先生が警告する本当に怖い食中毒菌トップ3『健康カプセル!ゲンキの時間』

2020/9/20放送『健康カプセル!ゲンキの時間』


まだまだ残暑が続く9月、気をつけなければならないのが「食中毒」って知っていましたか?
実は細菌を原因とする食中毒は9月が一番多いです。

9月は夏の暑さの影響で体力や免疫力が落ちているのに食中毒の原因になる細菌が増えやすい環境になります。
ちょっとの油断が命とりになってしまうのです。

そこで今回は実際に起きた事例をもとに今 注意すべき「食中毒完全予防マニュアル」をお届けします。
これを知れば食中毒なんか怖くありません。
あなたは食中毒から家族を守ることができますか?

今回ご協力いただくのは慶應義塾大学 保健管理センターの森先生です。

細菌類の食中毒は9月が1番多い

食中毒というのはこの時期に原因として多いのは細菌類です。
食中毒の原因はノロウィルスなどに代表されるウイルス性とこの時期に増える細菌性と大きく2つにわかれます。

一般家庭で食中毒を引き起こす細菌は主に7種類あります。
そこで、先生が警告する本当に怖い食中毒菌トップ3を実際に起きた事例をもとにお伝えします。

先生が警告!本当に怖い食中毒菌 3位「O157」

O157の特徴

O157は牛など家畜の腸の中に生息する細菌です。
生レバーが禁止になった原因としても有名です。

2〜8日の潜伏期間を置いて発症し、腹痛や下痢、嘔吐、風邪に似た倦怠感などがあります。
子供や高齢者が感染すると重症化しやすく、最悪の場合 溶血性尿毒症候群で死に至ることもある怖い細菌です。

O157の事例

2016年の秋に起きた出来事です。

この日の夕食は家族が大好きなメンチカツ。
しかし冷凍メンチカツに食中毒の原因になるとある細菌が混入していました。

メンチカツを食べた数日後に突如襲った腹痛。
原因はメンチカツから検出されたO157でした。
同時期に21人から被害報告があったのです。

O157は75度以上でば1分間加熱されていれば死滅すると考えてられています。
先程の事例で冷凍メンチカツを揚げているのにO157を起こしてしまった理由は、揚げる際に冷凍メンチカツの中まで火が十分に通っていなかったことからO157が起こってしまったと推測できます。

冷凍食品の注意点!食品表示を確認しよう

今回原因となった冷蔵メンチカツ、実はそこにはあまり知られていない注意点もありました。
それはパッケージ裏の食品表示です。

同じ冷凍食品パッケージに「冷凍食品」か「そうざい半製品」のどちらかが書かれています。
「そうざい半製品」とは未加熱の食品を凍結させたもので、食べる前に調理法に沿った十分な加熱が必要なのです。

つまり、今回の事例ではメンチカツの製造工程でO157が混入してしまった。
さらに、そうざい半製品の加熱が不十分だったことが考えられます。

食中毒という点に関しては調理方法・保存方法を守ることが最も重要です。
パッケージに「冷凍食品」の表示がない冷凍製品は、一度電子レンジで解凍すると中まで火が入りやすくなり安心です。

先生が警告!本当に怖い食中毒菌 2位「サルモネラ属菌」

サルモネラ属菌の特徴

サルモネラ属菌は主に牛・豚・鶏などが保菌していることが多く、鶏卵の殻から感染する事例もあります。
さらに犬や猫などのペットから感染することもあります。

抵抗力が低い幼少期の子供や高齢者はペットに触れた後 手を経を洗うなど特に注意が必要です。
12〜48時間後に発症し、発熱・嘔吐・頭痛の他にへそ周辺の腹痛が特徴です。

サルモネラ属菌の事例

2011年2月末 給食に出たサラダを食べた小中学生教師が集団食中毒に襲われました。
感染者の数は600人。
調理器具の消毒が不十分だったことからサルモネラ属菌に汚染されてました。

1000人以上を苦しめたサルモネラ、1ヶ月後今度は親の体に異変があらわれます。
なんと子供と全く同じサルモネラに感染していたのです。
しかも同様なことが他の家庭でも起きていました。

結果 最初の発症から約1ヶ月で70名に同じ症状があらわれました。
その理由は子供がサルモネラを保菌していたからです。

子供が病気が治っても菌が腸の中にいる状態の「病後保菌者」でした。
さらに手を洗わないで料理したことが大きな問題と考えられます。

サルモネラ属菌は保菌率が高い

O157の保菌率が0.001%に対し、サルモネラの保菌率は0.05%とO157と比べると50倍高いです。
他の菌より人の体内に留まる確率が高く、治ったからといって油断ならない細菌なのです。

サルモネラに対する免疫や腸内細菌の働きなどによって腸内に溜まってしまうことがあるので、症状が治まった後でも保菌者が手を十分に洗わず料理をすると家族に感染する恐れがあります。

対策としては石鹸を使った手洗いを心がけることが重要です。

先生が警告!本当に怖い食中毒菌 1位「カンピロバクター」

カンピロバクターの特徴

カンピロバクターは家畜や家禽の腸内に常在している菌です。
比較的鶏肉に多く付着しており、解体する時に食肉の表面を汚染していると考えられます。

多くの細菌性食中毒は菌量が1グラム中 数十万から100万程度で感染しますが、カンピロバクターは100グラムほどでも感染します。

2〜7日程度で菌が増殖して発症します。
まずは発熱・倦怠感・頭痛などが起こり、その後 吐き気や腹痛に襲われます。

とにかく事件数が毎年ダントツで多く、悪化すると手足の麻痺や呼吸困難を引き起こすこともあり、最も注意しなければならない細菌です。

カンピロバクターの事例

2010年5月中学校の食育事業の一環としてプロの調理師による生きた鶏の解体、そしてカツオをさばく様子の見学会が行われました。
最後はカツオの刺身を試食して終了したのですが、数日後 生徒や参加した保護者44人に食中毒症状があらわれました。
その原因がカンピロバクターでした。

カンピロバクターは魚には存在しないといいます。
この日はプロの調理師が行った実習で、鶏用とカツオ用にまな板・包丁・食器類をちゃんと分けて使用していました。
さらに使う前後にしっかり洗浄していたそうです。

ではなぜカツオの刺身から検出されたのでしょうか?
実は同じシンクで同じスポンジで洗ったに問題がありました。

この事件は鶏肉用の調理器具とカツオ用の調理器具や食器を同じシンクで同じスポンジを使い洗ったことによって起きた二次感染と推測されます。

一般家庭の場合 シンクが1つしかありません。
その場合は生で食べる野菜や刺身等を先に料理して、その後に鶏肉などの料理をすると良いです。

洗剤では完全に死なないカンピロバクターですが、乾燥と熱に弱いため調理器具やスポンジは乾燥させたり75度以上の熱湯をかけたりして滅菌しましょう。

あとがき

何年か前にウイルス性胃腸炎にかかって大変な目に遭いました。
あのときちゃんと火を通さなかったモツを食べたことが原因と思われます。

激しい腹痛と嘔吐でトイレから出られず、悪寒で身体はガタガタ震えっぱなしです。
自力で病院に行き診察を受けて処方してもらって大分落ち着きましたが、感知するまで1週間かかりました。

食中毒が本当に辛いと身をもって知りました。
あれ以来モツを食べていません。

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