なぜ虫は小さいの?『チコちゃんに叱られる』

2020/9/4放送『チコちゃんに叱られる』
藤田ニコルさん、伊沢拓司さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「なぜ虫は小さいの?」

骨も肺もないから

詳しく教えてくださるのは、昆虫の進化や生活を研究している千葉大学大学院園芸学研究科の野村昌史 教授です。

虫には骨がない

私たちが普段目にする虫は大きくてもせいぜい10センチ程度がほとんどです。
哺乳類などの他の動物に比べてこんなにも虫が小さいのには2つの理由があると考えられます。

1つ目が体の中に骨がないことです。
実は虫の体内には人間のように体を支える骨がありません。

その代わりに虫の体を支えているのが体を覆う硬い皮です。
この硬い皮ことを「外骨格」といいます。
外骨格が骨の代わりに体を支えていますが、同時に虫が大きくなれない原因でもあります。

体内に骨を持つ人間と外骨格しか持たない虫を建物に置き換えて考えてみると、人間は内部に骨という柱を持つ大きな1軒家、逆に虫は内部に柱を持たない壁だけの犬小屋のようなものです。

小さい犬小屋なら柱は要りませんが、大きな家をつくるときには全体を支える柱が必要になります。
逆に柱を持たない犬小屋が大きくなってしまうとその重さに耐えられず犬小屋は潰れてしまいます。

つまり、内部に柱となる骨を持たない虫はあまりに体が大きくなると外骨格だけでその重さを支えきれなくなってしまいます。
このように、虫が小さい1つ目の理由は体を支える骨がないことです。

虫には肺がない

そしてもう1つの理由が、虫には肺がないということです。

人間の体内では口や鼻から吸い込んだ酸素を肺の中で血液に取り込み全身に送るという肺呼吸が行われています。

虫の体には肺がなく、全く別の呼吸方法で全身に酸素を供給しています。
それが「気管呼吸」という呼吸法です。

多くの虫の体には「気門」という呼吸のための穴がいくつも開いています。
この気門と繋がっている「気管」という体中を巡る管を通して体内に酸素を取り込んでいます。

しかし、この気管呼吸は気門から徐々に酸素が入っていくだけで、人間のように酸素を強く吸い込んでいるわけではありません。
小さい虫であればそれでも大丈夫ですが、体が大きくなると内部まで十分に酸素が届きません。

つまり、肺を持たない虫の呼吸方法では体が大きくなった場合に十分な酸素が体全体に行き渡らせることができなくなってしまうのです。

酸素濃度が高い環境であれば大きくなる可能性がある

逆に今よりも酸素濃度が高い環境であれば体に入ってくる酸素が多くなりますので、虫の呼吸方法でも今より大きな体を維持できる可能性があります。

実際にアリゾナ州立大学の研究室で酸素濃度を通常の1.5倍に設定した室内でトンボを飼育したところ、なんと通常よりも15%大きく成長したトンボが誕生しました。
この結果をみても呼吸の仕組みが虫の体が小さいことに大きく影響していることがわかります。

ちなみに、酸素濃度が1.5倍というのは現在から約3億年前の地球とほぼ同じ環境で、この時代にはやはり今より巨大な虫が生息していました。

見た目がトンボにそっくりな昆虫「ネガネウラ」は現在のトンボと比較すると規格外の大きさで羽をを広げた横幅は約70センチにも及び、「史上最大の昆虫」ともいわれています。

あとがき

昆虫は小さいに限りますね。
心からそう思います。
もし昆虫が今より大きかったら人間の生存が危ぶまれていたかもしれません。

気管呼吸と聞いてゴキブリを思い出しました。
ゴキブリを殺すのに手っ取り早いのは液状の洗剤をかけることだと友人に聞きました。

洗剤をかけることで呼吸ができなくなって死ぬそうです。
話を聞いた時は半信半疑でしたが、洗剤が気門を塞いで体内に酸素を取り込められなくするのですね。

ただ、問題が1点。
ゴギブリの動きが速くて洗剤を体全体にかけるのが至難の技だという点です。

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