なぜシャツのボタンが男女で逆についているの?『チコちゃんに叱られる』 | 頑張ることをやめたら人生楽しくなった

なぜシャツのボタンが男女で逆についているの?『チコちゃんに叱られる』

2020/10/16放送『チコちゃんに叱られる』
須田亜香里さん、大竹まことさんをゲストに迎えています。

チコちゃん「なぜシャツのボタンが男女で逆についているの?」

女性は他人に服を着せてもらっていたから

詳しく教えてくださるのは、西欧の服飾文化を研究する文化服装学院 朝日 真 教授です。

ボタンは古代エジブト時代から使われている

そもそも服のボタンはいつできたのでしょうか?

ボタンは紀元前4000年頃の古代エジプトの時代からあるといわれています。
当時 ボタンは衣服を留めるものではなく、権威を表す装飾品として用いられたと考えられています。

その後 5世紀になると古代ゲルマン民族が布や毛布を留める道具としてボタンを実用化しました。
この時のボタンは動物の骨や木の実などで作られていました。

ボタンに特に大きな変化が訪れたのは14世紀中頃の中世ヨーロッパだといわれています。
この頃にいわゆるジャケットも登場し、多いものでは30個以上ボタンの付いた服もありました。

そして17世紀に入ると、比較的安く手に入る金属のボタンなどが作られるようになり、ボタンの付いた服が大量生産され、軍服などにも使われるようになりました。

その当時は自分から見て右手側にボタンがついてるものもあれば左手側についてるものもありました。
仕立て屋によって違っていたのです。

当時のフランスの皇帝ナポレオンの肖像画を見ると、右手側にボタンがついているものと左手側にボタンがついているものどちらもあります。

ボタンは右手で留めやすい側にある

なぜ男性のボタンは右手側、女性のボタンは左手側になったのでしょうか?

右利きの人が多いから右側にボタンがあると留めやすい

男性のボタンが右側になったのは右利きの人が圧倒的に多く、右側にあることでボタンが留めやすいという理由から右手側のボタンが定着しました。

女性は人に服を着させていたから左側にボタンがある

女性も右利きの人が多いのに女性のボタンは左手側にあるのでしょうか?
鍵を握るのは19世紀中頃の上流階級の女性たちのファッションです。

19世紀中頃の上流階級の女性の間では華麗なドレスが流行していました。
そのドレスは1人では来づらく段取りも多いので時間がかかりました。

裕福な女性たちは自分で服を着ることなく使用人に服を着せてもらうのが習慣でした。
そのため、女性服は着せる人が右手でボタンを留められるように男性服とは逆につけられました。

今でも男女でボタンが逆なのはその当初の名残なのです。

ファッション誌『VOGUE』がボタンが左手側に付いた女性服を世界中に広めた

1892年に創刊され、今なお世界でも影響力のあるファッション誌『VOGUE』。
その頃に掲載されたのが当時流行の最先端だったフランスのファッション特集でした。

それまで左右バラバラだったボタンがフランスでは左側が主流となっており、それをファッションメディアの中心的存在だった『VOGUE』が掲載したのです。
さらに、この時期ちょうどフランス・パリでオリンピックが開催され、世界中の人がフランスのファッションを目にしました。

そんなことがあり、ボタンが左に付いた女性服が世界中に広まっていきました。

ボタンのつき方には諸説あり

実はボタンのつけかたには諸説あります。

  • 女性が馬に乗ったときに風が入ってはだけないように
  • 女性が授乳しやすいようにするため(右手で外しやすい)
  • さらに男性が剣を抜きやすくするため(右ボタンは服が引っかかりにくい)

あとがき

小さい頃から「ボタンが右側にあるのは男性服、左側にあるのが女性服」と言われて育ちました。
ぶっちゃけ着られればどっちでもいいですよね。

ボタンの位置にこだわるのは年配の方に多く、最近の若い人たちは特に気にしていないように見えます。
というか、中性という男性か女性かもわからない人間が登場しましたし、メンズ・レディーズとか関係なくなってきました。

服は好きなように着たら良いと思います。

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