クラウチングスタートってなに?『チコちゃんに叱られる』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

クラウチングスタートってなに?『チコちゃんに叱られる』

2020/7/3放送『チコちゃんに叱られる』
五木ひろしさん、若槻千夏さんをゲストに迎えています。


チコちゃん「クラウチングスタートってなに?」

カンガルーのマネ

詳しく教えてくれるのは、陸上競技の歴史を長年研究している立命館大学の岡尾 名誉教授です。

記録を伸ばすためにカンガルーをヒントに考えられた

クラウチングスタートはオーストラリアのリチャード・クームズがカンガルーにヒントを得て考えられたものです。

実は17〜18世紀ぐらいまでスタンディングが中心でスタート方法にあまり力を入れていませんでした。
記録に残された最も古い短距離走は1845年、その頃は立ったまま走り出すスタンディングスタートが主流でした。

しかし記録をさらに伸ばすためにはスタンディングスタートでは駄目だと考えたオーストラリア出身のリチャードさんが閃いたのがカンガルーの前傾姿勢です。

低い姿勢で重心を前にすることで、スタートのときに起き上がるように1歩目が出せるのです。
重心が前にあるほど地面を蹴る力が前方へ大きく働くので、走り出してから素早くトップスピードに移行できるようになります。

この姿勢こそがクラウチングスタートの原型だと考えられています。

オリンピックをきっかけに世界中に広まった

このカンガルーを真似したスタートはあることがきっかけで世界中に広がります。

1896年 記念すべき第1回アテネオリンピック男子100メートル。
スタンディング姿勢を取る選手の中でただ1人 クラウチングの姿勢を取る選手がいました。

アメリカのトーマス・バーグ選手だけがクラウチングスタートをやりました。
そして1位で金メダルを取るという衝撃的なことやったのです。

そのときのタイムは12秒ジャスト。
堂々の金メダルを獲得したことがきっかけで第2回以降のオリンピックからはほとんどの選手がクラウチングスタートを取り入れました。

第1回アテネオリンピックから広まったクラウチングスタートですが、しばらくの間は選手が自分で穴を掘って足を滑らせないようにしていました。
そのために選手は自分でスコップを持って順番待ちをしていたのです。

スタートでどれだけ違いが出るか検証

では実際にスタートでどれだけ違いが出るのでしょうか?

岡尾名誉教授が以前監督を務めていた立命館大学陸上部の方々にご協力していただきました。
男子100メートルで10秒68を記録し、全国大会優勝に輝いた本郷選手に50m走で検証していただきます。

スタンディングスタート:6秒64
クラウチングスタート:6秒20

クラウチングスタートの方がコンマ4秒以上速いという結果になりました。

スタンディングの場合、力が真下に向かっているのでスタートするときに後ろ足を踏み込み、ワンテンポ遅れます。
しかし、クラウチングスタートだと力が前に向いており、起き上がるようにスムーズなスタートが切れるといいます。

あとがき

オリンピックに出場して金メダルを獲得してクラウチングスタートを世界中に広めた選手が、クラウチングを考案したオーストラリアのリチャード・クームズではなかったことに驚きました。
一体どういう経緯があってオーストラリアのリチャードからアメリカのトーマス選手に伝わったのでしょうか?
非常に気になりました。

さらに昔は自分でスコップを使って穴を掘っていたのですね。
なかなかに面白いと思いました。

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