なぜ服を買うと布の切れ端がついてくるの?『チコちゃんに叱られる』

2020/10/10放送『チコちゃんに叱られる』
桂由美さん、間宮祥太郎さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「なぜ服を買うと布の切れ端がついてくるの?」

かけつぐため

詳しく教えてくださるのは、ユニフォーム研究科の佐野勝彦さんです。

布の切れ端は多くの人に服を買ってもらうために始めたサービス

日本で既に完成している服である「既製服」を買うという文化が生まれたのは戦後になってからのことです。
それまでは仕立て屋で自分用に生地から仕立てた服を買うか家庭でシンプルな服を作って着るが一般的でした。

1950年代中頃から洋服を着るのが当たり前の時代になると既製品が百貨店を中心に売れるようになります。
服についている布の切れ端は「共生地」と呼ばれ、百貨店が商品の価値を高めてより多くの人に服を買ってもらうために導入したサービスです。

布の切れ端は服の穴を塞ぐためのもの

当時 服は今よりもずっと高価なもので穴が空いたからといって簡単に捨てられるものではありませんでした。
共生地を使って穴を綺麗に塞いでいたのです。

この共生地を縫い付けても全然綺麗にはならないと思われ流かもしれませんが、プロの手にかかれば服に開いた穴を綺麗に消すことができます。
それが「かけつぎ」という技法です。関東では「かけはぎ」とも呼ばれています。

この共生地と「かけつぎ」という技法があれば1つの服を長く大切に生きることができるので、服に共生地をつけるサービスを導入したのです。

「かけつぎ」はまさに匠の技

「かけつぎ」とは一体どのような技法なのでしょうか?
その正体を探るべきスタッフは「かけつぎ」に一筋 50年以上という職人を訪ねました。

  1. まず直す穴の大きさに合わせて共生地をカットしていきます。
  2. カットした共生地から横向きの糸を一部外し、縦糸だけを残します。
  3. さらに「かけつぎ」に欠かせないのが糸の輪を通した針です。
  4. まずは穴の近くに針を刺し、輪にした糸を服に通します。
  5. そこに共生地の縦糸だけを残した部分を重ねます。
  6. 糸の輪っかに縦糸を挟み込んで向こうへ抜いて生地の位置を服に織り込みます。
  7. 6を繰り返しを続けます。必要なのは根気。
  8. 共生地の糸が元の服に全て織り込まれたら、つなぎ目をきれいにするために服の裏側の共生地を織り込んだ部分に熱で溶ける専用のりを入れます。
  9. 共生地と元の服の繋ぎ目が目立たないように織り込んだ糸を引っ張り、最も自然な繋ぎ目になったと見極めた瞬間 アイロンの熱で裏面の糊を溶かし共生地を固定します。
  10. 最後に表面にはみ出した余分な糸をカットしてアイロンがけを終えれば完成です。

「かけつぎ」で穴があった場所がなくわからなくなる完璧な仕上がりになります。
まさに匠の技です。

最近は服を直して使い続ける人が少なくなった

かけつぎに使って服を直し長く大切に着てもらおうと付けられた布の切れ端ですが、最近ではお手頃な価格の服が増え、わざわざかけつぎをしてまで使う人が少なくなってきました。
つまり、共生地の使い道がどんどんなくなってきているのです。

穴が開いたら買い換えればいいと、いつしか共生地が付いている意味すら忘れ去られる時代になりました。
それでもなお小さな布の切れ端が服に付けられているのは「服を大切に着続けてほしい」という作り手からのメッセージなのかもしれません。

あとがき

布の切れ端の意味をようやく知りました。
「かけつぎ」という技法があることも初めて知りました。

どこに穴があったのかわからなくなるくらい完璧な修復に舌を巻きました。
このような素晴らしい技法があるなら服を直して長く使い続けた方が良いと思いました。

そして「かけつぎ」の料金を調べて驚きました。
0.5ミリの穴に対して3000〜5000円の料金でした。

この値段だったら2000円ぐらいの服であれば直すより買い換えるほうが割安ですね…。
修理に出すなら何にも変えられない思い出の服や高価な服のほうが良いかもしれません。

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