亀の甲羅ってなに?『チコちゃんに叱られる』

2020/6/19放送『チコちゃんに叱られる』
石川さゆりさん、ウエンツ瑛士さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「亀の甲羅ってなに?」

肋骨

詳しく教えてくださるのは、亀の甲羅の進化の秘密を突き止めた研究チームのリーダー 理化学研究所の倉谷滋さんです。

亀の甲羅の謎は長い間 謎だった

実は亀の甲羅が何かは長い間 謎でした。
これまで亀の甲羅の発生過程については「肋骨」の他に「皮膚が硬く固まったもの」という説など長年謎に包まれていました。
しかし、11年前に私たちの研究グループがその謎を突き止めました。

亀の肋骨はお腹側に向かって伸びずに体の下の部分が内側に折れ込むと同時に肩甲骨が肋骨の下に引き込まれ広がり、甲羅の形に変化しました。
カメの甲羅は肋骨ということができます。

亀の甲羅は背骨から横に広がった肋骨

人間を含む哺乳類や鳥類、亀以外の爬虫類などの肋骨は背骨からお腹側へ平行に伸びています。

亀に似た動物としてアルマジロという哺乳類もいます。
甲羅を持っているように見えますが、あれは皮膚が硬くなっただけのものです。

アルマジロの骨格標本を見てみると肋骨は背骨からお腹側に伸び、その上に鎧のようなものが載っています。
つまり、アルマジロの鎧は骨ではなく皮膚なのです。

一方、亀は背骨が甲羅に沿って伸び、背骨から横に広がった肋骨が甲羅と一体化しているようにみえます。
亀の甲羅は皮膚ではなく、骨で出来ているのです。

今 地球上にいる動物ではカメだけが肋骨を横に広げて甲羅のような構造を作っています。
非常に珍しい動物といえます。

甲羅を持つ亀に進化した理由は水中を安定して泳ぐため?

どうして亀だけが肋骨が甲羅になったのでしょうか?

ちなみに亀は何のために甲羅を持っていると思いますか?
「体を守るため」普通はそう思いますよね。

でも最初はそうでなかったかもしれません。
ひょっとすると甲羅は泳ぎやすくするためのものだったのではないかというのが私たちの考え方です。

亀の祖先は海から誕生した生き物です。
約2億2000万年前に生息していたとされる最古の亀「オドントケリス」の化石を見ると肋骨の下のお腹側に甲羅のようなものがあるのがわかります。

亀はお腹にも甲羅があり、実は発生の上でも進化の上でもお腹から甲羅が出来上がってきます
人間には左右の肋骨の間に「胸骨」という骨がありますが、亀の祖先はまず胸骨の代わりにある「腹骨」という骨がお腹側の甲羅「腹甲」に進化します。

その理由はサーフボードのようにお腹に硬い板があると水の中を滑るようにうまく動くことができるようになるからです。

亀の甲羅ができたその第一歩として水の中でどのように泳ぐかという課題に適応した可能性は確かにあります。
さらに水の中をスムーズに抵抗を減らして滑っていくには背中も同じように硬くして構わないわけです。

亀の甲羅といえば体をしまって防御するためにあるように思われますが、それは二次的に役に立っただけであり、最初は泳ぎやすくするために肋骨から進化したというのです。
つまり亀は水中で動きやすくするために1本1本の肋骨を次第に太くさせ、やがて肋骨同士をくっつけて背中側にも大きな甲羅を作ったと考えられています。

そういうわけで、亀は背中とお腹に骨の板を作り出して全体を1枚のサーフボードのようにしてスイスイと安定して泳げるように進化したと考えております。
しかし、なぜ亀だけ特殊な進化を遂げたかはまだわかっておらず、謎として残っています。

あとがき

世界一受けたい授業で残念な生き物の本を紹介していたときに亀の生態について話していたので、亀の甲羅が人間で言うと肋骨にあたるということは知っていました。
しかし、甲羅がいわゆる骨剥き出し状態であることまでは知りませんでした。

地球上にいる生物は構造上、必ず皮膚に覆われていると思っていましたが、そうではないという事実に衝撃を受けています。

そして甲羅の役割は身を守るためだと私も思っていました。
しかし、それは二次的な結果であって、本来は水の中を安定して泳げるようになるためだったのですね。
全然知りませんでした。

陸上の亀はとても動きが鈍く、なぜ重い甲羅を背負っているのだろうと不思議に思っていた時期がありました。
そもそも水の中を生きる生物だったということを頭からすっかり抜けていました。

リクガメもいますが、この生物もこの先長い年月をかけて陸上を生きるに適応した身体に進化していくのでしょうか。

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