お兄ちゃんお姉ちゃんと呼ぶのになぜ弟ちゃん妹ちゃんとは呼ばないの?『チコちゃんに叱られる!』

2019/7/5放送の『チコちゃんに叱られる!』
チコちゃん「お兄ちゃんお姉ちゃんと呼ぶのになぜ弟ちゃん妹ちゃんとは呼ばないの?」
答えは、「家族の呼び方は一番下の子を基準に決まる」から。
詳しく教えてくださるのは慶應義塾大学名誉教授の言語学者の鈴木孝夫先生。
大正生まれで御年92歳、日本を代表する言語学の先生です。
目上の人の名前を呼ぶのは失礼にあたる
お母さんお兄ちゃんのように家族を自分との関係で呼びますよね。
この読み方を「親族呼称」といいます。
日本では普通、目上の家族に親族呼称を使うという風習があるんです。
例えば、この家族の場合タカシさんは自分の両親のことは「お父さん」「お母さん」と呼びます。
タカシさんにとって、両親は目上の家族にあたるため、親族呼称を使います。
しかしタカシさんに子がいた場合、自分の子供のことを名前で呼びます。
タカシさんのお父さんは自分の子供であるタカシさん、そして孫には名前で呼びます。
下の世代の人たちは名前で呼ぶ。
なぜ目上の人には親族呼称を使うのでしょうか?
そもそも日本では目上の人の名前を呼ぶのは失礼にあたります。
日本人には苗字と名前があります。
苗字はその人の家系を表すもの。
そして、名前はその人個人を表すものです。
そのため、古くから日本では個人を表す名前はとても神聖なものと考えられていました。
名前で呼ぶことはその人自身を支配するとても失礼なこととされていたのです。
そこで、家族の中でも目上の人を呼ぶときは名前を避けて親族呼称を使うようになり、今なおその風習が残っているのです。
目上の人も親族呼称を使うのは家庭内の混乱を避けるため
しかし、母親が長男を呼ぶとき、なぜ母親から見て下の世代である息子に「お兄ちゃん」という親族呼称を使うのでしょうか。
タカシさん夫婦に子供が生まれると、夫婦はお父さん・お母さん、タカシさんの両親はおじいちゃん・おばあちゃんと呼ばれるようになります。
このとき、子供は名前で呼ばれています。
更に下の子供が誕生すると、長男はお兄ちゃんと呼ばれるようになります。
さらに下の子が誕生すると2番目の子はお姉ちゃんと呼ばれるようになります。
このように、家庭内子供が生まれると、一番下の子を基準にして呼び方に変わっていくんです。
常に一番下の子が基準になるため、その子から見たお兄ちゃんお姉ちゃんいても、弟ちゃん妹ちゃんは存在しません。
そのため、弟ちゃん妹ちゃんという呼び方は使わないのです。
では、どうして一番下の子が基準になるのでしょうか。
それは家庭内の混乱を避けるためだといいます。
この家族の場合、子供たちのお母さん。
さらにタカシさんのお母さん。
このようにお母さんが2人いることになってしまいます。
そこで一番下の子を基準にし、その子の母親は家族の誰もがお母さんと呼び、祖母のことを家族の誰もがおばあちゃんと呼ぶことで混乱を避けているのです。
まとめ
目上の人の名前を呼ぶのは失礼にあたるなんて初めて知りました。
そういえば、学校の先生や医者には「先生」のように呼ぶも似たような理由からでしょうか。
下の名前で呼び合うのも親しい間柄だけですよね。
昔の風習が今もなお残っていてとても面白いと思いました。

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