夏に怖い話をするのはなぜ?『チコちゃんに叱られる』

2020/8/21放送『チコちゃんに叱られる』
天海祐希さん、笑福亭鶴瓶さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「夏に怖い話をするのはなぜ?」

ベテランが夏休みだったから

詳しく教えてくださるのは、日本の怪談文化に詳しい國學院大學文学部の飯倉義之准教授です。

怪談話が夏の風物詩なのは日本だけ

怪談話が夏の風物詩なのは日本だけです。

日本の夏の定番といえば怖い話ですが、日本以外では夏に怖い話で盛り上がっているのをあまり耳にしません。
例えばアメリカであればハロウィン(10月)、ヨーロッパえあれば11月頃が悪魔や魔物が活動する時期です。

では、なぜ日本では夏に怖い話をするのでしょうか?

日本では夏の行事として「盆狂言」という民俗芸能が行われました。
お盆に行う供養の儀礼の1つです。

8月中旬に盆棚・盆踊り・お墓参り・迎火などでこの世に帰ってくるご先祖様の霊を供養するお盆。
しかし、この時期にはご先祖様の霊だけでなくまつる人の絶えた無縁仏や恨みを抱いた怨霊も帰ってくると考えられていました。

そうした浮かばれない霊たちを供養するための儀礼が盆狂言です。
幽霊の苦しみを代わりに演じて表現することで恨みや怒りが鎮められると考えられています。

盆狂言をヒントに江戸時代に歌舞伎の中で今のエンターテイメントの怖い話に通じるような作品が作られていきます。

下手な芝居を誤魔化すために始めた怪談芝居が今の文化を作った

江戸時代庶民の一番の娯楽は歌舞伎の芝居小屋

夏の怖い話の起源は江戸時代にまで遡ります。
江戸時代、江戸の庶民にとって一番の娯楽は歌舞伎の芝居小屋でした。

人気役者の名前が連なり、ほぼ一年中大盛況でした。
そんな歌舞伎小屋にお客さんが寄り付かなくなる季節があったそうです。

それが

人気の歌舞伎小屋には連日多くの人が押し寄せていつも満席でした。
なので夏はとても暑かったのです。
当時 もちろんクーラーなんかありませんからか歌舞伎小屋にとって暑い夏は天敵だったのです。

ところが、夏にお客さんが寄り付かなくなる原因は暑さだけではありませんでした。
夏の間は客入りも悪いため、ベテラン役者は夏休みをベテランの人気役者からどんどん夏休みを取ります。

しかし、小屋を開けないと給料の安い若手役者を食べさせていけないのでので仕方なく若手役者だけで小屋を続けたそうです。
若手役者たちは芝居が下手だったため、そんな三文芝居を暑い思いをしてまで見に来るお客さんはそうそういませんでした。

夏に客を集めるために始めた怪談芝居

困った歌舞伎小屋の興行元が目をつけたのが「盆狂言」でした。
昔から行われている盆狂言のテイストを歌舞伎にアレンジして怪談芝居が始まりました。

しかし、残された若手の役者たちは演技力が足りません。
大掛かりな演出を加えて怖い演目を仕立て上げて下手な芝居をごまかしたのです。

こうして誕生した『涼み芝居』など全国的に知られるきっかけとなったのが、1804年に初演された歌舞伎『天竺徳兵衛韓噺』です。
大蝦蟇が妖術を使って日本を乗っ取ろうとする物語で、舞台の建物を崩し倒す「屋台崩し」や本物の水を使った水中の「早替わり」など大掛かりな仕掛けがふんだんに使われた演目です。

演技力よりも大がかりな仕掛けでお客さんをびっくりさせようっていうのが始まりです。
大掛かりな仕掛けを使うことで幽霊・超事件的なものが演じられると考えたじゃないかと思います。

この歌舞伎をきっかけに現在の歌舞伎で「三大怪談」といわれる『四谷怪談』『番町皿屋敷』『牡丹灯籠』をはじめ、怨霊や化け物を扱った怖い演目が次々と誕生しました。
その後 講談やお化け屋敷といった娯楽が江戸時代にどんどん生まれ、現在の「夏に怖い話を楽しむ」という文化へと変化していきました。

あとがき

怪談 大好きです。
その始まりが歌舞伎だというから驚きました。

歌舞伎は一度も見たことがありませんが、歌舞伎のおかげでたくさんの怪談話や幽霊屋敷が生まれて「夏といえば怪談」という文化が生まれたのですね。
歌舞伎様様です。

フォローお願いします