あなたの預金を守れ!銀行&口座の特別講義(後半)『林修の今でしょ!講座』

2020/10/13放送『林修の今でしょ!講座』
実は犯罪被害に遭わなくても大切なお金が減ってしまうことがあります。
2人のプロに詳しく教えていただきます。
金融のプロ 経済評論家 岸 博幸 先生
銀行のプロ 元銀行員 上田 真一 先生
銀行の手続きに手数料がかかるのは銀行の本業が儲からなくなったから
まず皆さんにも身近なATMについての疑問です。
「なぜATMで取引するたびに手数料を取られるの?」
ATM以外にも銀行でかかる手数料にはいろんな種類がありますが、なぜこんなにもかかってしまうんでしょうか?
ぶっちゃけていうと、銀行は本業の貸し出しであまり儲からなくなってきています。
手数料はある程度安定的に入ってくるもので、今 大体 銀行の収益全体の10〜20%を占めているのではないかといわれています。
ATMは電気つけて24時間使えるようにするのも相当経費がかかってます。
ATM自体 機械が高いし、維持管理も大変です。
ATMの手数料ある意味しかたがないことです。
知らないと損をする銀行口座にまつわる2つの制度
皆さんの銀行口座にまつわるこんな疑問です。
「使ってない銀行口座は放っておくと預金が減っていくっていうのは本当?」
銀行にお金を預けると少なくなると利息がついてお金が増えるものだと思いますよね。
でも、この預金残高が知らず知らずのうちに減ってしまうなんてこともあるのです。
それには近年新たに進められている2つの制度が関わっています。
休眠預金等活用法で預金が国に没収される!?
「休眠預金」をご存知でしょうか。
休眠預金とは、口座にお金を置いているだけで10年以上入出金がなく眠っている預金のことをいいます。
2018年に「休眠預金等活用法」という法律が施行されました。
10年以上入出金がない預金は社会問題の解決のために活用できるという制度です。
要するにお金を置いたまま使っていないと国に没収されてしまうということです。
現段階では休眠口座になってしまっても窓口に行き、手続きをすればお金を引き出すことができるそうですが、今後はどうなるかわかりません。
皆さんもそんな口座がないかチェックしておきましょう。
未利用口座管理手数料で残高が減る!?
10年よりももっと短い期間で口座から預金が減ることがあるかもしれません。
実は今 様々な銀行で導入されようとしている新しい制度があります。
それが「未利用口座管理手数料」です。
銀行によって管理手数料の名前・呼び方が多少異なります。
これから新規に作る口座については2年間入出金がなく残高が1万円未満の場合に年間で 1,000 〜 1,500円程度の手数料が口座から引かれますようになります。
この未利用口座管理手数料は発生する事前に案内通知が届きます。
ただ、案内通知が来て3ヶ月以内に入金出金が行われないと手数料が口座から引かれてしまいます。
ちなみに残高が未利用口座管理手数料を満たない場合は自動的に解約されてしまいます。
銀行は残高が少ない・放置されている口座は整理してしまいたいのです。
実は紙の通帳を作った場合に通帳1つにつき年200円の印紙税がかかっており、全て銀行が負担をしてます。
例えば銀行で個人口座が2000万件ある場合、印紙代だけで毎年40億円のコストがかかります。
それだけのコストがかかる中で残高が少ない口座を銀行も維持し続けるのは大きな負担です。
使わないなら早く解約してくれ、という世界なのです。
このような手数料は海外では口座を持つ際に基本的に支払うもので日本でも今後増えていく可能性が高いです。
ちなみに近年 紙の通帳ではなくネット上で口座を管理する方法があります。
こちらは2年以上入出金がなくても手数料は引かれません。
新規に口座を作る場合 インターネット通帳を検討してみるのもいいかもしれません。
複数ある口座を1つにまとめた方がお得って本当?
用途に分けて いくつか口座を持っていませんか?
複数ある口座を1つにまとめた方がお得って本当でしょうか?
リスクの観点から1つにまとめない方が良い
経済のプロ・岸先生
万が一 銀行が倒産した場合を考えてリスク分散をした方が良いです。
銀行が経済破綻したとき預金額のうち元本1,000万円+利息分まで保証される制度「ペイオフ制度」があります。
この制度は1,000万円を超えた分は銀行が倒産したら返ってきません。
そういう現実があることを考えるとやはりある程度リスク分散をしておくことが大切です。
また、いくつかの銀行に預けておくことで、万が一 金融システムに問題が生じても引き出しに困らないようにすることができます。
もちろん細かく十何個も口座を持つのはさすがに持ちすぎですが、例えばメイン口座+α口座に分散していくことが大事かなと思います。
1つの口座にまとめることで金利の交渉がしやすくなる
銀行のプロ・上田先生
1つの口座にまとめた方がお得という意見です。
例えば口座別に500万・500万・500万と持っている場合、1つの口座にまとめると1500万になります。
そうすると、銀行の「大口定期預金」という1,000万から預けられる定期預金があり、その金利の交渉がしやすくなります。
今 銀行の定期預金や普通預金の店等の提示金利は 0.001% とか 0.002% とかですが、それを交渉によって多少色をつけてもらえることができます。
まとめ:損をしない銀行口座の使い方
10年間入出金がない口座はお金が引き出せなくなります。
今後は2年間でも放ってと手数料が引かれるようになるので気をつけましょう。
また、銀行口座を複数持つ場合にはメリットデメリットがあるので、しっかり覚えておきましょう。
あとがき
銀行に預ければお金がどんどん増える時代はとうの昔に終わっています。
いまは銀行に預けるとお金がどんどん減る時代です。(悲しい)
口座を1つにまとめると金利に多少色をつけてもらえるとはいえ、3%もつけてくれるわけではないと思います。
銀行の本業である貸し出しで利益が出なくなっているのに高い金利をつけてくれるとは思えません。
銀行に預けずに投資にどんどん回していく方が今後重要になっていくかなと思いました。

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