又吉先生オススメ!親子で読みたい絵本『世界一受けたい授業』

2020/5/16『世界一受けたい授業』


皆さん、大人気 絵本作 ヨシタケシンスケさんをご存知ですか?

大ヒットデビュー作『りんごかもしれない』などとにかく子供に大人気です。
日常のさりげない1コマを切り取った部分が多く、大人にも大人気なのです。

「服が引っ掛け脱げなくなってもうどれくらい経ったのかしら」
第9回MOE絵本屋さん大賞に選ばれた『もうぬげない』は脱げない服を受け入れるかわいい子供の様子を描いた作品です。

他にも おしっこをいつもちょっぴり漏らしてしまうことを悩んだ男の子を描いた『おしっこちょっぴりもれたろう』という絵本があります。

現在20冊以上出版しており、その総売上部数は新作絵本にしては異例の400万部以上です。

ヨシタケさんの絵本には「笑顔」がほとんどない

ヨシタケさんの絵本には通常の絵本に描かれることが多い「笑顔」がほとんど描かれません。
理由としてヨシタケさんは笑顔の絵は半分の人を傷つけると思っています。

笑顔の絵を見たときに子育てを楽しんでいる人なら「私と一緒だ」と思える一方、「子育てをつらい」と感じている人が見たら「なぜ私は楽しくできないだろう」と考えて傷つけてしまいます。

そのため、笑顔をあまり描かないのです。

ヨシタケさんの経歴

まずはヨシタケさんの経歴を簡単にごらんください。

ヨシタケさんは大学院卒業後、ゲーム制作会社に就職しました。
しかし、ストレスなどが原因で会社を半年で退社します。

そして25歳だったときに大学時代の仲間とアトリエを構え、芸術活動を開始します。
その後 29歳からイラストレーターの仕事を始めました。

40歳で初めて描いた絵本が大ヒットデビュー作『りんごかもかもしれない』です。
2013年に発売され、その年の絵本賞を総なめにしました。

ヨシタケさんの絵本『りんごかもしれない』

『りんごかもしれない』という絵本はこんなストーリーです。

ある日 男の子が学校から帰ってくるとテーブルの上にリンゴが置いてありました。
そのリンゴを見て男の子は「もしかしたらリンゴじゃないかもしれない」と考えます。

「ひょっとして赤い魚が丸まっているだけかもしれない」
「りんごの中はメカでぎっしりなのかもしれない」

そんな「もしかしたら」を考えながらもお腹がすいた男の子は最後にそのリンゴを食べて思います。
「うん、おいしいかもしれない」

ずっとリンゴに疑問を持ち続けた男の子は最後には自分の味覚すらも疑ってしまうという現実をユニークに表現しています。

ヨシタケさんの絵本『わたしのわごむはわたさない』

一般的な初版部数が3000部に対し、絵本としては異例ともいえる10万5000部のヨシタケさんの絵本『わたしのわごむはわたさない』。

あるときゴミ箱の横に輪ゴムをしているのを見つけた女の子が「この輪ゴムをわたしにちょうだい!」と親にお願いします。
「あぁ…どうぞ」と言われた女の子は「やった!輪ゴムをもらった!」大喜びです。

「私はずっと欲しかったの。わたしだけのものが。お兄ちゃんのお下がりでもない。みんなで使うものでもない。ちょっとだけ貸してもらうものでもない。わたしだけのものが。」

特に兄弟がいたりするとお下がりなどが多く、自分だけのものがなかなかありません。
そんな子供心を「輪ゴム」という普通なら欲しがらないようなものでかわいらしく表現しているのです。

「今日は一緒にお風呂に入るわ」
「もちろん夜は一緒に寝るわ」
「世界中の悪い人をこの輪ゴムで捕まえてもいいわ」
「いざとなったらこの輪ゴムで地球を救うわ」
「空からつまみ食いだってできちゃうわ!」

女の子は輪ゴムで様々な妄想を膨らませていきます。
しかし、大切な輪ゴムが切れてしまいます。

すると、女の子は立ち上がり棚の方へ。
「お母さん!お母さん!このクリップを私にちょうだい!」

また新しい宝物を見つけて自分のものにした女の子。
どんどん目移りしてしまう子供の感情が表現されています。

ヨシタケさんの絵本『あるかしら書店』

『あるかしら書店』は今月発表された小学生が選ぶこどもの本総選挙で第2位に輝いた今 大注目の絵本です。

ある町の一角にある本にまつわる本の専門店。

「なんかちょっと珍しい本ってあるかしら?」
「ああ、ありますよ」

その店には『とけだす絵本』や『駆け出す絵本』、『はなみず絵本』、『ほめだす絵本』などとても珍しい本ばかりあります。

「本にまつわる名所の本ってあるかしら?」
「それはもう!」と店のおじさんがそう言うと『本のふる村の本』『水中図書館の本』などを紹介しました。

そんなお店にあるとき1人のサラリーマンがやってきて「必ず大ヒットする本の作り方みたいな本ってあるかしら!?」と尋ねました。
「あー、それはまだないです」

どんな本でも売っている書店でもヒット作の作り方だけはそう簡単にはないという、思わず大人でもクスッとなってしまうようなラストになっています。

ヨシタケさんの絵本『もしものせかい』

ヨシタケさんの作品の中でも より大人向けの作品『もしものせかい』。

男の子が昼寝をしていると大切にしていたロボットのおもちゃが猫に持っていかれてしまいます。
すると、ロボットは男の子の夢の中に現れ、「突然申し訳ないんだけど、僕もしもの世界に行くことになりました。」

もしもの世界は君の心の中にあるもう1つの世界だよ
君がどうしてもできなかったことやずっと一緒にいたかった人
君の目の前から消えて「もしもあの時…」って思い出す。
それはもしもの世界にいるんだ」

「目の前からなくなったものは実は無くなったわけではない。全てもしもの世界にいる」と、ロボットは言います。

「いつものせかいともしものせかい。
気になっている2つの世界をゆっくりゆっくり、
大きく大きく、楽しく楽しくしていこう。」

最後のページで男の子は昼寝から目覚めます。

『もしもの世界』はヨシタケさん自身を救うために描かれた絵本です。
ヨシタケさんはちょっと悲しいことがあってすごく落ち込んでた時期がありました。
自分が落ち込んだときにこう言ってもらいたいという思いから生まれたのが『もしものせかい』だったのです。

読むとイライラが消える絵本『おこりたくなったらやってみて!』

ヨシタケさんの絵本以外にも親子で楽しめる絵本がたくさんあります。
「これを読んだら兄弟げんかが激変した」「4歳の娘が物に当たらなった」と、今話題の絵本が『おこりたくなったらやってみて!』です。

ユニコーンの子供 ガストンは時々イライラします。
「早くお風呂に入りなさい」と言われたときは大人みたいに1人でやりたいのにうまくいかないときすごく腹が立つ!
頭の中にカミナリ雲がモクモク。

この絵本はそんなイライラした気持ちを鎮める方法を教えてくれます。
皆さんもやってみてください。

  1. まず目をつぶって鼻から息を吸い込んでお腹を膨らまそう
  2. 息を止めて すばやく肩を上と下に3回動かそう
  3. そして口から息を思いっきり吐き出す。怒りの雲を追い出すんだ。

すると、ガストンの頭の中はキラキラのお日さまになりました。

この呼吸法が子供だけでなく子育てにイライラしている親にも効果てきめんと話題になりました。
自律神経研究の第一人者 小林弘幸先生に聞いてみると、この呼吸法で副交感神経が優位になるので気持ちが落ち着くので理にかなっているとのことです。

同様に『こわくなったらやってみて!』『かなしくなったらやってみて!』も人気です。
家族で家にいる時間が増えている今こそオススメです。

群れの中で1つだけ違う『むれ』

続いては、芸人 ひろたあきた さんが描いた絵本『むれ』。
2019年 MOE絵本屋さん大賞、新人賞第1位に選ばれた絵本です。

びっしりと書き込まれた群の中から間違い探しをして楽しむことができます。
しかし、その間違いがちょっと変わっています。

魚の群れの中で1匹だけ骨だったり
鳥の群れで1羽だけ走っていたり
うんこの群れ一つだけカラフルだったり
透明人間の中に1人だけ透明じゃなかったり
雨の群れの中に1粒だけ誰かの涙だったり。

最後は蟻の群れです。
1匹だけ違う方に歩いています。
この蟻が歩いて行った先で1匹1匹が自分と違う群れと出会います。

みんな違う群れを見せることで「1人1人違っていいんだ」と思えるような、芸人らしいフリとオチのしっかり効いたような絵本になっています。

フランスで大人気の絵本『ママはかいぞく』

フランスでは大人気の絵本で、今年の3月に日本でも発売されて話題となっている本があります。
フランスで話題となった絵本が『ママはかいぞく』。
実はこの話には2つの要素が隠されています。

ぼくのママは海賊なんだ。
何ヶ月も前から宝の島を目指して旅をしている。

「宝島をみつけるにはとても時間がかかるのよ。でも仲間と強いチームを作ったの。頼りになる船長もいるわ」

海賊は傷だらけ。
ママにも傷がある。

「これは初めての戦いできた傷」
ママは胸の傷をそっと見せてくれた。

そして木曜日の朝、ママは再び海へ。

皆さん、この物語の裏のテーマがわかりましたか?
実は 乳がんと戦うママの実話なのです。

胸の傷は手術の跡。
そして船長は主治医。

自分のことを海賊に例えて子供を悲しませないようにしているのです。

その夜 帰ってきたママは「海が荒れて船がすごく揺れたのよ。すっかり酔っちゃった」
ママはトイレで吐いてしまいました。
パパが作ってくれた料理も食べません。

でもママは少しずつ元気になってきた。
頭には綺麗なバンダナを巻くようになった。
「海賊ってね、シラミがつかないように髪の毛をそるのよ。」

海賊でいるのってとてつもなく疲れるみたい。
僕が学校から帰ってきてもベッドにいることが多いんだ。

そんなときに僕はママに水を持っていく。
コップとコップを合わせて海賊風に乾杯。

ある日、ママは今日ニコニコしながら帰ってきた。
戦いに勝ったんだ!

ママはもうバンダナを巻かなくなった。
海に出るのももう終わり。

ママの胸にはまだ傷がある
でも顔色がしっかり良くなり、髪の毛もフサフサ。
きっと潮風のおかげだね。

乳がん発症から4年、現在46歳になったばかりのカリーヌ・シュリッグは再発もなく今も4人の息子さんたちの元気に暮らしています。

あとがき

5月に放送された物ですが、ようやく観てきました。
小さい頃、ノンタンシリーズの絵本が好きでよく読んでいました。

どんなストーリーだったか全く覚えていませんが、絵本を読んでいる間はワクワクしていたことだけ覚えています。
小さかった私の世界が絵本でどんどん広がっていったのです。

今メッセージ性が込められたとても素敵な絵本がたくさん生まれています。
大人も子供と一緒に楽しめるのはとても素敵なことですね。

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