ペットボトル入りの牛乳を見かけないのはなぜ?『チコちゃんに叱られる』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

ペットボトル入りの牛乳を見かけないのはなぜ?『チコちゃんに叱られる』

2020/12/25放送『チコちゃんに叱られる』
杏さんと濱田岳さんをゲストに迎えています。

チコちゃん「ペットボトル入りの牛乳を見かけないのはなぜ?」

牛乳とペットボトルにはどうしても結ばれない悲しい物語があるから

詳しく教えてくださるのは日本乳業協会で相談員を務め、管理栄養士でもある唐津さんです。

栄養価が高い牛乳は薬として飲まれていた

いろいろな種類の飲み物がペットボトルで販売されていますが、ペットボトル牛乳をお店で見かけないのにはどうしても乗り越えられない大きな壁があるからです。

そもそも牛乳は栄養価が高いことから昔はとして飲まれていました。
カルシウムが豊富で、他にも体に必要な たんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンがバランスよく含まれています。

牛乳が飲料として一般に普及したのは19世紀ヨーロッパだといわれています。
日本で庶民が牛乳を飲むという文化が定着したのは明治時代になってからです。

明治維新以降 積極的に海外の文化を取り入れていた日本人にとって外国人が好んで飲んでいた牛乳は興味の対象となり、注目を浴びていきました。

衛星管理を徹底するために瓶と紙パックが使われた

明治当時 牛乳はブリキ缶に入れて運んで柄杓で量り売りをしていました。

1886年には輸入専用ガラス瓶が登場します。
その後ガラス瓶での配達販売が行われるようになりました。

しかし牛乳は栄養価が高い分、雑菌の繁殖しやすいことから国は1951年に徹底した衛星管理を行うよう省令を定めます。
牛乳を販売するときに使用しても良い容器がここで定義されました。
それが透明なガラス瓶でした。

1960年頃になると子供の健康作りとして瓶に入った牛乳が学校給食に登場します。
そして1970年代には許可を得て販売された紙パック入り牛乳が広く普及します。

瓶と紙パック それぞれに問題点がある

瓶と紙パック どちらにも問題がありました。

瓶は割れやすくケガをする危険性があります。
紙パックは1度開けたら飲み切らなければならず、持ち運びには適していません

そんなときにアメリカで瓶や缶に代わる飲料容器が開発されます。
それが合成樹脂製できたペットボトルでした。

すると 1982年 日本の食品衛生法が改正されてオレンジやコーラなどペットボトル入り飲料の販売が可能になりました。
ここから牛乳とペットボトルの悲劇の歯車が動き出します。

徹底した衛生管理を行うよう命じた乳等省令という厳しい法令によって、他のオレンジやコーラのような清涼飲料とは異なりペットボトルでの販売が認められませんでした。

そんな牛乳を横目にオレンジやコーラなどの清涼飲料は次々にペットボトルにシフト市場を拡大していきました。
瓶や紙パックでの販売が続き、ペットボトルを使うことが許されない牛乳はペットボトル飲料の人気に押されてどんどん影が薄くなっていきました。

ペットボトル牛乳を発売しようとしたが2つの悲劇が起きた

牛乳の人気回復のために日本乳業協会と乳業メーカー各社が立ち上がり、2007年にペットボトル牛乳が販売できる法改正にこぎつけたのです。
そして事業団体は早速ペットボトル牛乳の試作品は製造してイベントで提供しましたが、これが好評でした。

ところが、実は牛乳はとてもデリケートな飲み物なのでペットボトルとの相性が良くないことがわかりました。

ペットボトル牛乳の実用化に向けて試験を重ねた結果、牛乳は栄養価が高く飲み口に直接口をつけてから常温で持ち運ぶとその間に口に付着した細菌が牛乳の中で増殖し、それを飲むとお腹を壊す危険性があることがわかったのです。

ペットボトルと瓶は両方とも透明な容器ですが、その場で飲みきることが多い瓶に対し、ペットボトルは屋外の持ち運びを前提としているのでどうしてもフィルムの隙間から光が当たってしまいます。
これにより牛乳の脂肪分が酸化して味に変化が起きてしまいます。

各乳業のメーカーは長年にわたり努力をしたもののこの2つの悲劇を克服することができず、ペットボトル入り牛乳を販売することを断念しました。
牛乳とペットボトルが結ばれることはなかったのです。

ペットボトル入りの牛乳が全国発売されちゃった!

今回スタッフがこの企画のVTRを作っている最中に、なんとペットボトル入りの牛乳が全国発売されるという事態が発生いたしました。

光が当たらないように遮光フィルムで覆い、持ち運びによって菌が繁殖しないように1度で飲みきれるサイズにすることでWの悲劇を克服したそうです。

あとがき

牛乳とペットボトルの間にそんな悲劇が起こっていたなんて知りませんでした。
1度は断念したようですが、技術が発達してとうとうペットボトルと牛乳が結ばれて全国発売されたようです。

まだ実物を見かけたことはありませんが、1度で飲み切れるサイズにしているようです。
スーパーに行ったら牛乳を並べている棚を見てみようとおもいました。

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