なぜ鼻に水が入ると痛い?『チコちゃんに叱られる!』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

なぜ鼻に水が入ると痛い?『チコちゃんに叱られる!』

2020/4/3放送の『チコちゃんに叱られる!』
アン ミカさん、北島 康介をゲストに迎えています。

チコちゃん「なぜ鼻に水が入ると痛い?」

塩分が0.9%じゃないから

詳しく教えてくださるのは、大阪大学大学院で薬を研究している藤田郁尚招聘准教授です。

鼻に水が入ると痛く感じるのは水の塩分濃度に関係している

まず水には鼻に入ると痛い水と痛くない水があります。
そこに大きく関わっているのが塩分濃度です。

我々の人体の6割は体液、つまり水分でできており、その体液中の塩分濃度が0.9%になります。
つまり、その塩分濃度と違う濃度の水分が鼻に入ると痛みが起きます。

鼻に入ると痛く感じるといえば、シャワーの水やプールの水です。
シャワーの水、つまり水道水の塩分濃度を測ってみると0%であり、塩分はほとんど含まれていません。
一方でプールの水の塩分濃度を測ってみると0.1%でしたが、こちらも人間の体液0.9%よりも塩分濃度が低い水なので鼻が痛くなるというのです。

これはなぜなのでしょうか?

体液より低い塩分濃度の水鼻の中に入ると神経細胞が膨張してしまう

0.9%よりも薄い濃度の水が入りますと粘膜細胞の付近にある神経細胞に触れます。
鼻の粘膜にある神経細胞は、細胞膜で覆われており、その細胞膜は「半透膜」という性質を持ちます。

「半透膜」は体液と外部から入ってきた水を同じ濃さにしようとする働きがあります。
塩分の薄いの水が入ってくると細胞の中の体液を同じ濃さにしようとして水が細胞の内側に移動するので細胞が膨らみます。

そのときに細胞膜にある感覚センサーが「痛い」という危険信号を脳に伝えます。
その感覚センサーを「TRPA1(トリップエーワン)」といいます。

「TRPA1」は細胞膜の表面にあり、細胞が水を含むことで膨らんだときに「TRPA1」も同時に開き反応を起こします。
その反応が「痛み」として伝わることで鼻が痛いと感じます。

細胞は膨らみすぎると破裂するので危ないから鼻に水が入らないように私たちの脳は感知しないといけません。
ちなみに目に水が入ると痛むのも目の粘膜に「TRPA1」があるため鼻と同じ現象が起こっていたのです。

鼻水が痛くないのは鼻水の塩分濃度が体液に近いので「TRPA1」も痛みを起こさないということです。
実は藤田先生は「鼻に水が入ると痛い」の研究で「TRPA1」の働きを発見して賞まで取った人です。

※鼻に炎症がある場合、塩分濃度0.9%の水でも痛むことがあります。

塩分濃度が濃い時も痛みが起きるが、詳しくは解明されていない

体液より濃い塩水がかなり入ってきた場合、同じ濃さにしようと今度は水が外に移動するので細胞が縮みます。
そのときに「TRPA1」が反応してしまうかもしれません。
まだこちらに関しては解明はされていないので、研究進めております。

補足

水以外でもワサビを食べると鼻がツーンと痛むことってありますよね。
これはわさびの辛味成分が鼻を通ったときに鼻の粘膜にある「TRPA1」が反応して脳に痛いと感じる信号を出すということです。

あとがき

「TRPA1」。
辛いものを食べたときに痛み信号を発信するセンサーと同じ名前だったような気がして過去の記事を調べました。

「TRPV1」でした!1字違いでややこしいですね。

時を戻そう。
鼻に水が入っていたいのは塩分濃度が体液と異なるからでしたね。
そこまでわかっていれば、全てのプールの塩分濃度を0.9%にしてほしいものです。

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