知っておきたいお盆にふさわしい過ごし方『この差って何』

2019/8/13放送の『この差って何』。
「お盆・お墓参り」がテーマです。
東京など一部の地域を除いては、全国的にお盆の真っ只中!
でも皆さん、お盆とは一体どのような時期のことかご存知ですか?
お盆は一般的に8月13日から16日の4日間です。
古来、日本では1年を二つの期間に分け、一つ目の期間の始まりを正月、二つ目の期間の始まりをお盆としていました。
そして正月とお盆にはご先祖様が帰ってくると考えられていました。
なので、ご先祖様をお迎えするふさわしい過ごし方があるのです。
そこで今回は、お盆のよりふさわしい過ごし方を神奈川県海老名市にある日蓮宗・妙常寺 住職の本良さんに教えてもらいましょう。
※お盆のしきたりや考え方は、地域や宗派によって異なる場合があります。
お墓参りは8月の13日と16日に行くべし
実は8月13日から16日までの4日間の中で、この日の墓参りに行くのがよりふさわしいという日があります。
それは13日と16日です。
8月13日はお盆の初日です。
ご先祖様があの世(仏様の世界)からこの世に帰ってくる日です。
「あの世」というのは宗派によって「霊山浄土」と言われていたり「極楽浄土」と言われていまして、仏様の世界のことです。
私たちは違う世界から帰ってくる日が13日。
なので、13日はご先祖様をお迎えするためにお墓参りに行った方が良いです。
ご先祖様は仏様の世界から帰ってきまして14日・15日は全泊します。
そして16日は逆にご先祖様がこの世からあの世、仏様の世界に戻る日です。
なので、16日はあの世に戻るご先祖様をお送りするためお墓参りをするのがふさわしいのです。
もしやむをえない事情で13日にお参りに行けなくても、14日15日でも「お迎えに行くのが遅くなってごめんなさい」と思いながらお参りに行かれるとよろしいと思います。
お墓参りにふさわしい5つの項目
お墓の上から水を掛けてはいけない
お墓は歴代大切にしないといけないお墓です。
お墓はご先祖様の身体というイメージで、頭から水をかけてしまうと先祖の頭から水をかけるようで良くありません。
それと、実は水はお供物としてあげています。水をあげる場所がお墓に「水受け」がありますのでお供物の水はそこにあげましょう。
お墓は柔らかいスポンジで丁寧に洗う
お墓をタワシで磨くのは良くありません。
お墓を磨くときは柔らかいもので優しく丁寧に洗うのがよりふさわしいかなと思います。
供える花は故人が好きな花でOK
故人が好きだった花をお供えすることは基本的にはふさわしいです。
ただし、バラのようなトゲがついてる状態の花は、トゲを取ってから供えてください。
一方、彼岸花や水仙などは毒があるため、供えには向いていないとされています。
さらに椿は散るときに花がポトリと落ちる様が首が落ちる様子を連想させるため避けた方がいいです。
供え物の蓋は開けてお供えする
ご先祖様はお供物の香りを楽しんでいらっしゃいます。
実際お線香をあげたりするのはその香りをお供え物しているのです。
香りをプレゼントしているので蓋を開けて、お供えするのがよりふさわしいかなと思います。
しかし開けっ放しにするとカラスや猫が待っていたりするのでそのままにしていくのはちょっとよろしくありません。
お寺や霊園ですと「あげた物は持ち帰るようにしましょう」というルールがあったりもしますので、確認をしていただくのも大切かなと思います。
持ち帰ったものは食べても良い?
食べ物としてあげたお供え物は食べていただいてもよろしいです。
仏様のご飯で「仏飯」になりますけれども、それはいただいてもよろしいです。
お参りするとき目は閉じない
お墓参りに来てますから目を開けてご先祖様と会ってお話するように、目を開けてお参りしていただいても全く問題ありません。
お参りの時に何を考えるのが良い?
一番最初に何をしに行くかっていうと今わたしのある命、これはご先祖様が繋がってきてくれたおかげと言うなので「ありがとう」が一番正しいです。
感謝から伝えてそして「いま僕はこうやって頑張ってるよ」と伝えることが一番いいかなと思います。
お墓参りには提灯を持っていく
お墓からお家まで「迷わないで帰ってきてね」という気持ちで提灯を目印にして帰ってくるので、提灯を持っていくというのがお盆の一つの特徴です。
お墓参りに行った際に提灯を持っていき、そのお寺の種火をもらったり、また種火がもらえないときはお墓でつけたろうそくの火で灯していきます。
いまやLEDライト提灯もある
火がついていると持って帰れないってことも今はたくさんあると思います。
そういったときに、今まではLEDライト提灯があります。
このような火を使わないものを活用していただくのも良いかなと思います。
ほおずきの供えておきたい
他に備えるお花もお盆ならではのものがあります。それは「ほおずき」です。
これは形がが提灯と似ているということで、「ご先祖様ここですよ」という目印になってもらいたいということで、「ほおずき」をお供えします。
迎え火
「迎え火」は玄関先で焚きます。
玄関の外での「ほうろく」という素焼きの皿の上で「おがら」という麻の茎を燃やして「ご先祖様こちらですよ、ちゃんと迷わず帰ってきてくださいね」目印のためにやります。
迎え火に必要なほうろくやおがらなどはお盆の時期になるとスーパーなどでも売っているので皆さん探してみてください。
精霊馬をお供えする
そして家の中でも先祖様をお招きするためのお供え物が欠かせません。
お盆といえばナスとキュウリに爪楊枝を刺して作る精霊馬をお供えします。
ナスとキュウリは動物を模したものなんです。
キュウリは馬、ナスは牛を模したものです。
なぜ馬と牛?
精霊馬はご先祖様が乗る乗り物です。
キュウリは13日ご先祖が帰ってくる時に乗る乗り物、ナスは16日ご先祖さまがあの世へ戻る時に乗る乗り物です。
なぜ13日にキュウリ、16日にナスと使い分けるのでしょうか?
まず馬に模したキュウリ。馬はとても足が速いです。
だから久しぶりに会うのでなるべく早く帰ってきてほしいという気持ちが込められています。
逆に牛は歩くのがゆっくりです。
なるべくゆっくり帰ってねという気持ちから、帰りは牛でゆっくり帰ってねという意味でお供えをしています。
仏飯をお供えする
お供え物としてなくてはならないのがご先祖様が食べられる「仏飯」です。
基本的には個人の好きなものをそのままお供えして良いです。
しかし精進料理には使われない肉と魚に関しては、殺生にあたる場合もあるため避けた方が良いとされているのです。
お盆中日は出かけても良い
8月14日と15日はご先祖様が自宅で過ごしますが、ずっと家にいる必要がなくお出かけしても問題ありません
そうめんもお供えしておきたい
精霊馬のほかにお供えした方が良いものがあります。それは「そうめん」です。
そうめんにはご先祖様があの世に帰るときにお供物をできたら持って帰ってほしいということで、縛る紐としての意味があったり、牛から落ちないように手綱として使ってほしいという気持ちでそうめんを用意したりしています。
所感
お墓参りに行ってお墓の頭から水をぶっかけてきた夜にこの番組を見て青冷めてしまいました。
お墓を洗うために頭から水をかけたのですが、マナー違反だったんですね。ごめんよ、ご先祖様…。
お盆の風潮がなくなりつつある現在、お盆の意味を勉強すると、後世にも残しておきたい文化の一つだと思いました。
住職がおっしゃるように、ご先祖様のおかげで自分があるので感謝して精一杯生きていきます。

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