妻・女房・嫁・奥さん・カミさん・家内…なぜ呼び方がいっぱいあるの?『チコちゃんに叱られる』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

妻・女房・嫁・奥さん・カミさん・家内…なぜ呼び方がいっぱいあるの?『チコちゃんに叱られる』

2020/10/16放送『チコちゃんに叱られる』
須田亜香里さん、大竹まことさんをゲストに迎えています。

チコちゃん「妻・女房・嫁・奥さん・カミさん・家内…なぜ呼び方がいっぱいあるの?」

正しいのは「妻」だけ

詳しく教えてくださるのは、大東文化大学 山口教授です。

公的な文書では「妻」が使われている

日本で一番古い呼び方は「妻」という言葉です。

日本最古の歴史書『古事記』にも「妻」という言葉は記載があり、実際 役所などで配られる公的な文書や六法全書などにはパートナーのことを「妻」というふうに記載しています。

これからも「妻」が正しいかと思います。

妻以外の呼び方の意味

「妻」以外の呼び方は一体どういう意味なのでしょうか?

「嫁」は親が使う言葉

まずは「嫁」。

この「嫁」という言葉が出てきたのは鎌倉時代の書物の『名語記』です。
「自分の息子の妻のことを指す言葉」というふうに書いてあります。

もともと「嫁」という言葉の由来は、「息子の元に嫁いできた良い娘」が「良い女(め)」となり、さらに「嫁」に変化したといわれています。
「嫁」という言葉を使うのは基本的にはです。

「女房」は使用人の女性を指す

「女房」は平安時代に現れた言葉です。

当時、身分の高い貴族は妻以外に食事や身の回りの世話をする使用人の女性を屋敷に住まわせていました。
「使用人の女性」のことを「女」と呼び、住んでいる部屋のことを「房」と呼んでおり、そこで「女房」という呼び方ができました。

つまり、本来「女房」というのは「使用人の女性」を意味します。

「奥さん」は使用人が使う言葉

「奥さん」という言葉のルーツは「奥方」です。

「奥さん」の由来は室町時代に遡ります。
当時 身分が高い屋敷の主人はパートナーの女性を屋敷の奥の方に住まわせていました。

使用人たちはその女性のことを敬意を込めて「奥方」と呼ぶようになりました。
やがて「奥方」が「奥様」「奥さん」というように変化していきました。

つまり「奥さん」は使用人が用いる言葉なので自分のパートナーの呼び方としてはやはり適していません。

「カミさん」は目上の人を表す言葉

「カミさん」という呼び方は、もともとは自分より目上の人を表した「上様」という言葉が変化してできた言葉です。
パートナーと対等な関係を築いていく現代社会では適しません。

「家内」は家の中にいる人を指す

「家内」というのは「家の内」と書いてあります。
家の中にいる人と表します。

明治時代になると男の人は家の外で働くようになり、女性は専業主婦として家を守るという形が出てまいりました。
これに伴い、明治時代にパートナーのことを「家内」と呼ぶケースが増えてきました。

多くの女性が働きに出る今、女性は家の中に居るのが当たり前と決め付けるのもいかがなものかとなってしまいます。

間違った呼び方が浸透してたくさんの呼び方ができた

それぞれの意味がわかったところで、なぜいろいろな呼び方が広まったのでしょうか?

例えば自分が息子でお母さんに「良い嫁が来てくれたわ」と言われたら、「自分の嫁が」と人に紹介してしまうものだろうと思います。

置かれた立場や状況で分けて使っていたはずの言葉が間違った使い方で浸透してしまい、たくさんの呼び方ができたのです。

あとがき

妻の方の間違った呼び方が多く浸透したのは、男性が女性を都合の良いように扱った背景があったからではないかと考えています。
実際、妻を使用人のように扱う男性もいるでしょう。

最近、私の周りは人に紹介するときに「妻」「夫」を使わずに「パートナー」「相棒」と呼ぶ人が多いです。
対等な立場であろうとしているのかなと思いました。

過去の記事を見返していたら似たようなことを既に書いていました。

https://sawami.net/2019/10/22/tv/chikochan-dannna/

フォローお願いします