ハリウッドが映画の聖地なのはなぜ?『チコちゃんに叱られる』

2020/12/11放送『チコちゃんに叱られる』
松嶋尚美さんとDAIGOさんをゲストに迎えています。

チコちゃん「ハリウッドが映画の聖地なのはなぜ?」

エジソンさんにお金を払いたくなかったから

詳しく教えてくださるのは、映像文化に詳しい立命館大学映像学部の北野教授です。

映画鑑賞装置をエジソンが発明した

ハリウッドはアメリカ・ロサンゼルスの北西部に位置していてメジャーな映画会社のスタジオがあり、2019年の世界映画興行収入のベスト10は全てがハリウッド映画というほど映画産業の中心地です。

ハリウッドが映画の聖地になったのはエジソンにお金を払いたくなかったからだと考えられています。
発明王エジソンは映画の誕生にも大きく関わっていたのです。

蓄音器や白熱電球などを既に発明していたエジソンは1891年に映画鑑賞装置「キネトスコープ」を発明しました。
「キネトスコープ」は箱型の装置の、覗き穴を覗くと映像が見えるという1人用の映画鑑賞箱です。
この装置で映像が見られる「キネトスコープパーラー」という施設がアメリカで流行しました。

同じ頃 1895年にフランスあたりでリュミエール兄弟によって大きなスクリーンに投影する映画が初めて上映され、その4ヶ月はアメリカでもエジソンが「ヴァイタスコープ」という映写装置を開発しました。
これがきっかけとなって映画会社がたくさん作られていきます。

映画は人々の新たな娯楽となり、次々と生まれた映画会社が多くの作品を生み出し始めました。
アメリカの映画は主にニューヨークを中心に発展していくことになります。

突然エジソンが特許を主張し始めた

映画が人気になった頃にエジソンが特許料をもらおうとしました。
カメラと映写機を作った当初、エジソンは映画は人気にならないと思っていましたが、予想外の人気になったので商売になると考えて映画に関する利権を独り占めしようと特許を主張し始めたのではないかと考えています。

エジソンを無視することのできない大手の映画会社・配給会社・フィルム会社など10社は折り合いをつけるために「MPPC(Motion Picture Patents Company)」という映画特許会社を作りました。
MPPCに加盟した会社は撮影許可をもらうことができました。

MPPCは別名「エジソントラスト」といわれ、ここに加盟している大手の映画会社には手数料を払ってもらう代わりに特許料を免除してカメラフィルムを自由に使わせました。
一方、MPPCに加盟していない小さな映画会社には映画を撮影するための機材を使用するたびにいちいち多額の特許料を要求したのです。

自分で買ったカメラを使うためにエジソンにお金を払う。
おかしいですよね。

しかし、特許料を払わない映画会社にはスパイや探偵までも使って嫌がらせをしたそうです。
さらにはカメラやスタジオセットを壊されたりしたという話が残っています。

ニューヨークではエジソンに多額のお金を払わない映画が作れないという状況に陥りました。

エジソンの目の届かない遠い所がハリウッド

映画を作りたかった大手ではない映画会社はエジソンやMPPCの目の届かない遠い場所で撮影を続けることを決意します。
最終的に行き着いた場所が西海岸のカリフォルニア、今のハリウッドと呼ばれている場所です。

行ってみるとハリウッドは天候が良く照明いらずで、砂漠や高い山等の撮影場所も豊富です。
さらに安い賃金でスタッフを雇用できるなど映画の製作にとって良いことずくめでした。

こうして1911年 ハリウッドに「レスター・スタジオ」という本格的な映画スタジオが建てられました。
当時ハリウッドは地価が安かったため 15もの映画スタジオが次々と建てられました。

その噂はエジソンの耳にも届きますが、1910年代には各地に次々と映画館や映画会社が生まれてきました。
そのため MPPCによる訴訟や妨害行為が追いつかなくなってしまいました。

エジソンも引き上げだと思ったのかもしれません。
1918年 ついにMPPCは解体されることになりました。

MPPCの支配力がなくなったアメリカ映画産業はさらに成長していきます。
ハリウッドは世界最大の映画産業の地としていつしか「映画の聖地」と呼ばれるようになっていきました。

エジソンのおかげで映画界は大きくなった

エジソンが悪者という具合になってしまったかもしれませんが、エジソンが発明家なのはもちろんですが、ハリウッドが映画の聖地になっていった大きな立役者ではないでしょうか。

エジソンは「キネトスコープ」を作った後に1893年に自身の映画スタジオ作り、その後 約1,200本もの作品を生み出しました。
映画を商業的に確立させたのは反面教師の面も含めて、やはりエジソンの功績が大きいです。

あとがき

初めてエジソンのマイナス面を見ました。
発明家としていつも讃えられているエジソンですが、彼もまた人間だったのですね。

嫌がらせに屈することなく、遠い地にいくことで「映画の聖地」に発展したのがハリウッドというわけで、何事も諦めずに ときは未開の地へ足を踏み入れることで新たな可能性を切り開くことができるかもしれないと学びました。

人間は意外にタフですね。

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