なぜ鏡は上下は逆にならないのに左右は逆に見えるの?『チコちゃんに叱られる!』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

なぜ鏡は上下は逆にならないのに左右は逆に見えるの?『チコちゃんに叱られる!』

2019/12/20放送の『チコちゃんに叱られる!』
中川翔子さん、泉谷しげるさんをゲストに迎えています。

チコちゃん「なぜ鏡は上下は逆にならないのに左右は逆に見えるの?」

わからない

詳しく教えてくださるのは、鏡が左右逆に見える理由を長年研究している法政大学文学部心理学科の吉村浩一教授です。

鏡が左右逆に映る理由は頭が良い人ほどわからなくなる

鏡が左右逆に映る理由は実ははっきりとした答えはいまだに出ていません。
哲学者プラトンも考えに考え抜きましたが、結局答えが見つからず、2,000年以上解明されていません。

ちなみに鏡が左右逆に見える謎は頭がいい人ほどわからなくなるのだそうです。
これからわからなくなる理由について解説していきます。

あなたは頭が良いでしょうか?

鏡のメガニズム 光の反射

まずは物理学の先生に鏡について説明していただきました。

鏡というのは我々から出た光が鏡の面で反射して我々に返ってくるその光を我々の目が捉えるので、あたかも自分の前に自分が立ってるかのように見えます。

鏡はそのままモノをを反射させています。
物理学で説明するととても当たり前のように聞こえます。

鏡の左右逆は人によって捉え方が違う

実際、街の人に聞くと右手を挙げている自分を鏡に映したとき、鏡の中の人物は左手と右手のどちらを上げているのかは人によって捉え方がバラバラです。

なぜこうなるのか、心理学的にはいまだに説明ができていないというのです。

左右の定義

そもそも私たちは何を基準に左を決めているのでしょうか?

前後も上下も揃って初めて左右という方向が出てきます。
前後とは物の前と後、上下とは物の上と下。

国語辞典をみると、南に向いて立って東側が左であると書いてあります。
「南を向く」とは人の前側つまり、おなか側を南側に向けることです。
これで前後がどちらなのか決まります。

次に「立つ」ということは、頭が上で足が下。
当たり前のようですが、これでどちらが上でどちらが下なのかが決まりました。

前と後ろそして、上と下、この二つの条件が揃えば自ずとどちらが右か左かが決まるのです。
皆さん、ここまでは大丈夫でしょうか?

無地のお椀は鏡に映しても左右逆にならない

無地のお碗を鏡の前に置きます。
お椀には上下はありますよね。

しかし、お椀は円形で前後はありません。
先ほどの2つの条件のうち、前と後ろが決まらないので左右を決められません。

だからお茶は鏡に映しても左右反対に見えないのです。

模様がない鉛筆は鏡に映しても左右逆にならない

今度は前と後ろははっきりしていますが、上下の区別がないもので見てみます。
例えば鉛筆を横に置いた場合。

鉛筆には前と後ろはありますが、どちらが上でどちらが下なのかは決まっていません。
だから、左右も決まらないということなんです。

鏡に映しても左右が入れ替わったっていうことは、誰一人思われないでしょう。
そもそも左右がないので、左右逆には見えません。

人間は鏡に映すと左右逆に見える

では人の場合、前後上下があるので、左右が決まっています。
ではなぜ人は鏡に映った自分の右手を左手と思ってしまうのかを考えましょう。

ちょっとそろそろ自分は頭がいい人なのかがわかり始めますよ。

上下は鏡の中の世界の自分も入れ替わっていません。
ひっくり返っているのは前後に関してですね。

鏡に自分の姿を映した場合、体の後ろから前、つまり、背中からお腹へ向かう向きは実物の自分を鏡に映る自分とでは逆向きになっていることがわかります。

実物の自分と鏡に映る自分の縦方向・横方向前を見比べると縦と横は同じ向きであり、逆にはなっていません。
実は前後が逆なのです。

確認してみましょう。
右手にリンゴを持って鏡の前に立ちます。

鏡の中の自分がリンゴを持っている手は、実際に自分がりんごを持っている手ですから間違いなく右手のはずです。
ところが、私たちは鏡の中の人物は左手でリンゴを持っているように見えてしまいがちです。

左右というのは「前と後ろ」そして「上と下」の二つの条件が揃って初めて決まるといいました。
鏡の中はこちら側の世界と比べて縦の方向は同じ、横の方向も同じ。

実は、前と後ろが逆になっています。
左右を決める条件の一つが変わってしまったので、左右も逆になったように見えてリンゴを持つ右手を左手だと思ってしまうのです。

人間はこれを左右逆に見ない場合がある

ところが、これがどんなときにでも当てはまるなら何の問題もないのですが、当てはまらない場合もあるのです。

例えば車のバックミラー運転している気持ちで見てください。
後ろの車が右にウインカーを出して右側にいったのを見て左に行ったとは思いませんよね。
左右が逆に移るならウインカーは左ウインカーに見えるはずなのに。

このように、シチュエーションによって左右を逆に思ったり思わなかったりするので、心理学的には誰もが納得できる説明ができないでいるのです。

何がわからないのかわかりましたか?
ということで、鏡が左右逆に見える理由は人それぞれの捉え方で違うためわからない…でした。

あとがき

最初にチコちゃんが「わからない」と答えた時は笑ってしまいましたが、VTRを見ているうちに狐につままれた気分になりました。

そもそも左右の概念がなければ鏡が左右逆に映っていると不思議に思うこともなかったということですね。
物理学上で鏡が左右逆に映る理由は既にわかっているが、鏡が映っている部分を左か右か判断するのは場面場面によって違うという、心理学的な部分では解明されていないと。

人の心理は実に奥が深い…。

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