なぜお辞儀をするの?『チコちゃんに叱られる』

2020/12/4放送『チコちゃんに叱られる』
篠原涼子さんとあばれる君をゲストに迎えています。

チコちゃん「なぜお辞儀をするの?」

学校教育に武士のの作法を取り入れたから

詳しく教えてくださるのは、民俗学者の神崎宣武先生です。

お辞儀は神仏に対しての礼儀

「頭を下げる」行為をたどっていくと世界中で神様に対しての礼儀として行われてきたということがわかります。
「神様に対して頭を下げる行為」は古くから世界中の様々な宗教や信仰において行われてきました。

ところが、日常的に人間同士がお辞儀を交わすのは日本独自の展開です。

平安時代に『伴大納言絵詞』があり、目で確かめられる最古の「おじき」があります。
『伴大納言絵詞』に登場するお辞儀は、放火の疑いをかけられた左大臣の 源 信 が自らの無実をお天道様に祈る瞬間です。

両膝をついて足はつま先立ち。
足裏がはっきりと見えるこの形が日本のお辞儀の原型といわれる「跪拝」です。

かつては神様・仏様に対してだけ行われていました。

人に対するお辞儀は武家社会が作った

鎌倉時代になり、武士が国を治めるようになると頭を下げる動作は人間に対しても使われるようになります。
戦や武力闘争の末に成立した武家社会は厳しい身分制度や規律によって世の安定が保たれていました。

こうした社会の中でお辞儀は細分化していきます。
場合や対人関係によってお辞儀を使い分け始めました。

例えば武家の礼法の1つである『小笠原流』では「九品礼」と呼ばれる9種類のお辞儀があります。

  • 天皇や将軍のみに許される、目の動きだけで行う「目礼」
  • 同じく天皇や将軍のみに許される、首の動きだけで行う「首礼」
  • 目上の人の話を聞くときなどは「指建礼」
  • 同じく目上の人の話を聞くなど「爪甲礼」
  • 身分の高い人が行う「折手礼」
  • 同じ身分の人に用いる礼「拓手礼」、茶道でも使用します
  • 同じ身分の人に対する深い礼など「双手礼」
  • 目上の人に対する深い礼「合手礼」
  • 神仏に対する礼「合掌礼」

こうして武家社会では挨拶をする相手や場面によってお辞儀を使い分け、秩序を保っていました。
ただし、これはあくまで座敷で行う「座礼」です。

座敷の礼儀作法と屋外の礼儀作法は違います。

学校教育にお辞儀が取り入れられた

明治時代になると現代のお辞儀につながる大きな変化が起こります。
畳中心だった生活から椅子を使うようになった頃、武士の作法であったお辞儀は庶民の生活にも取り入れられました。

座った礼を立った礼にする「立礼」が登場します。
明治15年 学校教育の礼儀を記した『小学諸礼式』には立礼の作法が書かれています。

立礼に最敬礼および敬礼の二つあり。

最敬礼は帽を脱して左の脇に挟み腰をかがめ、右手を膝に当て、拝す。

帽を着せざるときは腰をかがめ、両手を腰の上にあて拝す。

敬礼は帽を脱して少し傾くのみ。

『小学諸礼式』

江戸時代に100以上あった藩を1つの近代国家にまとめる際、全国に共通の挨拶として学校で教えられたのがお辞儀でした。
「起立・・着席」

こうして武家社会の礼法だったお辞儀は学校教育に取り入れられて庶民の生活に広く浸透していったのです。

あとがき

人に対する礼法は武家社会から始まったのですね。

人同士がお辞儀を交わすのは日本独自と言っていましたが、インドなど仏教国は人に対してもお辞儀していたような気がしています。
手を合わせてお辞儀しているのを何かで見たような気がします。

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