洗濯のプロ集団 洗濯ブラザーズが教える家でできるコートの洗い方『この差って何』

2020/2/18放送『この差って何』
クリーニングに出した方が良い服と家で洗った方が良い服の差。
これからぽかぽか暖かくなる季節。
そろそろ着終わったダウンジャケットやコートをクリーニングに出そうと考えている方多いですよね。
この時期 クリーニングににかける費用は平均約12,000円。
しかし、横浜でクリーニング店を営み、洗濯に関する本を執筆、さらに劇団四季やシルク・ドゥ・ソレイユなど舞台衣装のクリーニングも行う洗濯のプロ集団 洗濯ブラザーズによると、実は家で洗えるものは結構あるのでもったいないといいます。
ほとんどの衣服は家で洗った方が良い
皆さんがよくクリーニングに出す服の中には家で洗った方がいいものもあります。
- ダウンジャケット
- 中綿のコート
- ウールのセーター
- スーツ
- ワイシャツ
これらは全て家で洗った方がいいのです。
その理由はクリーニング店の洗濯の仕方にあります。
ドライクリーニングだと皮脂や汗の汚れが落ちきらない
クリーニング店ではドライクリーニングで洗います。
ドライクリーニングは石油で洗います。
石油で洗うので油の汚れにはしっかりとケアできますが、汗などの汚れは水溶性の汚れなので石油では落ちきらないのです。
なので汗汚れはしっかりとお家で水で洗う方が綺麗になります。
衣服についているタグに「ドライ」やクリーニングマークが付いていますが、これらは「ドライではないといけない」という意味ではなく「ドライクリーニングできますよ」という意味です。
中綿のコートを家で洗うと型崩れが起きてしまうかもと思うかもしれませんが、正しい洗い方をすれば大丈夫です。
逆にクリーニングに出した方が良いもの
水に弱い繊維はクリーニングに出した方が良いです。
革やレーヨンは水に浸すと縮む虞があります。
他にはシルクのネクタイはで水で洗ってしまうとよれてしまって形が元に戻りませんのでクリーニングに出す方が良かったりします。
自宅でできる!コートなどの洗い方
- まずはおしゃれ着洗い用の中性洗剤を30~40度のぬるま湯に入れてよくかき混ぜます。
- その中に服を入れて中までしっかりと浸します。
- 押し洗いをして手で絞るとかなり汚れた水が出てきます。
これがドライクリーニングでは取れない汗などの水汚れです。 - これを2~3回繰り返し洗濯ネットに入れて洗濯機で1度脱水します。
- さらに、洗濯機ですすぎと脱水をもう1度行います。
このとき洗濯ネットを使うことでセーターの縮み防止も可能です。 - あとは仕上げでセーターは平干し、ダウンやコートはハンガーにかけて干せば完了です。
臭いや黄ばみを防ぐには裏返して洗う
洗濯をしたのにまだ臭いが残っている、そんな経験ありますよね?
実は臭いをなくすためには洗濯機に入れる時の洗濯の向きが重要なのです。
服の臭いは人間から出る皮脂や汗汚れが原因です。
なので服を裏返すことで他の衣服とぶつけて擦れることによってより臭いや汚れを落とすことができます。
1回の洗濯だとあまり差が出ませんが、日々重ねて蓄積していくとニオイ残りとなってしまうことになります。
逆に野球をやっていたりしして外部からの汚れがひどい場合は表向きで洗います。
さらに洗う前にプレウォッシュという前処理をやると良いです。
プレウォッシュは洗剤と水を1対1に割ったものを衣服にスプレーして洗濯ブラシで叩いて20分ぐらい放置してから洗濯機で洗うとより綺麗に洗えます。
さらに裏返して洗うことで、ニオイ以外にもメリットが2つあります。
裏返して洗うことで黄ばみが軽減する
1つ目は黄ばみが軽減できます。
黄ばみは皮脂汚れが洗いきれず繊維の中に残って時間の経過とともに酸化していったものです。
それを裏返しにして洗うことによって黄ばみが軽減できるということです。
裏返して洗うことで服が長持ちする
もう1つのメリットは服がすごく長持ちします。
裏返しにすることで表側は守りながら洗うことになります。
例えばセーターに毛玉が出来にくかったりボタンとかプリントが取れにくくなります。
干すときもそのまま裏返しで大丈夫です。
裏返しの方が乾くのが早いはずです。
ズボンやスカートにはのポケットの部分がありますよね。
そういうところは生地が厚いので表向きでホスト乾きづらかったりします。
また、縫い目も生地が重なって厚いので乾きにくいです。
これらを裏返ししてあげることで早く乾くようになります。
ただし、ワイシャツやコートなどは裏返して干すと型崩れしてしまうので表向きで干してください。
繊維を立ててごわつきを解決!
続いてはタオルのごわつきに関する悩みです。
お風呂上りに、柔軟剤を使ったのにタオルの肌さわりがゴワゴワするなんて経験ありませんか?
実はこれ そもそも使う洗濯機に原因があります。
同じタオルを使っても縦型かドラム式かで仕上がりに雲泥の差があるのです。
ごわつきにくい洗濯機は縦型です。
ドラム式は汚れが落ちやすいですが、使い方間違えるとごわつきやすくなります。
なぜドラム式で洗うとごわつきのでしょうか?
それはドラム式の洗い方に理由があるのです。
ドラム式は少ない水で衣類を叩きつけて洗う洗濯機です。
叩いた際に繊維が倒れてしまうので空気の層がなくなってごわつきをすごく感じることがあります。
ドラム式の場合でも乾燥機能を使えばふわふわに仕上がります。
電気代がちょっともったいないと思ってしまって乾燥まではしないという方は、脱水が終わったタイミングでタオルを干す前に20回ほどパタパタを振ることで倒れた繊維を起こしていくことができます。
タオルに柔軟剤は使わない
さらにタオルを洗うときにもう1つ気をつけた方がいいことがあります。
タオルに関していうと柔軟剤を使わない方が良いです。
柔軟剤は表面を油でコーディングします。
水と油は弾き合ってしまうので吸水性が下がってしまいます。
タオルだけでなく肌着など汗を吸うものも同様です。
逆にセーターなどの衣類には柔軟剤を使うのがオススメです。
柔軟剤を使うことで静電気を抑え、花粉がつきにくくなります。
脱水時間を変えてシワを伸ばす
続いては、シワに関する悩みです。
ワイシャツを伸ばしてから干したのにシワシワになっている…なんて経験ありませんか?
シワになりやすいかどうかは脱水の仕方と洗濯ネットの使い方にポイントがあります。
まず脱水の仕方から教えてもらいましょう。
脱水時間を短くしてシワをつきにくくする
実はシワになるのは洗濯機の脱水の仕方に原因があります。
シワの付き具合は脱水の時間の設定によって変わってきます。
全自動のコースで洗ってしまうとシワがつきやすくなります。
これはどうしても洗濯機のコースをそのまま自動でやってしまうと脱水の時間が長くなります。
全自動コースであれば約8〜10分ぐらい回ってしまっていると思いますが、そのぐらいの時間を長くしてしまうと中で洗濯物がやっぱりシワシワになってしまいます。
これを干すときにシワを伸ばそうとパンパンしても手遅れでそのまま伸びにくくなってしまいます。
ワイシャツは脱水1分で良いです。
例えばシワを作りたくない衣服の場合は衣服自体に水気を残しておくことが重要です。
その水気が干したときに重さとなってシワが自然に伸びます。
これがスチームアイロンみたいな現象で脱水しているということです。
衣服のサイズにあった洗濯ネットを使う
さらに皆さん、洗濯ネットをよくお使いですよね?
実は間違った洗濯ネットの使い方がシワ・痛みの原因になります。
洗濯ネットの中で衣服が動くと摩擦で生地が傷むので、中で服が動かないようにすることがポイントです。
衣服に合わせた洗濯ネットを選び、もし余りがあったら衣服が動かないようにヘアゴム等で留めます。
また、ワイシャツを洗濯するときにボタンを留めると、水と含むことで膨張してボタンで生地が避けることがあります。
なのでボタンは外した状態で洗濯することをオススメします。
あとがき
洗濯の仕方なんて誰も教えてくれない(教えてくれたとしても洗剤の入れ方や洗濯機のどのボタンを押すかぐらい…)ので、洗濯ブラザーズの話を聞いた時は衝撃を受けました。
実は2月に放送されたときにリアルタイムで観ていまして、すぐに洗濯ブラザーズが執筆した本を購入しました。
服装について無頓着だったため、写真付きやわかりやすい説明が書かれていて非常に良かったです。
洗濯が楽しくなりました。

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