自分や家族守るために肺炎の仕組みを学ぶ『林修の今でしょ!講座』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

自分や家族守るために肺炎の仕組みを学ぶ『林修の今でしょ!講座』

2020/5/12放送『林修の今でしょ!講座』


新型コロナウイルスで皆さんも最も気になっているであろう肺炎
今一番気をつけたいと思ってらっしゃる方も多いと思います。

今私たちにできることは何なのか?
自分の体、家族の体を少しでも守るために肺炎の仕組みを学んで、私たちができる正しい対策を名医に教えていただきましょう。

教えてくれるのは、呼吸器疾患のエキスパートで数々の肺炎患者を診療してきた みやざきRCクリニック院長の宮崎雅樹先生です。

肺炎は細菌性とウイルス性がある

非常に皆さん新型コロナの肺炎に関して本当に心配されてると思います。
やはり先生のクリニックにも非常に多くの問い合わせがあります。

肺炎は大きく分けて2種類あります。

  • 細菌性の肺炎(一般的な肺炎)
  • 新型コロナウイルスなどによるウイルス性の肺炎

この2つは肺炎にかかってしまうメカニズムが違います。

細菌性の肺炎

そもそも一般的な肺炎とは肺の中を通る気管支のさらに先にある肺胞という部位に細菌が入ることで炎症を起こしてしまう病気のことです。

肺胞が炎症を起こすと激しいせきやたんが出るだけでなく、免疫細胞が細菌に抵抗するため高熱が出ます。
ひどい場合は呼吸困難に陥る危険な病気です。

宮崎先生によると急増している新型コロナウイルスによる肺炎は一般的な肺炎に比べて重い症状が出る場合があるといいます。

ウイルス性の肺炎

今回 問題になっているウイルス性の肺炎は、ウイルスの場合にも細菌性と同じように最初は肺胞で炎症が起きます。
そこでウイルスをやっつけようとする免疫システムが働きます。

しかし、人によっては途中から免疫システムが暴走をしてしまうことがあります。
そうするとウイルスだけでなく健康な組織も破壊するため肺炎の周りにまで炎症が広まるというところが特徴です。

なので今回の新型コロナウイルスでも最初はやはり風邪のような症状が1週間程度続くといわれています。
多くの方は免疫システムが正しく作動して回復していきますが、中には重症化して重い肺炎になってしまう方がいらっしゃるのは免疫システムの暴走が原因ではないかといわれています。

ちなみに新型コロナ騒動になる前 肺炎のほとんどは細菌性のものが占めており、ウイルス性の肺炎は10数%程度といわれていました。

鼻呼吸が肺を弱らせない

残念ながら肺は鍛えることができない臓器です。
ただ、いろいろ気をつけることによって今の肺機能を維持をしていく、衰えさせないようにしていくことはできると思います。

肺を弱らせないようにするためには口よりも鼻で呼吸することが大事です。
鼻呼吸には、ウイルスをガードする2つのすごいメリットがあります。

  • 鼻毛がウイルスをブロック
  • 繊毛を乾燥させない

鼻毛がウイルスをブロックする

1つ目は鼻毛がウイルスをブロックすることです。

鼻毛がフィルターの役割を果たしてくれます。
本来 鼻呼吸だとウイルスや異物がブロックされるシステムが働きます。

しかし、口呼吸だとそのブロックが十分に働かないのでウイルスが体内に侵入しやすくなります。

繊毛を乾燥させない

2つ目は、細菌ウイルスを防ぐボディーガード・繊毛を乾燥させないことです。

繊毛とは喉や気管にある毛のようなもので細菌やウイルスが体に入るのを防ぐボディガードの役割があります。
この繊毛の弱点は乾燥です。

鼻呼吸の場合は鼻の中の狭い空間で空気が加温・加湿されて良い状態で入ってきます。
ところが、口呼吸だと鼻呼吸に比べると加温・加湿の機能が弱ってしまうので鼻呼吸の方が良いとされています。

ここでもう1つ重要なのは水分を適度にとっていただくことです。
水分を摂っていただくと喉の湿度が保たれて繊毛の動きもより良い状態で保たれます。

呼吸法で肺機能を衰えさせない

ここまで鼻呼吸が大事だと学びましたが、実は呼吸のやり方で肺機能を衰えさせない方法があるといいます。
宮崎先生によると、呼吸の仕方で肺が弱ってしまう場合があるそうです。

そこで今夜は自宅でも簡単にできる肺機能を弱らせない呼吸法を名医が教えてくれます。

肺機能が低下するということは普段しっかり息が吸えていないといえます。
その1つのポイントとして、肺の周りの筋力が低下していることも原因として挙げられます。

肋骨と肋骨の間に「肋間筋」といわれる筋肉があります。
肋間筋が呼吸する時に使う筋肉ですが、この呼吸筋が衰えていると質の良い呼吸ができなくなります。

肺を臓器として鍛えることはできませんが、呼吸筋を鍛えることはできます。
呼吸筋を鍛えることが肺機能の維持に繋がります。

肺を弱らせない!口すぼめ呼吸

ここで名医が自宅でも簡単にできる肋間筋などの呼吸筋を鍛える方法を教えてくれました。
それが「口すぼめ呼吸」です。

もともと肺の機能が少し弱っている方などには「口すぼめ呼吸」という口をすぼめて吐くことで手前の肺が広がるということで指導することもあります。

一見吐きづらいと思うかもしれませんが、口をすぼめることによって息を吐く時に抵抗が大きくなり手前の気管支が広がりやすくなります。
なので肺周りの筋肉を鍛える方法として有効です。

肺を衰えさせない腹式呼吸法

ここでもう1つ、宮崎先生から肺を衰えさせない呼吸法を紹介いただきました。
肺機能を衰えさせない先生オススメの腹式呼吸のやり方です。

  1. 背筋を伸ばしてゆっくり息を吸い込みます。
    このとき おへその下に空気を溜めるイメージでお腹を膨らませるのがポイントです。
  2. 次にお腹を凹ませながら吸う時の倍の時間をかけて口からゆっくり息を吐き出します。

この腹式呼吸は肺だけではなく、良い睡眠につながるという利点もあります。

お風呂に入られて筋肉が柔らかくなったところで1日数回やっていただくと良い睡眠にも繋がります。
腹式呼吸すると副交感神経が刺激されて免疫力アップに繋がるという話もあります。

肺機能改善に良いパワーを持つ食べもの

最後は違った観点からアドバイスです。

  • リンゴで肺機能の低下率緩和
  • 唐辛子で誤嚥性肺炎予防

リンゴで肺機能の低下率緩和

名医がオススメする肺を老けさせない果物は、強いて上げるとすると「リンゴ」です。

リンゴに含まれるポリフェノールが肺機能の向上・維持させるという報告があります。
実際にそういった果物を1日3カット以上食べていた方の肺機能の低下が緩和されたという研究結果も出ています。

唐辛子で誤嚥性肺炎予防

肺機能というより肺炎予防という観点でオススメなのは唐辛子です。
新型コロナのウイルス性肺炎とはまたちょっと違った代表的な肺炎になりますが、「誤嚥性肺炎」というものがあります。

誤嚥性肺炎は高齢の方の肺炎の多くを占めるとても重要な病気です。
その誤嚥性肺炎は、嚥下機能という食べ物を飲み込む力が落ちることによって間違って食べ物を肺に吸い込んでしまうことで起きる肺炎です。

そこで良いとされているのが唐辛子に含まれるカプサイシンです。
カプサイシンによってむせることで間違って飲み込まないシステムを刺激しています。

ただし、カプサイシンの摂りすぎは腸を痛めてしまうことになるのであくまで適量の摂取をオススメします。

まとめ

新型コロナウィルスで広がっている肺炎予防で私たちが今できること。

肺の機能を弱らせないためにも口ではなく鼻で呼吸をする。
肺まわりの筋肉を鍛えるために口すぼめ呼吸も効果的。
リンゴと唐辛子の栄養成分で肺を元気に!

覚えておきましょう。

あとがき

新型コロナウイルスによって引き起こされる肺炎を心配しています。
一度発症して後遺症が残ってしまった人もいるようです。

肺機能を低下を防ぐためだけでなく、ウイルスが体内に侵入するのを防ぐためにも鼻呼吸を徹底したいですね。
肺周りの呼吸筋を鍛えることも考える必要がありますね。

がんばろう。

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