。

つまり、聞き間違いによる聞き間違えで「ポチ」という言葉が誕生したと思われます。

「ポチ」という名の犬が教科書に登場して日本中に広まった

こんな小さな聞き間違いからどうやって日本中に「ポチ」の名前が広がったのでしょうか?

ポチという名前が定着したのは教科書がきっかけです。
文部省が作った最初の小学生の国語の教科書に「ポチ」という犬が登場します。

明治19年に作られた教科書『読書入門』には「ポチは素直なり。」「ポチよ、こいこい」とイラスト入りで書かれています。
利口な犬・素直な犬の代表として「ポチ」が登場しました。

さらに明治34年には皆さんも知っている歌に登場しています。

裏の畑でポチがなく
正直じいさん掘ったれば
大判小判ザクザク

花咲かじいさん

こうして日本中に定着したと考えられます。

明治43年の新聞記事に掲載された犬の名前ランキングでは「ポチ」が堂々の1位です。
ちなみに2019年の犬の名前ランキング1位は「ココ」でした。
「チコ」という名前は68位、「ポチ」という名前は圏外でした。

あとがき

ポチ袋からきているのかなと予想しましたが、全然違いました。
ポチ袋は確か「これっぽち」という意味でした。

犬の「ポチ」は元が「ブチ」でした。
変換すると「斑」になることを初めて知りました。

日本中に広まった理由を聞いて、確かに童話絵本に登場する犬の名前が大体「ポチ」だったなと思い出しました。
こうして小さい頃から刷り込んでいたわけですね。

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