何を食べても味がしない!?実は怖い味覚異常『健康カプセル!ゲンキの時間』

2020/10/11放送『健康カプセル!ゲンキの時間』


新型コロナウイルスが引き起こす様々な症状、その中でも多くの人を驚かせたのが「味覚異常」です。

味覚異常は味を感知するセンサーが機能しなくなり、食べ物の味がわからなくなる症状のことです。
実は新型コロナウイルス以外にも誰もが陥りがちな味覚異常の原因があります。

たかが味覚と侮るなかれ!
味覚に異常があると味の濃いものばかりを求めてしまい、高血圧や糖尿病など生活習慣病のリスクに繋がってしまいます。

そこで今回はなぜ味覚異常が起こるのか、その原因と対策を徹底リサーチします。
耳鼻咽喉科の生井先生に解説していただきます。

新型コロナウイルスで味覚異常になる原因

新型コロナウイルスで味覚異常になるみたいな話を聞ききますが、その点に関してはまだわかってないことも多いです。
多くはニオイの神経が障害されてニオイを感じないことで味も感じづら方が多いようです。

新型コロナウイルスが鼻から侵入すると嗅覚や味覚を感じる神経を攻撃して神経障害を起こします。
すると、味やニオイの信号が脳へ届かず味を感じにくくなるのです。

私たちが味を感じる仕組み

我々はどのようにして味を感じているのでしょうか?

口の中に「味蕾」という味の細胞の塊があります。
味蕾は舌全体、特に舌先や舌の奥に多く存在しています。

味蕾で食べ物の味を感知し、その情報が神経を伝わり脳に送られるため味を感じます。

味覚の地図はウソ

味覚の地図、つまり舌の場所によって感じる味が違うという話はウソです。

いろいろな研究がありますが、全てどの部位でも味を感じていると考えられています。
1つの味蕾の中に基本の味とされる甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の全てを感じる細胞が存在するのです。

味覚異常は中高年に多い

味を感じる味蕾の機能が低下すると健康にも大きな悪影響を及ぼします。
味覚の機能が低下すると味付けの濃いものばかりを求めてしまい、生活習慣病のリスクが上がってしまいます。

味覚異常になる人は50歳以降に多く、中高年の方は特に注意が必要です。

味覚異常の主な症状

味覚異常の主な症状です。

  • 味覚減退・味覚消失
  • 自発性異常味覚
  • 解離性味覚障害
  • 異味症
  • 悪味症

味覚減退・味覚消失は味覚障害の約8割に当てはまり、味を感じにくい・味を感じないなどの症状です。

自発性異常味覚とは、口の中に何も入っていないのに味(苦味)を感じる症状です。

解離性味覚障害とは、5つの基本味の中で特定の味だけ感じない症状です。
例えばイチゴケーキを食べると甘くなくて酸っぱさだけを感じてしまう症状です。

異味症は、本来と異なる味を感じる症状です。
例えば甘いものを食べると苦味感じてしまう症状です。

悪味症は、何を食べても嫌な味がする症状です。

味覚異常の原因

味覚異常になってしまう原因は一体何なんでしょうか?

偏った生活による亜鉛不足

味覚障害の原因の多くは食生活の乱れです。
偏った生活による亜鉛不足で味覚の機能が低下します。

亜鉛とは、タンパク質の合成や骨の発育など身体の新陳代謝には欠かすことのできない必須ミネラルです。
亜鉛は味を感じる味蕾の新陳代謝や味を感知するときにも使われます。
とにかくにとても重要な働きをしているのです。

そのため、亜鉛が不足すると味蕾の機能が低下して味覚障害を引き起こしてしまいます。
味覚障害の原因の約7割は亜鉛が関係しているといわれています。

辛いものの食べすぎ

辛味は味蕾で感じる5つの味には入っていません。
味蕾の周りにある知覚神経が痛さを感じ、それを私たちは「辛い」と表現しています。

辛いものを食べると味蕾やその周囲の細胞の機能を細胞するので味の感度が悪くなるというデータがあります。
辛い物を過剰に摂ると味蕾にダメージを与えて味覚の機能が低下する恐れがあります。

辛いもの食べすぎは注意が必要です。

ちなみに辛いものを食べるときはこまめな水分補給を行うことがポイントです。
口の中に辛味成分を長く滞在させないようにするのが良いです。

歯ブラシで舌を磨く

味蕾は意外と繊細です。

歯ブラシで舌を過剰に磨くと味蕾が傷ついて味覚の機能に障害を受けます。
あまりゴシゴシ擦らない方がいいです。

舌はある程度ザラザラしている方が健康である証です。
舌の汚れが気になる方は舌専用のブラシを使いましょう。

加齢

さらに加齢によって味覚の機能が低下します。

実は味蕾の数は加齢によって減少します。
70歳以上になると乳幼児と比べて半分以下になってしまうというデータもあります。

高齢者の方で料理の味付けに満足感を得られないのは加齢によって味蕾の数が減少しているからと考えられます。

日本人は全世代が亜鉛不足

亜鉛は厚生労働省の発表してる日本人の食事摂取基準がありますが、日本人は全世代が亜鉛不足しています。

亜鉛は体内で作ることができない成分で食事などから摂取するしかありません。
そのため、偏った食生活を長く続けていると亜鉛不足に陥ってしまいやすいのです。

さらに他にも亜鉛不足を加速させてしまう原因があります。

一部のインスタント食品や加工食品には食品添加物の一種で食べ物の安全性を保つ効果のある「フィチン酸」が使われている場合があります。
フィチン酸は亜鉛の吸収をブロックするので、インスタント食品や加工食品を大量に食べると亜鉛をいくらとっても吸収されないことになります。

亜鉛を多く含む食品

積極的に食べたい亜鉛を多く含む食品はこちら。

  • 肉類:牛肉・レバー
  • 乳製品:チーズ
  • 魚介類:牡蠣・カニ・ウナギ
  • 海藻類:ワカメ・ひじき・海苔
  • その他:ごま

ストレスが多くの亜鉛を消費する

肉類や乳製品、魚介類など幅広い食品に含まれていますが、なぜ多くの人が不足してしまうのでしょうか?

現代人は寝不足や過労によってストレスを抱えてる人がすごく多いです。
ストレスは多くの亜鉛を消費するので不足してしまいがちです。

味覚障害の治療には長い期間が必要

味覚障害は治るまでに長い期間が必要とされます。
異常を感じてから6ヶ月を過ぎると途端に治りにくくなるというデータも報告されています。

亜鉛不足による味覚異常を改善するには家族のサポートの大切です。

加齢による味覚の低下予防にガムを噛む

味蕾の機能を取り戻すには亜鉛を多く含む食材を積極的に摂ることが大切ですが、他にも味蕾の減少を予防する簡単な方法があります。

それがガムを噛む。

ガムを噛むことで唾液が出やすくなります。
唾液をたくさん出すことが加齢による味覚の低下を防ぎます。

唾液は味覚によって重要な働きをしています。
味の物質は唾液に溶けることで味蕾全体へと伝わります。

しかし唾液が減ると味蕾が使われなくなるため、機能が低下してしまうのです。
ガムを噛んで唾液を出すことで味蕾の機能を維持することに繋がります。

自宅でできる味覚チェック

ご家庭で簡単にチェックできる方法があります。
用意するものはこちら。

  • 水:100ml
  • 砂糖:1グラム

これらを混ぜてティースプーン1杯分を口に含み、砂糖の甘みを感じられたら味覚に異常はありません。

生井先生からの一言

味覚異常は早い段階では気づきにくいことが多いです。
できるだけ仲間や友達と一緒に楽しく食事を取ってほしいと思います。

もし気になる人は近くの耳鼻咽喉科に電話をして味覚異常のことについて相談していただければと思います。

あとがき

味覚異常、味覚障害ってこわい。
命の危機に直接関わるわけではありませんが、人生の楽しみのほとんどを奪われるような症状ですよね。

味覚異常を持つ方のお話によると味がしないゴムをひたすら噛んでいるような感覚だそうです。
食べる楽しみがなければ食欲も出ません。つらいですね。

そして、離乳食はとにかく味を薄めないといいますよね。
その理由が今までよく分かりませんでしたが、ようやく理解しました。

味蕾は乳幼児のときが最も多く存在し、加齢とともに減少するのです。
大人と同じような味付けでは乳幼児にとっては味付けが濃いということですね。

そして味付けが濃いということはなんとなく身体に悪そうな気がします。
だからとにかく味を薄めるのだということがわかりました。

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