なぜマリモは丸いの?『チコちゃんに叱られる』

2020/7/31放送『チコちゃんに叱られる』
小堺一機さん、中川翔子さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「なぜマリモは丸いの?」

嵐に乗じて湖を制覇するため

詳しく教えてくださるのは、30年に渡りマリモを研究している 釧路国際ウェットランドセンター 阿寒湖沼群・マリモ研究室の若菜勇 室長です。

マリモは必ずしも丸いとは限らない

皆さんマリモというと丸いと思っていますが、悪くないものもあります。

私達も見たことのある丸いマリモ。
2つに切ってみると内部は繊維状の藻がぎっしりと詰まっています。

この繊維状の藻の1本1本がマリモという生物なので、マリモは必ずしも丸い形というわけではありません。
小さな塊で水中を漂う浮遊型マリモや苔のように岩に張り付く着生型マリモ等 いろいろなマリモが全国各地の湖に住んでいます。

そう、実はマリモは日本中の湖に生息ししています。
しかし、そのほとんどが丸くないマリモなのです。

丸いマリモは生息しているのは阿寒湖だけ

あまりにも多くの人がマリモは丸いと思ってますよね。
それは世界最大のマリモの群生地である北海道の阿寒湖のマリモが丸いからです。

北海道東部釧路市に位置する湖・阿寒湖には直径10センチを超すマリモが大量に生息しており、中には30センチを超す大玉のマリモもいます。

これだけ大きなマリモがたくさん生息しているのは世界でも阿寒湖だけです。
1952年には国の特別天然記念物に指定されるなど阿寒湖の丸いマリモはまさにマリモの代表となりました。

ちなみに初めてマリモが発見されたのも阿寒湖でのこと。
そのマリモが丸かったのでボール状の藻を意味する「毬藻(マリモ)」という名前がつけられたと考えられています。

阿寒湖のマリモが丸いのは3つの要素が重なったから

阿寒湖の周りのマリモが丸いは次の3つの要素が奇跡的に重なったからだと考えられています。

阿寒湖のマリモが丸くなる要素その1:遠浅の湾

まず1つ目が「遠浅の湾」です。

阿寒湖は激しい火山活動の結果 他の湖に比べて入り組んだ地形をしています。
そこに川からの土砂が流入することで遠浅の地形が生まれています。

マリモは植物ですから成長には太陽の光が不可欠です。
水深が浅い方が光が届きやすいので阿寒湖ではマリモが大きく成長しやすいです。

阿寒湖のマリモが丸くなる要素その2:強い風

2つ目のポイントは「」です。

阿寒湖では日照時間の長い夏場に湖の南から北にかけて強い風が吹きます。
この風と遠浅の湾が生み出す絶妙な波によってマリモは丸くなるのに不可欠なある運動を起こします。

世界で初めて『NHKスペシャル』が撮影に成功したマリモを丸くしている運動を見てみました。
阿寒湖の浅瀬に生息しているマリモの様子を約500倍に早回しして見てみると、マリモはその場に留まり波の力で回転をしていることが初めてわかったのです。

この回転運動の撮影に成功したことでマリモが丸くなるメカニズムが判明しました。
阿寒湖に吹き込む風と浅い水深が相まってマリモが流れない絶妙な加減でマリモをその場で回転することで全体に太陽光を浴び満遍なく成長して丸いマリモに育っていくのです。

阿寒湖のマリモが丸くなる要素その3:水草

水草はマリモの天敵

阿寒湖の湖底には当然マリモ以外の生物も生息しています。
中でも「マツモ」という水草はマリモの天敵と考えられています。

水草はマリモに比べて背が高いので茂った葉で太陽の光を遮りマリモの成長を進めてしまいます。
さらに水草が増えることで波の力を遮りマリモの回転運動も弱めてしまいます。

マリモは丸いことで水草に対抗

ところが、阿寒湖に台風のような大きな嵐が来たとき、実はマリモには水草に対抗する大きな武器があるということがわかりました。

それこそが「マリモが丸い」ということです。
マリモの丸さは水草に打ち勝ち、嵐に乗じて湖を制覇するための武器だというのです。

水草は湖底に根を張って生息しています。
しかし、波の力を受けやすい浅瀬部分で嵐が起こす強い波にさらされると根が取れて流されてしまうこともあります。

その結果、湖岸に打ち寄せらた水草は生きていくことができません。
しかしマリモは根を張らないで丸い状態で生息しているので多少波に流されても生き残ることができます。

このように阿寒湖特有の遠浅の湾ではマリモと水草による生存競争が行われているわけです。
数年に1度の周期でやってくる嵐を利用して丸いという武器を使って水草に対抗してるのです。

つまり、マリモはライバルである水草との生存競争に勝つために丸くなったといえます。

本当に強い嵐の時はさすがの丸いマリモもバラバラに壊れる

本当に強い嵐のときには丸いマリモも波の力でバラバラに壊されてしまいます。

しかし、小さくなることで今度は波の力をやり過ごすことができるので流れにくくなり浅瀬で暮らすことができるようになります。
またマリモが浅瀬で回転運動をしてたっぷりと太陽の光を浴びて再び大きく育っていきます。

ライバルとの戦いに勝つために丸くなり、背景にはマリモが壊れては再生するという輪廻があったということですね

あとがき

世界的にマリモは丸くないという事実に衝撃を受けました。
丸いマリモは阿寒湖しか生息していないみたいですね。

丸い藻から「マリモ」と名付けたのに実際は繊維状の藻だったわけですから、名付けた人はさぞショックを受けていることでしょう。

阿寒湖のマリモが丸くなる3つ目の要素として水草を上げていましたが、その説明を見ているとどうしても「嵐に対抗するため」にしか思えなくなりました。
根を張らないことで強い嵐が来ても生き延びることができ、例え丸いマリモをバラバラに壊されたとしても、そうなることで逆に波の力を受け流すことができて結果的に生き延びるということでした。
これって水草ではなく嵐に対抗ということですよね?

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