夏血栓対策して脳梗塞・心筋梗塞を予防!『健康カプセル!ゲンキの時間』

2020/7/12放送『健康カプセル!ゲンキの時間』
いよいよ夏本番。
暑さがピークを迎えるこれからの時期に注意しなければならないことは「夏血栓」です。
夏血栓とは、汗をかくことで身体の水分が奪われ血液の濃度が高くなってできる血の塊です。
それが血管内で詰まると脳梗塞や心筋梗塞を発症して命を落とすことも少なくありません。
しかも血栓は気温が32度を超えるとできやすく猛暑日が増えるこれからは特に危険です。
そこで、なぜ暑いと夏血栓ができやすいのか?
今朝は原因と対策法を徹底調査します。
汗をかいて脱水状態になると血栓ができやすい
気温32度を超えると出来やすい夏血栓。
去年の8月に気温が32度以上の日が19日間ありました。
月の3分の2程です。
しかも気象庁によると今年の夏の気温は平年並みか高めの予想です。
だからこそ夏血栓に注意が必要なのです。
そう話すのは杏林大学の平野先生です。
暑くなると汗をかいて脱水状態になります。
脱水状態になると血液内の成分(赤血球や血小板)の濃度が上がりドロドロになってしまいます。
その結果、血の塊(血栓)を作り出してしまうのです。
つまり、猛暑が予想される今年の夏はとにかく水分補給をして脱水を防ぐことが大切です。
しかも今年は気温以外にも夏血栓を作ってしまう落とし穴があります。
夏血栓の落とし穴その1:マスク
夏血栓ができやすい要因の1つが「マスク」です。
マスクをしていると水分補給を怠りがちになります。
マスクをしていると口の中が相対的に潤っているような感覚を持ってしまいますので身体が乾いていることに気づきにくいということがあります。
この夏はマスク着用によって例年以上に脱水を加速させる可能性があります。
ソーシャルディスタンスを保ちつつ、マスクをとってしっかり水分補給をしましょう。
夏血栓の落とし穴その2:お酒だけを飲んでいる
自粛を経て家飲みをする人が増加しています。
その結果、夏血栓ができてしまう落とし穴にハマってしまいます。
それはお酒だけを飲むことです。
もし水を飲まないでいると血管内で恐ろしいことが起こっているかもしれません。
お酒を飲むと脱水状態になりやすい
以前番組で2人の元気チャレンジャーのお酒を飲む前後の血液の状態を検証しました。
お酒を飲む前は丸い赤血球がよく流れています。
ところが、居酒屋で2時間それぞれ4杯ほどお酒を飲んでもらったところ、お酒を飲んだ後は赤血球同士が重なり流れも遅くなりました。
体内の水分が失われている証拠です。
お酒を飲んだ後の身体はかなりの脱水状態です。
飲みながらはもちろん、就寝前もコップ1杯分の水分補給をしましょう。
血栓が引き起こす脳梗塞と心筋梗塞
そんな脱水が原因の夏血栓。
時に大きな病気を引き起こす恐れもあります。
血管の中に血栓ができて、そのために生じる病気として脳梗塞と心筋梗塞があります。
実際、脳梗塞は夏に患者数が増える病気です。
もし かかれば脳の血管が詰まって血流が途絶えて脳の神経細胞が死んでしまいます。
しかも夏の脳梗塞発症の裏には脱水を起こす意外な盲点があります。
脱水による脳梗塞
日中 空調が効いた快適な環境で仕事をしていて汗をかかなかったにもかかわらず夜に脳梗塞を引き起こした人がいます。
この方は3つの要因で脱水状態になり脳梗塞を起こしてしまったのです。
要因その1:不感蒸泄
脳梗塞を引き起こした原因の1つが隠れ脱水です。
汗はかかなくても不感蒸泄といってご自身で気づいてない間に体から水分が逃げてしまってかなりの量の水分を失っています。
不感蒸泄とは、汗以外の呼気や皮膚から出る水分のことです。
何もしていなくても1日約900mLは失われているといわれています。
要因その2:喉が乾いてからの水分補給
他の原因として水分のとり方にもあります。
喉が乾いたら飲むという方もいますが、「喉が渇く」というのはもうすでに身体で脱水状態が進行しているというサインです。
喉の渇きを感じたときにはすでにもう手遅れなのです。
要因その3:コーヒーによる利尿作用
コーヒーや緑茶など利尿作用のある飲み物を飲んでいるとさらに脱水を加速させてしまいます。
脳梗塞・心筋梗塞の前兆を知っておく
脳梗塞・心筋梗塞は前兆を知っておくことがとても大事です。
解説していただくのは北里大学病院循環器内科の東條先生です。
脳梗塞の前兆
脳梗塞の前兆には倦怠感・麻痺・めまい・脱力・しびれ等があります。
これらは一過性脳虚血発作という脳梗塞の前兆で15分以内でおさまることが多いですが、数ヶ月以内に大きな脳梗塞を発症する可能性があり注意が必要です。
そんな脳梗塞の前兆は熱中症の症状と似ているため気付きにくいのも注意が必要です。
熱中症と脳梗塞の見分け方
脳梗塞の特徴は症状が起こる場所によって違います。
身体の片側にしびれや力が入りにくいなどの症状が突然に出ると脳梗塞の可能性が高く、このような症状がみられた場合はすぐに病院を受診してください。
心筋梗塞のサイン
心筋梗塞とは冠動脈がつまり血流が途絶えて心筋が壊死する病気です。
心筋梗塞に多い症状は冷や汗を伴うほどの強い胸の痛みや締め付けられる感覚です。
中には胸が痛いだけではなく放散痛といって左肩のコリや歯痛という異なる症状を感じる場合もあります。
これらの症状と同時に冷や汗がでる不快感がある場合は心筋梗塞を疑ってすぐに病院を受診してください。
夏血栓予防!簡単で健康になれるスペシャルドリンク「スカッとキウイソーダ」
脳梗塞や心筋梗塞を防ぐには、こまめな水分補給が大事です!
そこで夏血栓を予防して簡単で健康になれるスペシャルドリンク「スカッとキウイソーダ」を紹介します。
キウイに含まれるクエン酸には血液中の血小板が固まるのを防ぐ作用があり、血栓予防にオススメです。
「スカッとキウイソーダ」の作り方
管理栄養士・中村さん考案のスペシャルドリンクを作ってみましょう。
▼食材(2人前)
・キウイ 2個
・リンゴ酢 小さじ2
・蜂蜜 小さじ4
- まずキウイの皮を剥きます。
包丁は使わずにスプーンで中身をくり抜くやり方でOKです。 - 次に皮をむいたキウイを4等分にカットします。
- 切ったキウイを密閉できるビニール袋に入れたらリンゴ酢小さじ2、蜂蜜小さじ4を加えます。
- 手でよく揉んでキウイをお好みの大きさに崩します。
- 最後にキウイをグラスに移して無糖の炭酸水で割れば完成です。
甘いのが好きな方はお好みで蜂蜜を増やしてOK
長時間座り続けると肺血栓塞栓症の発症リスクが高まる
緊急事態宣言が解除された分はいえ、外出しにくい今年の夏まだ家で過ごす時間が多いようです。
実はその暮らしがある病気のリスクを上げてしまいます。
座っている状態が長くなると肺に血栓が詰まる「肺血栓塞栓症」という恐ろしい病気になる可能性があります。
肺血栓塞栓症の原因は脚にできる血栓です。
足の血流が悪くなると血液が滞り、血栓が作り出されます。
その血栓が足で詰まると皮膚の変色や足全体の浮腫・だるさなどの症状があらわれます。
さらに血栓が何かの拍子に流れ出して肺に詰まると「肺血栓塞栓症」になってしまいます。
主な症状は息苦しさや胸の痛み、最悪の場合 命を落とす恐れもあります。
肥満も肺血栓塞栓症を引き起こす
そんな肺血栓塞栓症の原因は他にもあります。
血栓ができやすくなる原因は運動不足にもありますが、肥満が大変大きな原因となっています。
体格指数(BMI)が25.3以上になると血栓ができやすくなるといわれています。
肥満によって分泌される炎症物質が血管の壁を攻撃します。
傷ついた血管壁に赤血球や白血球がくっつき、より血栓を作りやすくしてしまいます。
肺血栓塞栓症の予防法
肺血栓塞栓症を予防するには30分に1回は立ち上がったり座りながらかかとを上げ下げしてふくらはぎの筋肉を刺激して血流を促すことが大切です。
最後に先生からのアドバイス
新型コロナウイルス影響で不調があっても受診を控える方がおられるかもしれませんが、脳梗塞・心筋梗塞も異変を感じたら一刻も早く病院を受診してください。
あとがき
脳梗塞・心筋梗塞は聞いたことがありますが、肺血栓塞栓症は初めて知りました。
肺血栓塞栓症はいわゆる「エコノミークラス症候群」と同じですね。
普段がデスクワークなので肺血栓塞栓症のリスクは非常に高いと思います。
発症すると激しい痛みを伴うらしいので絶対に引き起こしたくない病気だと思いました。
まめに水分補給して長時間座らないように気をつけます。

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