1度の骨折が命に関わる!?健康な骨をキープする方法は?『健康カプセル!ゲンキの時間』

2020/12/6放送『健康カプセル!ゲンキの時間』
今注目されている健康のキーワードがあります。
それが「骨卒中」。
骨卒中とは、骨を折るとその後 死亡までの期間が極端に短くなることをいいます。
65歳以上の高齢者が転倒などで足の付け根を骨折すると5年後の生存率が63%というデータもあります。
その原因の1つとされているのが骨がスカスカになる「骨粗鬆症」です。
現在 全国の骨粗鬆症患者数は推定1280万人です。
女性に多い病気と思いがちですが、男性も決して安心はできません。
骨卒中による寝たきりを防げ!
今回は健康的な骨をキープする方法を大解明します。
今回 骨と体の意外な関係について教えてくれるのは東海大学医学部付属東京病院の山田先生です。
骨についてのセルフチェック
- 痩せ型である
- 運動不足である
- 顔のシワやたるみが気になる
- 血糖値が高め
当てはまる項目が多いほど骨粗しょう症になるリスクが高いです。
これらが骨とどう関係しているのかみていきましょう。
骨密度は加齢とともに低下する
骨の検査は「骨密度検査」という検査があります。
骨密度とは骨の強度を示す数値です。
20代の頃が最も骨密度が高く、加齢とともにだんだん減少していきます。
50〜60代になると骨密度を気にしていただいた方がいい年齢になります。
20代の骨密度が平均値を100%として自身の数値が80%未満だと骨粗鬆症の予備軍、70%未満だと骨粗鬆症と診断されます。
2つの細胞のバランスが重要
なぜ骨密度は低くなってしまうのでしょうか?
そこには骨の作られ方が関係しています。
骨には破骨細胞と骨芽細胞があります。
破骨細胞が古くなった骨を壊して骨芽細胞が新しく骨を作ることで約5ヶ月かけて骨を入れ替えています。
破骨細胞と骨芽細胞がバランスよく働くことで健康で強い骨が完成されます。
しかし、2つの細胞のバランスが崩れて破骨細胞の働きが上回ると骨芽細胞の骨を作る速度が追いつかなくなり骨がスカスカになってしまいます。
これが少しの衝撃でも骨折しやすくなる骨粗鬆症につながります。
バランスが崩れてしまう原因「女性ホルモンの減少」
細胞のバランスが崩れてしまう代表的な理由が女性ホルモンの減少です。
女性ホルモンは破骨細胞の活動を抑える働きがあります。
しかし、40代以降に減少してしまうことで破骨細胞が活発になり、骨密度が下がりやすくなるのです。
そのため 女性で60歳を超えると骨粗鬆症の割合は急激に増加傾向にあります。
バランスが崩れてしまう原因「痩せ型と運動不足」
骨が弱くなる原因は女性ホルモンだけではありません。
そこに関わってくるのが先ほどのチェックです。
まずは痩せ型と運動不足について。
ポイントは骨への負荷です。
体重が軽いと重さを支える骨へ負荷がかからないため骨密度が低下します。
運動不足も同様で、骨にかかる負荷が減ってしまうため骨密度の低下してしまいます。
骨に適度な負荷がかかると骨芽細胞の働きが活発する
骨に適度な負荷がかかると骨を作る骨芽細胞の働きが活発になります。
運動以外のオススメは下りの階段を積極的に利用すること。
足から全身に負荷が伝わり骨には嬉しいトレーニングになります。
バランスが崩れてしまう原因「顔のシワやたるみ」
続いてのチェックは特に女性が気になる顔のしわやたるみ。
ここからは頭蓋骨や顎周りの骨に詳しい歯科医の高石先生にお話を伺います。
頭蓋骨も加齢によって骨密度や骨量が減少します。
ある研究によると、40代の頭蓋骨は650gなのに対して70代が280g、なんと半分以下にまで減っているそうです。
例えば 顎の骨が痩せると頬のシワやほうれい線が、目のまわりの骨が痩せると目の窪みや目尻のしわが出るなど、みるみる老け顔になります。
中でも下顎は全身の骨の中でも骨密度低下率が最も大きいことがわかっています。
顔のシワが多い方は顔の骨密度が低いことがわかっていますので、全身の骨密度が下がっていると考えられます。
ガムを噛んで顔の骨に負荷をかけると良い
シワやたるみの予防にはガムを噛むことがオススメです。
顔の骨に負荷がかかり、骨芽細胞が活発になります。
また、顔の筋肉にアプローチする方法もあります。
それが高石先生がオススメする「ほほえみ体操」です。
上下の葉の間は1cmほど開けて指で口角を奥へ押し上げて10秒キープ。
これを1回につき5セットを行うことで筋肉からの引っ張り刺激によって骨に負荷がかかり骨の老化を防げるようになります。
骨質が悪いと骨折しやすくなる!?
さらに骨の強さについては骨密度以外にも重要なものがあります。
骨密度が骨の強さの7割を占めているので、確かに骨密度は非常に大事ですが、残りの3割である「骨質」も大切です。
骨の中に含まれるたんぱく質が劣化して骨折に繋がることがあります。
これを「骨質」といいます。
骨の構造は鉄筋コンクリートに例えられます。
コンクリートが示しているのが「骨密度」で、成分はカルシウムでできています。
そして、鉄筋に当たるのがもう1つのキーワード「骨質」で、成分はコラーゲンなどのたんぱく質です
たんぱく質が骨の中で網の目状に張り巡らされているため、骨の弾力性を保ち折れにくくしています。
しかし、骨質が悪くなるとたんぱく質が劣化して弾力を失い、骨は脆く折れやすくなってしまいます。
一見 骨密度が問題なくても中が錆びた鉄筋(骨質)だと簡単に折れてしまいます。
バランスが崩れてしまう原因「血糖値が高め」
骨質が悪くなる原因が血糖値が高いです。
血糖値が高いと血液中のブドウ糖がタンパク質にくっついてたんぱく質の劣化を起こします。
これを「糖化」といいます。
骨質が悪くなる原因には血糖値の高さの他に以下のようなことが考えられるます
- 高血圧
- 喫煙
- 動脈硬化
- 運動不足
- 加齢
- 肥満
- 閉経
- 遺伝
骨を強くする食材
骨密度を高める食材
骨を強くするにはカルシウムが良いとよく聞きますが、カルシウムだけでは吸収が悪いので十分に強い骨は作られないといわれています。
骨密度を上げるにはカルシウムの吸収を上げてくれるビタミンDをしっかり摂ることが重要です。
日本人は欧米人と比べて不足がちといわれますので、ビタミンDを摂るように心がけてください。
▼骨密度を上げる食材
カルシウム:牛乳やチーズなどの乳製品、煮干し
ビタミンD:青魚、鮭、キノコ類
骨質を良くする食材
骨質を良くするには、原料となるタンパク質の他にビタミンKを含む納豆やブロッコリー、ほうれん草などを摂ると良いです。
気をつけたい!咳するだけで圧迫骨折!?
骨密度と骨質が悪くなると次々と骨折を繰り返して生活の質が落ち、果ては寝たきり状態へ。
骨粗鬆症は骨卒中へと繋がる大きな要因になります。
加齢とともに骨がもろくなっていくなって特に注意が必要なのは、咳などのわずかな衝撃で脊椎が押しつぶされてしまう「圧迫骨折」。
放置すると骨が変形したまま固まり、背筋が曲がったり寝たきりに繋がることもあります。
そんな圧迫骨折に対して痛みを劇的に改善する治療を行っているのが参宮橋脊椎外科病院です。
その治療法とは圧迫骨折をしてる部分にセメントを埋め込む治療です。
潰れた骨の高さを持ち上げて形を復元するのです。
あとがき
「骨卒中」
初めて聞いたキーワードです。
そういえば大好きなおばあさんも転倒で足の付け根を骨折し、そのまま寝たきりになって数年後に亡くなりました。
コロナ禍で外出機会がめっきりと減り運動不足でしたが、登山というかハイキングに意識的に出かけるようになり運動不足が少しは解消されたかと思います。
足に負荷を与えることで全身に伝わり骨芽細胞が活性化されるようなのでこれからもウォーキングやハイキングを続けていきたいと思いました。

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